現れたのは巨大な木の化け物、それはかつて自分を支配していたマスタークラウンで…赤き実に取り憑く事で復活を果たしていた!
クラウン「我は蘇った…!」
マホロア「どういう事ダ…あの時カービィが確かに破壊したハズ…砕いた位ジャ滅びないのカヨ!?」
クラウン「我はマスタークラウン、我を手にした者は…力と共に心に巣喰う闇を増幅させて憎悪に染める…これまで数多の国や世界で我を手にしてきた者が居た…それらは全て、魂を啜り滅亡へと追いやったのだ。」
マホロア「滅亡ヲ呼ぶ王亡き樹冠と化したカ…愚かダネェ…!」
クラウン「我は不滅…お前の魂も再び啜ってやろう、そしてあの娘の魂もだ。」
マホロア「ナッ…!!」
クラウン「あの娘がどうしても欲しいのだろう?我の中で魂を喰らう事で会わせてやろう。」
マホロア「そんなのお断りダヨ!!」
クラウン「歯向かうか、ならば……滅ぼすまで!」
マスタークラウンの激しい攻撃がマホロアを襲う!
ディメンションホールから、太くて巨大な木の根をドリルの様に突き刺して来たり、クラウンの目玉から無数のビーム攻撃をしてきた
時には自分を押し潰そうとしてきて、辛うじてかわすと更に地面に食い込み、地割れを起こしながらクラウンの目玉がこちらをギョロリと見てきたり…
それは今までの敵達とは比べ物にならないくらい激しく強力な攻撃で、マホロアは苦戦を強いられていた。
強イ…!でもボクはこんな所で負ける訳ニいかナイ!
ここを脱出して元の世界に戻っテ…カービィ達と今度こそ心からの友達にナル…そして…アイシェに今度こそ気持ちを伝えるんダ!
マホロア「負けない…ボクは負けル訳にいかないんダッ!!」
マスタークラウンの攻撃をギリギリでかわしつつ、マホロアが攻撃を続けると…
クラウン「グッ…おのれ…!!」
大ダメージを受けたマスタークラウンは大きく体勢を崩したが、それでもなおマホロアを攻撃をしようと力を溜めている…
あの王冠を今度こそ破壊しなければ!そう思ったマホロアが辺りを見渡すと…少し離れた場所に落ちていた剣が目に入った。
マホロア「あの樹を支配ノ呪縛カラ解き放チ、滅亡の連鎖を断ち切ッテ自分のヤッタ悪事にケジメをツケル、コレにボクのありったけノ魔力を注ぎ込めバ…!」
剣を拾い上げたマホロアが集中して全魔力を剣に注ぎ込むと、剣は大きく変化して…色こそ違うもののカービィが使っていたウルトラソードになった!
クラウン「愚かな傀儡め…滅びよ!!」
マホロア「これで終わりダッ!!」
ウルトラソードを持ったマホロアがマスタークラウンに飛び込み、マスタークラウンは枝でそれを防ぐ!
激しい鍔迫り合いが繰り広げれられ、マホロアは少しずつ押されていく…
クラウン「諦めろ、お前に勝ち目は無い!」
マホロア「クッ…ボクはこんな所で終わりたくナイ…!」
その時、マホロアの脳裏に浮かんだのはカービィ達やアイシェの姿…
デデデ『おいマホロアしっかりしろ、お前はそんな事でヘタれるような奴じゃねぇだろ!』
バンワド『みんなでまた一緒に、アイシェの歌とピアノを聴こうよ!』
メタナイト『過ちはやり直せる、自我を奪われるな!』
カービィ『マホロア、みんなで一緒に帰ろう!』
大王…バンワド…メタナイト…カービィ…!
アイシェ『一緒に夢を叶えようよ…マホロア!』
そうダ…アイシェ、ボクはキミと一緒ニ…今度こそ夢を叶えるんダ!!
マホロア「カービィ…ミンナ…アイシェ…ボクに力を貸シテッ!!」
大切な人達の事を思い浮かべただけで、マホロアにはみるみる力が沸いてきて…マスタークラウンはどんどん押し返されて行く!
クラウン「なっ…馬鹿な!」
マホロア「愚かな呪いの王冠…今度こそ滅びロッ!!」
ザシュッ!!
マホロアはマスタークラウンを真っ二つに斬った!
クラウン「馬鹿…な…我は…我…は……」
マスタークラウンは眩い光を放ち、粉々に砕けて消滅した。
たくさんの葉っぱと砕けた果実の破片が降り注ぐ中、マホロアの後ろにディメンションホールが開いた!
それは今までと違い、ホールの向こうには白い光と共にうっすら青空とお城の風景が広がっていて…
マホロア「……ッ………!」
溢れる涙を拭うと、マホロアは飛び込んだ!
次に目が覚めた時、そこは元の世界ではなくて…所謂パラレルワールドと呼ばれる世界に居た
その世界…プププ王国(キングダム)では、悪者によって平和が脅かされ、勇者カービィによって平和を取り戻す為の戦いが始まろうとしていた。
マホロアは傍に落ちていた赤い果実「ジェムリンゴ」の苗を広場に植え、万屋を始めた
カービィ「ボクはカービィ、キミは…?」
マホロア「ヤァ、初めマシテ!ボクはココで万屋の店主をしてイル、マホロアっていうンダ。」
この世界のカービィ達ともすぐに友達になれたが、ここはパラレルワールドの世界…寂しくないと言えば嘘になったが、そんな時は空を見上げて元の世界での思い出に浸り…チャームの片割れを見てアイシェの事を想いながら頑張れた。
ジェムリンゴで武器や防具、アイテム等を売りながら再起を目指し…
1年後、プププ王国に平和が訪れたのを見届けて店終いをした。
カービィ「マホロア、これからどうするの?」
マホロア「どうしようカナァ…元の世界に戻るニモ空間を超えル術は無いシ、もうしばらくココで暮らしながら方法を探そうカナ。」
そんな話をしていたその時!
突然空にディメンションホールが現れ、そこから出てきたのは…
カービィ「わぁ、船だ!」
マホロア「ローア…どうシテ!?」
光り輝く美しい船はゆっくりとマホロアの前に降り立ち、中へ続く光のスロープを出現させた。
カービィ「キミに乗って欲しそうだね。」
マホロア「…ローア、キミもとんだお人良しダネ…………カービィ、ボクもう行くヨ。」
カービィ「うん、元気でねマホロア!」
マホロア「アリガトウ、星のカービィ!」
そう言ってマホロアは荷物を持ってローアに乗り込み、ローアの船内を優しく撫でるとパネルを操作して行き先を「ポップスター」と入力した。
時空を超えて、どんどん目的の地に近づくにつれてマホロアの胸は高鳴った
ミンナ驚くカナ…
怒っチャウ?
それとも優しく出迎えてくれる…?
カービィ達…ボクとまた友達になってくれるカナ…
…………………
アイシェ…誰かの恋人二なっちゃってるのカナ…
そうだったらチョーショック受けちゃうヨォ…
デモ…例えそうデモ、今度はモウ間違えナイ
ボクの精一杯の気持ち…素直になって伝えヨウ…
今行くカラネ、アイシェ!
To be continued…