家に帰ると、タキはまめみをリビングのソファへ寝かせた。
まめお「着替えを持ってくるからゆっくり休んでろよ。」
まめみ「うん、ありがとう。」
一旦まめみを残してまめおとはそれぞれの部屋へ向かい普段着へと着替え、まめみの部屋から着替えを持ってリビングへ戻り…
タキ「持ってきたよ、着替えられそう?」
まめみ「ありがとう、まだふらふらしてるけど…大丈夫そう。」
そう言うとまめみはゆっくりと起き上がり、着替えを受け取った。
まめお「俺、このまま晩飯の買い物行ってくるな。」
タキ「分かった、俺はまめみを看てるよ。」
まめお「頼んだぜ、タキ。」
タキ「うん、任せて。」
まめおは準備をして買い物へ向かい、タキはまめおを見送ってリビングへ戻ったが…
まめみ「きゃっ…!」
タキ「ご、ごめん!」
まめみがヒーローフーディーのジッパーを下げて既に着替えを始めていて、タキは慌てて背を向けた。
まめみ「そ、そのままそっち向いててね…?」
タキ「う、うん…!」
言われた通りに背を向けたまま立っているタキだが…
スルッ…パサッ…ヒーローフーディーが脱げて普段着に着替えていく音が聞こえてきて…ついついまめみの豊満な体つきを想像してしまいドキドキしてしまう。
そんな中でじきにまめみは着替え終えて…
まめみ「お…終わったよ。」
タキ「うん…分かった。」
返事をしたタキが振り返ると、そこには普段着のまめみが座っていた。
まだ少し気怠そうにはしているものの、ゲソの色も桃色に戻っていてタキは安心したが…まめみは首元に手を当てて少し悲しそうな顔をして俯いた。
まめみ「……………。」
タキ「ペンダントが無くて不安?」
まめみ「…うん…。」
タキ「まめみ…。」
まめみ「分かってる…タキ君は目の前に居るし、エンさんも決して壊したりしないって…分かってるけど…それでもタキ君が遠くに行ってしまいそうで…。」
ふわっ…そう言った直後に暖かい感触がして…気がつくとタキが自分を優しく抱きしめていた。
タキ「俺はどこにも行かない、まめみの傍にいる…ずっとずっと一緒だよ。」
まめみ「タキ…君…。」
自分の名前を呼びながら背中に手を回して抱き返してきたまめみの手と声は震えていて、服越しに暖かい涙の雫が染みてくる感覚がして…タキはまめみをより一層強く抱きしめた。
タキ「大好きだよ、まめみ。」
桃色の瞳から溢れる涙を親指で優しく拭い、タキはまめみの唇に優しく口づけた。
角度を変え何度も何度も口づけて…舌を入れて濃厚なキスを堪能すると、まめみの頬は真っ赤に染まりつつ息遣いは荒く潤んだ瞳で自分を見上げていて…
まめみ「傍に居て…ずっとこうしてて…。」
タキ「うん、ずっとこうしてる。」
桃色の瞳とターコイズブルーの瞳はお互いを映していて…夕陽が射し込むリビングのソファでタキは再びまめみに口づけてそのまま優しく押し倒した。
夜…
隣で眠るまめみの頬を優しく撫でつつ、月明かりに照らされる彼女の白くて美しい肌を見てタキは目を細めた…
まめみ「すぅ…すぅ…。」
タキ「(…この先に何が待ち受けていようとも、まめみは俺が必ず守るよ。)」
改めて決意を固めたタキは、眠るまめみに耳元で優しくおやすみと囁き、おでこにキスをして抱きしめながら眠りについた。
同じ頃…ツネは自宅リビングの窓際に座りながら夜空を見ていて…
ツネ「(…まめみが今はあいつの事しか見えていなくても…それでも僕は…。)」
彼の黄色の瞳は、夜空に光る桃色の星を少し儚げに映していた。
ざくろは自室で枕元で眠るプッチンを眺めながら、ツネのあの時の表情を思い出して…少し複雑な気持ちになりつつも、タコクッションを抱きしめながらじきに眠りについた。
一方エンはオクタリアンの基地にある自室でまめみのペンダントへ制御装置を入れるべく設計をしていた。
それぞれの想いが交差していく中、夜は明けて…
数日後…
ツネがエン、ざくろと共にまめみ達の家へ訪れた。
まめみ「いらっしゃい、どうぞ上がって。」
ツネ「ありがとう、お邪魔するね。」
3人がリビングへ向かうと、まめおと連絡を受けたタキが待っていた。
ツネ「…やっぱりと言うか、君も居るのか…。」
タキ「俺もその話を聞く権利があるからね。」
ツネ「僕にとっては無いんだけどね。」
タキ「何でそういつも俺に突っかかって来るかな?」
ツネ「君が僕の前に現れなければこうならないんだけど?」
エン「やめなさいツネ、そんな事をしに来たのではないでしょう。」
まめみ「タキ君もやめて…!」
ツネ「ぐっ…。」
タキ「うっ…。」
エン「早速ですが…制御装置が完成したので予定通り、まめみさんのペンダントの中にそれを入れましたよ。」
そう言うとエンはペンダントを取り出し、まめみに手渡した。
まめみ「ありがとうエンさん。」
エン「どういたしまして。」
まめみ「…本当に見た目に何一つ変化が無いのね、制御装置って言われてもそれすらも見えないし…。」
エン「目には見えない位の小さな装置ですからね、それでも効果は抜群ですよ。」
まめみ「オクタリアンの技術は本当にすごいのね。」
太陽の光に当てても今までと同じ輝きを放つペンダントに、まめみは桃色の瞳を細めつつも安心した。
エン「見た目は変わっていませんが、1つだけ変化があります。」
まめみ「変化?」
ざくろ「それは…どんな変化なの?」
エン「普段は今までと変わりませんが、力を発動した時…制御装置が作動してペンダントが淡く光ります、詳しくは資料映像を持ってきたので見て下さい。」
そう言うと、エンは小さなノートパソコンを取り出して映像を流した。
そこにはまめみのシンクロ発動時のパワーを感知した瞬間、ペンダントが桃色に淡く光り隣に表示されているシンクロのパワーメーターがみるみる抑えられていくのが映っていた。
まめみ「すごい…!」
まめお「あんなに強い力が一瞬でこんなに抑えられるのか…!」
タキ「でも、これでまめみはもうシンクロを発動しても負担がかからずに済むんだね。」
まめみ「嬉しい…本当に嬉しい…ありがとうエンさん!」
エン「どういたしまして、力になれて本当に良かったです。」
満面の笑みで感謝の言葉を述べるまめみに、エンも優しく笑って答えた。
ざくろ「よかった…まめみ、また今度あたしと一緒に手合わせ…して。」
まめみ「うん、もちろんだよ。」
ツネ「その時は、僕も一緒にその試合を見させて貰うよ。」
まめみ「うん、みんなで一緒に遊べればもっと楽しいもんね。」
そう話すまめみの笑顔はキラキラ輝いていて…それを見たタキ達の表情も明るくなるのだった。
To be continued…