小説「Aiming for the ground Octo」~決戦、ヒーロー3号~

降り立ってきたタキは、いきなりスーパーチャクチで襲ってきた!

ヒメ『ゲーー!襲ってきやがった!』

ツミ「くっ…!」

ルイ「うわっ…!」

アタリメ「8号、ルイ君!かまわず攻撃してくれい!」

ルイ「で…でも…!」

アタリメ「3号の意識を乗っ取っておる、頭のネリモノを落とすんじゃ!」

ツミ「そういう事か…!」

ルイ「分かった!」

ツミ「あの時に3号に助けられた…今度はこっちが助ける番だ!」

二手に分かれて挟み撃ちするツミとルイ、しかしタキは華麗な身のこなしでかわしていく…

タキ「……………………。」

瞳は虚ろで表情は無く…ただひたすらに目の前のツミとルイを的確に攻撃してくる。

ツミ「くっ…ある程度はゴリ押しするしかない様だな…!」

そう言うと、ツミは被弾の痛みを感じつつも切り込み…タキを攻撃した。

するとタキはその場に膝を付いて少しだけ苦しそうにした後…UFOへ跳んで行き…

またチャクチで襲ってきた直後、今度はイカスフィアで追いかけて来た!

ヒメ『マジかよ!?スペシャルてんこ盛り過ぎんだろ!』

イイダ『3号さん、リミッターを外されちゃってるみたいです…!』

ルイ「リミッターを外してこの強さ…!?」

ツミ「………………!!」

あの時ナンタイ山で戦った時ですら強かったのに…あれでも本来の力を抑えていたというのか…!ツミはそう思い、背筋はゾクリと寒気が走った…。

ツミとルイはオクタリアンの戦闘部隊の中でもかなりの実力者…将軍護衛部隊と研究部隊のエンを除けば、その強さもトップクラスだ

しかしそれはヒーロー3号であるタキも同じ…彼が2年間培ってきた瞬発力や洞察力は並大抵のものではなく、ヒーローシューターを手にしつつもマニューバーのスライドの様に素早く動き、何とかダウンさせてもすぐにUFOへ戻ってしまいハイパープレッサーまで駆使してツミとルイを追い詰める!

ツミ「何度ダウンさせてもすぐに復活して来る…!」

ルイ「これじゃあキリがないよ…!」

長引く戦闘に疲労の色が見えてきた2人、これ以上戦闘が続けば確実に仕留められてしまう…。

ざくろ「タキ!おも…だして…まめ…みの…こと…!!」

辿々しいイカの言葉で必死にタキに呼びかけるざくろ、すると…タキが足を止めて何やら考え込むような仕草を見せた!

タキ「…………………!?」

アタリメ「3号…しっかりするんじゃ!そんなヤツに自我を囚われてはイカンぞ!4号は…まめみちゃんはどうするんじゃ!?」

タキ「…ま…め…み………。」

まめみ『タキ君!』

タキ「ぐっ…うっ…ぅ…!」

アタリメ「3号、思い出すんじゃ!」

タキ「うぅ…ぐっ…ぐぅぅ……っ……!!」

ざくろ「タキ…まめ…み…かえり…まて…る…ずっと…まて…る…!」

この瞬間、タキの脳内ではまめみの姿が浮かんで…

まめみ『タキ君…あたし待ってるよ…だから、必ず無事に帰って来てね。』

長い桃色のゲソを持つ髪に…桃色の瞳…彼女は…

そう…だ……俺は…俺は…

最愛のあの人を…まめみを守ると…必ずまめみの元へ帰ると…誓ったんだ…!!

まめみ…まめみ…!!

タキ「まめ…み…!」

アタリメ「今じゃ!」

2人「分かった!」

ツミとルイはそれぞれタキの前後に回り込み、彼に取り憑いたネリモノに攻撃した!

すると…

タキ「うっ…あぁぁぁぁ…!」

パリンッ…パァァァァンッ!デンワのネリモノは外れ、タキはその場に倒れた。

ざくろ「タキ!」

ツミ「3号!」

ルイ「大丈夫!?」

アタリメ「大丈夫、気絶してるだけじゃ。」

ツミ「そうか…よかった。」

再び気を失ったタキだが、その表情はどことなく穏やかなのであった。

ヒメ『目覚めたら、襲ってこないよな…?』

イイダ『ネリモノも取れたし、大丈夫だと思いますよ。』

アタリメ「それはよかったが…早く紐を解いてくれーい!」

その後ツミとルイがアタリメ司令とざくろの紐を解き、2人は解放された。

ざくろ『ありがとう。』

ツミ「どういたしまして。」

アタリメ「助かったぞい。」

ルイ「無事に後は…この長い梯子を登るだけか…。ツミとざくろは先に登って、僕は3号を抱えて行くから。」

ツミ「分かった。」

ルイ『ありがとうルイ。』

彼のお言葉に甘えて2人は先に梯子を登り、後からアタリメ司令とタキを抱えたルイが続いた。

長い長い梯子を登りきると…そこは強い潮風が吹き、遠くには街が見えて…雪が舞う曇の間から朝陽が差し込んだ。

ツミ「これが…これが…地上…。」

ざくろ『すごい綺麗…でも…寒い…。』

アタリメ「ふぅ…やっと地上へ出れた…ってこれはどういう事じゃ…初夏なのに雪が舞っておるじゃと…!?」

ルイ「うわぁ…綺麗…けど…この黒雲は一体…。」

初めての景色や異常気象に驚くツミ達であったが、空から聴き慣れた音楽が聞こえて来て…

ヒメ「ハチ!」

声の聞こえた方を見ると…たくさんのヘリコプターが飛んできて…

ツミ「あ…あれは…!?」

ヒメ「ハチ、Yo!迎えに来たぜ!」

アタリメ「おぉ…テンタクルズの2人か!」

ツミ「あれが…!」

ルイ「あ…あれ…あの姿は…イイダさんって…オクタリアンの伝説の人…イイダ=マリネさんの事だったのか…!」

ざくろ『イイダ=マリネ先輩…!』

その後皆をリフトに乗せて、ヘリは飛び始めた。

ルイ「まさかイイダさんに会えるなんて…。」

イイダ「私もこんなにたくさんの仲間に会えるとは思いませんでした、ざくろちゃんはお久しぶりですね。」

ざくろ『イイダ先輩…!』

イイダ「積もる話もあるし、ハイカラスクエアに着いたらゆっくりお話しましょうか。」

そう話すイイダはとても嬉しそうで、ざくろも笑顔になった。

ツミ「長かったな…。」

ルイ「うん、でもこれで地下へ戻って…将軍に報告が出来る…。」

イイダ「これで一安心ですね!」

そう言ったイイダだったが…

ヒメ「HEY!家に帰るまでがボウケン!」

アタリメ「ヘリの設備をテンケン!ここで生きる戦場のケイケン!」

ヒメ「ウチら戦う、世間のヘンケン!」

イイダ「ちょっとちょっと…何なんですか!?」

アタリメ「再入場にはハンケン!」

ヒメ「イイダの憧れ漫画研究会、略してマンケン!」

イイダ「わ~センパイ、それはヒミツに…!」

ツミ「な…何なんだ…。」

ルイ「さ…さぁ…。」

ざくろ「(何かの呪文なのかな…?)」

唐突に始まったラップバトルに状況が飲み込めず唖然とする3人だったが…

ザザザザザ…海の中から轟音が聞こえて…

ツミ「な、あれは何だ!?」

ルイ「え…えぇ…!?」

ざくろ『海の中から巨大な何かが!』

ヒメ「な…何だこれ…?」

突然現れた謎の物体に驚きを隠せないツミ達だったが…

アタリメ「この形…太古の昔に滅んだとされる『ニンゲン』じゃ!!」

ツミ「ニンゲン…!?」

ルイ「どうしてニンゲンが…!?」

アタリメ「ニンゲン自体では無いが、あの像はニンゲンを象った物じゃ!ん、あそこに居るのはデンワ…!?」

アタリメ司令が杖を指した先…そこにはニンゲンの目に当たる部分にいるデンワの姿だった!

タルタル総帥「我が名はタルタル…博士の残した人工知能…。」

ルイ「タルタル…人工知能…?」

タルタル総帥「ワタシは博士の命を受ケ、12000年もの間、ずっと貴様等のデータを収集していタ…。」

ツミ「データ…?」

タルタル総帥「急速な勢いで貴様等…魚介類は栄エ、かつての人類にも劣らぬ知識を得タ…しカシ!無駄なナワバリ争いを繰り広げるばかりではなイカ!」

ざくろ「!?」

タルタル総帥「それは貴様等が、オノレの欲望のままに生きているからダ。完璧な世界を導く新人類のタネ…それが貴様等『実験体』のはずだったのダガ…貴様等には失望した!さぁネルス像ヨ!全てをネリ直し、もう一度我が創造主『ニンゲン』の世界を取り戻すノダ!」

To be continued…