小説「青と水色が混ざり合うと」最終話~青と水色は混ざり恋になる~

まめおがショッツルに着くと、スーは金網の上に座っていた。

スー「まめお…来てくれたのね…。」

まめお「あぁ…。」

スー「……………。」

彼女の隣に座り、しばらくお互いに無言だったが…先に口を開いたのはまめおだった。

まめお「…お前と初めて会ったの、ここだったな。」

スー「…うん。」

まめお「最初は…とんだじゃじゃ馬だとか思ってた。」

スー「………………。」

まめお「お前はホント気が強くてさ、いつも突っ込んで行くし俺と毎回それで喧嘩してるし…。」

スー「………悪かったわね。」

まめお「けどさ、俺のまだまだ知らないお前の一面を知って…もっと知りたいって思ったんだよ。」

スー「………まめお……。」

まめお「……それで…俺…気づいたんだ、さっきは意地張ってあんな事言ったけど…。」

そう言うとまめおはスーの肩を掴み、自分の方へ向かせた。

彼の青い瞳はまっすぐ彼女の緑の瞳を捉えていて…その表情は真剣そのもので…

スー「まめお…。」

まめお「…俺…お前が…スーが好きだ。」

スー「……………!」

まめお「お前といつも喧嘩ばかりしてるけど…本当はそれだけお前に気を許してて、お前に安心して背中を預けてる。…同時に、俺もお前をもっと守れるように強くなりたいとも思ってる。」

スー「まめお…あたし…!」

まめお「…俺の気持ち、こいつと一緒に受け取ってくれるか?」

そう言うとまめおは小さな箱を手渡した。

スー「これは…?」

まめお「開けてみてくれ。」

自分と同じ水色のリボンを解き、言われた通りに開けると…

そこには青と水色が混ざった綺麗なブレスレットが…

スー「まめお…これ…!」

まめお「…俺とお前の色みたいだと思った、俺はいつもブレスレットと共に…お前の傍にいる。」

スー「まめ…お…まめお…っ…!」

泣いているスーの涙を指で優し拭い、まめおはそっと口を開いた。

まめお「お前の気持ち…教えてくれ、スー。」

スー「あたし…あたしも…まめおが好き…。」

まめお「ありがとな、スー。」

スー「…これからは…泣かしたら許さないわよ…。」

まめお「へへっ、分かってるよ。」

スー「ふふっ。」

2人はおでこを優しく当てて笑い合った。

そしてまめおはスーの左手首にブレスレットを付けて彼女の頬に手を当てて顔を近づけて…

2人は青空の下、優しくも熱くて甘いキスを交わした。

まめお「スー、大好きだ!」

スー「ちょっと…ふふっ、まめおったら…!」

まめおはスーを抱き上げてクルクル回り、スーは驚きつつも嬉しそうに笑った。

そして…彼女の手首のブレスレットは太陽の光でキラキラと輝いていた。

同じ頃…家ではポナとまめみが外を眺めながらゆったりと過ごしていた。

ポナ「まめおとスー、上手くいったかな。」

まめみ「大丈夫、あたしは信じてるよ。」

ポナ「うん、そうだね。…まめみ、僕がいつからまめみの事を好きになったか…分かる?」

まめみ「え…?ううん…全然分からない…。」

ポナ「…ふふっ、やっぱりまめみは鈍感だね。」

まめみ「むぅ…ポナ君の意地悪っ!」

そう言って笑うポナにまめみはドキドキしつつ、ちょっと頬を膨らませて見せると…ポナは優しい表情で目を細めた。

ポナ「まめみ、大好きだよ。」

まめみ「あたしも大好きよ。」

2人は静かに目を閉じて…キスを交わした。

僕が居候すると決まった日、僕はまめみに惹かれていると自覚したんだ

あの時からまめみを大好きな気持ちは誰にも負けないし、ずっと変わらないよ。

その頃まめおとスーは…

まめお「さ、帰ろうぜスー。」

スー「うん。」

まめおがそっと差し出した手を、スーも優しく取った。

そして2人は仲良く手を繋いで…家に戻った。

その後まめみ達と合流し、みんなスルメさんのお店に行き報告すると…スルメさん達は喜んで祝福してくれた。

フーは祝福しつつも、少しだけ目頭を押さえていたとか…?

そんなフーを見ながら幸せそうに笑うまめおとスー。

彼女のブレスレットは、そんな2人を祝福するかの様に、キラキラと輝いているのだった。

青と水色が混ざり合うと~Fin~

海賊ダイルです。小説を読んで頂いた皆様、本当にありがとうございます!

小説「青と水色が混ざり合うと」はこれにて完結しました。

再会編から数ヶ月後…まめおとスーに視点を当てたスピンオフ小説…初めての試みで書いていた私自身ドキドキでしたが、無事に完結出来てよかったです!

再会編の最後に、お互いに意識している描写はあるものの…恋に進展はしてなかった2人。

1話では喧嘩ばかりで、2話と3話で2人は自分の気持ちに気づいて…でもお互い意地を張ってなかなか素直になれない4話と5話…そんな2人の背中を押してくれたのがまめみとポナです。

あの2人がいなかったら、まめおとスーはお互いに気持ちを勘違いしたままだったかも…。

気持ちを伝えるのって怖いし勇気がいるけれど…お互いに正面から向き合わなければ何も変わらないし伝わらない…

読んで下さった皆様に、それが伝わればいいなぁと思います。

ポナとまめみ、まめおとスーは無事に結ばれましたが…

…おや?あと一組、曖昧なままの2人がいますよ?

その2人は…このお話から2年後の間…のお話でまた!

2017/7/15 海賊ダイル