カービィ「ごちそうさまアイシェ!」
バンワド「すっごく美味しかったよ!」
アイシェ「よかった~!」
デデデ「こりゃアップルパイ以外も美味そうだな、他のも作る予定はあるのか?」
アイシェ「うん、他にも挑戦しようと思ってるよ。」
メタナイト「アップルパイは手間がかかる…それをこんなに上手に作れるのだから、アイシェなら何でも作れる様になれるだろう。」
アイシェ「メタさんったら…褒めすぎだよ。」
そう言って頬を赤く染めて笑うアイシェを見て、メタナイトは仮面の中で黄色の瞳を細めて穏やかな笑みを浮かべている。
マホロア「(確かニ…こんなに美味しいの作れるんだカラ、何でもすぐマスターしちゃいそうダネェ。…それにしても、アイシェすごい嬉しソウ…メタナイトとも友達って言ってたケド、実は満更でもなかったりシテ。)」
そんな事を思いながら無言で食べていたマホロアだが、何故か胸はモヤモヤしていて…それが何故なのか分からないから厄介で、それを掻き消すかの様にひたすらアップルパイに囓りついた。
一方で、アップルパイを食べ終えたカービィ達は…
カービィ「アイシェのアップルパイも食べれたし、次の場所へ行ってくるよ!」
アイシェ「もう行っちゃうの?」
カービィ「マホロアの船を早く直してあげないとね!」
アイシェ「…うん、そうだね。」
メタナイト「アイシェ…何か心配でもあるのか?」
アイシェ「え…あっ、ううん、大丈夫だよ!」
デデデ「そうか?無理はすんなよ。」
アイシェ「うん、みんなも無理しないでね。」
バンワド「ありがとうアイシェ。」
そう言ってみんなは次のパーツが落ちた場所、レーズンルインズへと向かう事に。
出発する直前、見送る為に外に出たアイシェにメタナイトはそっと囁いた
メタナイト「アイシェ、もしかしたら其方はこの先の事を知っているのかもしれない…だが必ずしも同じになるとは限らない、私達を信じて待っていて欲しい。」
アイシェ「メタさん…。」
メタナイト「アイシェの無事をいつも祈っている。」
そう言ってアイシェの手を優しく握ると、メタナイトはカービィ達とワープスターに乗って旅立って行った。
アイシェ「(メタさんありがとう、みんなどうか無事で…!)」
消えて行ったワープスターの方を見ながら祈るアイシェ…すると、マホロアが外に出てきた。
マホロア「ごちそうさまアイシェ、すごく美味しかったヨ。」
「ありがとうマホロア、気に入ってもらえてよかった。」
マホロア「これからどうするんダイ?」
アイシェ「私はカービィ達が帰ってくるまで家で待ってるよ。」
そう言うと、アイシェは家に向かって歩き出したが…
マホロア「待ってアイシェ、送って行くヨ。」
アイシェ「え、いいの?」
マホロア「ローアのパーツやエナジースフィアが散らばってる影響デ、何が凶暴化してるか分からないカラネ。」
そう言うと、マホロアはアイシェを抱き抱えて浮き上がった。
アイシェ「きゃあっ!?」
マホロア「落ちない様に、しっかり掴まっててネ。」
マホロアはアイシェを抱き抱えたまま空をふわふわと飛んで行き…
アイシェ「マホロア…重くない?」
マホロア「全然重くないヨォ。」
アイシェ「よかった。」
実際その言葉は嘘では無く、アイシェはとても軽くて…ふわふわした銀髪と柔らかくて暖かい体からは甘くて良い香りが伝わってきて…マホロアの鼻腔を通して不思議な気持ちに包まれる。
しばらく進むと家に着き…
マホロア「着いたヨ。」
アイシェ「ありがとう。」
マホロア「どういたしまシテ、それじゃあ帰るネ。」
アイシェ「気をつけてね。」
マホロア「アリガトウ、アイシェも気をつけてネ。」
そう言うとマホロアはふわふわと飛び上がって帰って行き、アイシェも家の中に入ろうとしたが…
キラッ…!
遠くの方で眩しい光が見える、それはカービィ達が昼間向かっていた洞窟からで…
アイシェ「何だろう…?」
気になったアイシェは、辺りが暗くなってきているにも関わらず、洞窟の方へと向かってしまった。
光の方向を頼りに暗い道を進んで洞窟の中へ入って進んでいくアイシェ…一方のマホロアはローアに戻って瓦礫の部屋を掃除していた。
マホロア「ふぅ…これデこの部屋は大丈夫ダネ、どれ…カービィ達はどうしてるカナ?」
操縦室のパネルを操作してモニターを見ると…カービィ達は砂漠を進んでいる最中だった。
カービィ達は順調そうだ、安心したマホロアだったが…ふとアイシェの事が頭を過った…どうしてこんなに気になるのか、答えが出ないままだったが…彼はカービィ達が持ってきたエナジースフィアの事で、1つ見落としていた事に気がついた
スフィアが1つ足りないのだ…どうして今まで気がつかなかったのか、頭をポリポリと掻きながらパネルを操作してクッキーカントリーのマップを開いてエナジースフィアの反応を探した。
程なくして場所が示されたが…そこに映し出されたのは、アイシェの姿!
アイシェ「すごく暗い…でも、もう少しで辿り着けそう。」
手探りで洞窟内を進むアイシェの姿を見て、マホロアは心底驚いた顔をしていて…
マホロア「アイシェ、どうシテコンナ場所に居るんだヨォ!?」
驚いたマホロアは考えるよりも先にモニターを消すと、すぐにローアを飛び出して洞窟へと向かった!
一方のアイシェは…漸く光の正体へと辿り着いていた。
アイシェ「エナジースフィア!光の正体はこれだったのね。」
目映い光を放つエナジースフィアに恐る恐る手を伸ばすと、スフィアは輝いたままアイシェの手元に収まった。
明日、マホロアに届けてあげよう…そう思ったアイシェだったが…
ゴゴゴゴゴ…
気味の悪い音が洞窟内に響き、何だろうと不安を掻き立てられるアイシェ…すると目の前に星形のアナザーディメンションへの入り口が現れて、姿を現したのは赤いスフィアローパー!
スフィアローパー「キュエェェェ!!」
アイシェ「スフィアローパー!?」
そんな…どうしてこんな所に!?そう思ったのも束の間、スフィアローパーはすごい勢いで襲いかかってきた!
To be continued…