ツネ「まめみ……きょうはいっしょにねてほしい…。」
まめみ「うん、いいよ。」
そう言ってまめみはベッドに横になり、布団を持ち上げてツネを迎え入れた。
ツネは彼女の柔らかい胸に顔をうずめ、抱きしめられて温もりと安心感に包まれた。
ツネ「あったかい…。」
まめみ「よかった…今夜はずっと傍に居るよ…おやすみ。」
ツネ「おや…すみ…。」
じきにツネからは規則正しい寝息が聞こえて…まめみもホッとして眠りについた。
朝…ツネが目を覚ますと目の前には寝ているまめみの顔があった。
小さな手でそっと彼女の頬を撫でながら見つめるツネ…
幼児化した体でも中身は17歳…彼の黄色い瞳はまめみへの深い愛情と男としての欲も見え隠れする…
まめみ「んっ…。」
小さく声が漏れ、まめみの開かれた瞼からは桃色の綺麗な瞳が見えてツネの黄色い瞳を映していて…
ツネ「おはよう。」
まめみ「おはよう、ツっくん。」
ツネ「おこしちゃったかな…ごめん。」
まめみ「ううん、大丈夫だよ。」
優しく笑うまめみにツネの心は暖かくなり、自然と彼の口は優しい笑みを作る
2人で着替えてリビングへ来て、まめみは温かいココアを用意してくれた
ツネ「ありがとう、まめみ…おいしい。」
まめみ「どういたしまして、ふふっ…ツっくん昔から甘いの大好きなの変わらないね。」
ツネ「ふふっ…うん。」
ココアを飲むツネの顔はとても穏やかで…まめみも優しく笑いながらココアを口にした。
しばらくして…
タキ「ふあぁ…おはようまめみ…。」
まめみ「おはようタキ君、朝ご飯作ってるからちょっと待っててね。」
タキ「うん。」
ソファに座ると、椅子に座ってココアを飲むツネと目が合った。
だがすぐにツネはプイッと目を反らしてしまい…
しかし…
ツネ「…………おはよう。」
漸く聞こえるくらいの小さな声でポツリとタキに向かって挨拶をしたのだ。
タキ「………!……おはよう…ツネ……。」
驚いてターコイズブルーの瞳を見開くタキだったが…同時に少し嬉しかったのも事実で…同じく小さくも、でもしっかり挨拶を返したのだった。
朝ご飯のパンとチーズオムレツ、ウィンナーを食べ終えてしばらくすると…
まめお「ただいま。」
スルメさんのお店の手伝いを終えたまめおが帰って来た。
まめみ「お帰り、まめお。」
まめお「1人で大変だったな、まめみ…お疲れさん。」
まめみ「まめおこそ、お手伝いお疲れ様。」
手洗い等を済ませたまめおは、リビングに来て椅子に座った。
まめお「2人は今の所は変化無しか…。」
タキ「うん…いまのところはもどりそうなきざしもないし…もうすこしじかんがかかるのかもね…。」
まめお「そうか…。今日で4日目…明日辺りにでも元に戻るかもしれねぇし、気を落とさずにいこうぜ。今日からは俺もいるから手伝うよ。」
まめみ「ありがとう、まめお。」
まめお「そういや、昨日とぐろさん来たんだろ?元気だったか?」
まめみ「うん、シャケ子さんとドスコイまるも来たんだよ。」
そう言って楽しそうに話すまめみの様子をまめお達も優しく笑いながら聞いて、この日は特に用事も大きなトラブルも無く平穏に過ごした。
しかし夜…まめおが戻って来た事によって部屋の空きが無く、この日はタキの部屋でタキとツネが一緒に寝る事になってしまった…
タキ「おれ、まめみといっしょにねたい!」
ツネ「ぼくだってまめみといっしょがいい!」
まめお「ダメだ!数日で元に戻るって事は、明日の朝には元に戻るかもしれねぇだろ…その時の状況を考えたらタキの部屋で2人一緒が一番いいだろ…。」
タキ「えぇー!」
まめお「あんまり言ってると、2人共俺の部屋で寝かせるぞ。」
ツネ「うぅ…。」
タキ「わ…わかったよぉ…。」
若干項垂れつつ、2人は渋々タキの部屋に行った…。
まめみ「大丈夫かな…。」
まめお「お前の安全を考えた上での判断だ…さすがに大事にはならねぇだろ…きっと明日には元に戻るさ…。」
まめみ「そうだといいんだけど…。」
心配ではあったが、2人もそれぞれ自室へ戻って眠りについた…。
一方…タキとツネはベッドの端と端に離れて入ったものの、なかなか眠りにつけずにいた。
タキ「……ツネ…ねた…?」
ツネ「……ねれるわけないだろう…。」
タキ「だよね……くそ…どうしてこんなくつじょく…。」
ツネ「……それはぼくのセリフだよ…。」
2人「…………………。」
お互いに悪態を吐いていたが…しばしの沈黙を破ってタキが口を開いた。
タキ「…このよっかかん…まめみにたすけられっぱなしだったな…。」
ツネ「…うん…こんなすがたになっても…まめみはいつもとかわらずやさしくて…ぼくたちのことをつつみこんでくれた。」
タキ「…まめみはいつもやさしくて、かわいくて…おれたちをあかるくてらすたいようみたいなそんざいなんだ…。」
ツネ「…きぐうだね…ぼくもおなじことをかんがえていたよ…。」
タキ「だからおれは…」
ツネ「だからぼくは…」
2人「まめみをまもりたい。」
まめみを守り続けたい…
2人がそう思った直後…
ドクン…!
心臓が1回だけ大きく脈打ち…
タキ「この…かんじ…!」
ツネ「あのときと…おなじ…!」
パアァァァァァッ!!
2人は強い光に包まれて……
次に目を開けた時…
2人「あっ…!!」
目の前に見える相手は幼児の姿では無く、青年の姿…
自分の手を見ると大きくてゴツくて…
2人は元の姿に戻ったのだ!
嬉しさのあまり、2人は部屋を飛び出してまめみの部屋へ向かった!
バンッ!やや乱暴に扉を開けて、眠っているまめみに近づき…
タキ「まめみ、まめみ起きて!」
まめみ「ん…んぅ…?」
ツネ「僕達、元に戻ったよ…まめみ。」
まめみ「ふ…ぇ……?」
眠い目を擦り、ゆっくり起き上がって目を開けると…
2人「まめみ…!」
そこには青年の…元の姿の2人が!
まめみ「タキ君…ツっくん!」
タキ「まめみ…やっと…やっと元に戻れた…!」
ツネ「心配かけてごめんね、まめみ…!」
まめみ「よかった…タキ君…ツっくん…!………あ………。」
2人「え……?」
喜んでいたまめみだが…突然2人の「ある物」を見て硬直してしまい…頬はみるみる赤く染まっていく……
ふと下を見ると…何と2人は全裸だった!
子供の服だった為、元に戻った時に破れてしまったのだ…。
タキ「わあぁっ!!ち…違っ…まめみ…これは…!」
ツネ「僕達…決してそんな厭らしい意味があって全裸になってる訳じゃ…!」
誤解を解こうとまめみにさらに近づいてしまったタキとツネ…しかしそれが逆効果となってしまい……
まめみ「きゃ…きゃあぁぁぁーーーー!!」
部屋中にまめみの叫び声が響き渡り…
まめお「うおっ…な、何事だ!?」
まめみの声で驚いて飛び起きたまめおは、そのまま部屋を飛び出してまめみの部屋へ向かったが…
まめみ「タキ君とツっくんのエッチぃーーー!!」
そう言ってまめみが手に取ったパブロをブンブンと振り回し…
タキ「ま、まめみ落ち…ぶふぅっ!!」
ツネ「誤解なんだ…うぐっ…!!」
まめお「まめみどうし…ぐはぁっ!!」
パブロでやられた!!
目の前に居た変態…もといタキとツネ、そして慌てて様子を見に来たまめおも巻き添えを喰らってまめみのパブロによって成敗されてしまったのだった…。
まめみ「もうっ…早く部屋から出てって!」
そう言うとまめみは布団にくるまってしまい…
タキ「ま…まめ…み……!」
ツネ「せっかく…元に戻れたのに……!」
まめお「な…何で…俺まで巻き添え…ぐふっ…!」
3人はその場でピクピクしながら倒れていて…
翌朝…リビングには頬を真っ赤に染めつつ気まずそうにしているまめみと、ボコボコにされたタキ、ツネ、まめおの3人の姿があるのだった……。
To be continued…