数日後、まめみ達はザンナとジェレラの件が無事に解決した事に安心し、今日はアイカがツネと従兄妹であった事に驚いていた。
まめみ「まさかアイカちゃんがツっくんの…でもこれで、家族がまた1人増えたんだね。」
ツネ「うん、それにアイカは最近タコの言葉も覚えてきて、お爺様とそれで会話も出来るんだ。」
アイカ「まだ片言だけど、お爺様とお話出来るのがすごく嬉しいの。」
そう言ってアイカはとても嬉しそうに笑い、それを見るツネの表情も穏やかな笑みを浮かべていた。
まめみ「ザンナさんとジェレラさんも、ルゴスさんと仲良く過ごしてるみたいだし…あたし達も今度行った時はご挨拶しなきゃ。」
アイカ「前にジェレラを説得しに行ったあの時以来、まだ会えてないから私も会いたい。」
ツネ「その時は、僕も一緒に行くよ。」
まめみ「うん、みんなで一緒に行こうね。」
そう話しながら、3人の賑やかなお茶の時間は過ぎていく…
すると、買い出しに出ていたタキとまめおが戻って来た。
タキ「ただいま、ちょっと多めに買ってきたよ。」
まめお「お茶と水もたくさんあるぜ。」
そう言うと2人は手洗い等を済ませてから、買ってきたクッキーを持ってきた。
まめみ「わぁ~美味しそう!」
ツネ「そうだ、タキとまめおも戻って来たから改めて報告しないとね。」
そう言うと、ツネはアイカとの関係をタキとまめおにも明かした。
タキ「そうだったんだ、アイカは両親のどっちがタコだったの?」
アイカ「私はお母さんがタコだよ。」
まめお「という事は、ツネの父親と?」
ツネ「そうだね、父様とアイカのお母さんが異父兄妹に当たるんだ。」
タキ「それであの時、アイカはツネが使ったタコの力をはね除ける事が出来たのか。」
色々と納得した所で、5人はお茶を楽しみ…
同じ頃、地下のオクタリアンの基地ではツミが可愛らしくラッピングされた袋を持ってエンの部屋の前に来ていた。
ツミ『すぅ……ふぅ……!』
かなり緊張した様子のツミは深呼吸をすると、そっとエンの部屋の扉を開けた。
エン『ツミさん、どうしたんですか?』
ツミ『えっと…その……これを渡したくて…。』
そう言うと、ツミは緊張しつつもそっと袋を差し出して…
エン『私にですか?』
ツミ『あぁ…。』
一体何が入っているんだろう?不思議に思ったエンが袋をそっと開けると…そこに入っていたのはツミの髪と同じ色をした花が入ったサシェだった。
エン『ツミさん、これは…?』
ツミ『サシェ…という物らしい、私が居候…というか部屋を貸りている家族の人が教えてくれた。その花は「ラベンダー」と言って、リラックス効果があるそうだ。』
エン『ありがとうございます、でも…どうして私に?』
ツミ『い…いつも…手合わせをして貰ってるお礼だ…。』
エン『ふふっ、嬉しいです。』
そう言って嬉しそうに優しい笑みを浮かべるエンに、ツミは頬を赤く染めつつ…もう一度深呼吸をして口を開いた。
ツミ『それだけじゃないんだ…。』
エン『えっ?』
ツミ『エンは…いつも研究に集中するあまり、休まずにいる事も多い…だから…少しでもそれでリラックスして疲れを癒やして貰いたくて…あんたにはずっと傍に居て…欲しいから…。』
エン『つ、ツミさん…それって…?』
ツミ『…エンに前に告白されて…あの時はまだ恋愛感情は知らなかった…けど…手合わせしたり…一緒に居る時間を重ねる毎に…ドキドキして暖かい気持ちに…。』
エン『……………!!』
ツミ『エン…私…私はエンの事が…』
そう言いかけたツミだったが…
エン『待って下さいツミさん、私にもう一度…チャンスをくれませんか?』
彼女の言葉を遮って、エンが口を開いた。
ツミ『エン…?』
エン『あの時の告白のままでは、私の中で納得いきません…もう一度、私に告白させて貰えませんか?』
そう言ってしゃがみながらツミの顔をのぞき込むエンの頬も真っ赤に染まっていて…彼の綺麗な紫の瞳に惹き込まれてしまう…
ツミ『あぁ…もう一度聞かせて欲しい、エンの気持ちを。』
エン『ありがとうございます、それじゃあ……』
そう言うと…エンは深呼吸をしてゆっくりと立ち上がり、ツミの顔を真っ直ぐに見た
ツミ『……………。』
エン『ツミさん、貴女が好きです。ずっと…貴女だけを見ていたい。』
ツミ『私もエンが好きだ…ずっと…傍に居させて下さい。』
エン『もちろんです、ツミさん!』
ツミ『私は可愛い喋り方とか出来ないが…それで本当にいいのか?』
エン『いいに決まってます、ありのままのツミさんが大好きなんですから。』
嬉しそうに笑いながらエンはツミを抱きしめ、ツミもまた頬を真っ赤に染めつつも彼の背中に手を回し、安心しきった表情で笑みを浮かべるのだった。
しばらく抱き合った後…
ツミ『エン…。』
エン『ツミさん…。』
見つめ合う2人…ツミは赤い瞳をゆっくりと閉じ、エンもゆっくり顔を近づけて瞳を閉じて…
優しい口づけを交わした。
ツミ『ところで…エン…。』
エン『どうかしましたか?』
晴れて恋人同士になった2人だが、ツミはまだ気になる事がある様子で…
ツミ『その…呼び方を…。』
エン『呼び方ですか?』
ツミ『…せっかく恋人になれたんだから…さんを付けなくても…だって…ツネ隊長やざくろ、ルイは呼び捨てなのに…私は……。』
そう言ってエンの鎖骨のした辺りを人差し指でぐるぐるするツミがとても可愛くて…エンは思いっきり抱きしめた。
エン『分かりました、ふふっ…恋人になった貴女からの最初のお願いは、とても可愛らしいものですね。』
ツミ『え…エン…!』
エン『ふふっ、すみません…これからよろしくお願いします、ツミ。』
耳元でそっと囁くエンに、ツミは耳まで真っ赤になってしまい…
それでも口元は笑みを浮かべていて…
ツミ『私こそよろしく、エン。』
そう返事すると、彼の頬にキスという不意打ちをするのだった。
To be continued…