2人が部屋を出ると、ちょうどバンワドとカービィが迎えに来た
バンワド「おはよう!」
カービィ「おはようアイシェ、マホロア!」
アイシェ「おはようバンワドくん、カービィ!」
マホロア「2人共おはよう、カービィも泊まってたんダネ。」
カービィ「うん、でもマルクとメタナイトは帰ったみたい…それよりもマホロア、具合はどう?」
マホロア「アイシェのお陰デ、落ち着いたヨ。」
カービィ「よかった~!」
バンワド「みんな心配してたんだよ~!」
マホロア「ホントにゴメンネ…。」
カービィ「気にしないで、マホロアが元気になったならそれが一番だよ!」
バンワド「そうだよ、友達なんだから!」
マホロア「カービィ、バンワド…!」
「友達」かつてのマホロアには必要の無かった存在が、今はとても暖かく心地良くて…心が満たされていくのを感じる
カービィ「デデデも食事の部屋で待ってるから行こうよ!」
マホロア「ワッ!?カービィ、そんなに引っ張らないデヨォ~!」
カービィがマホロアの手を引いて走って行き、それを見たアイシェとバンワドは顔を見合わせて笑いながらゆっくりと歩いて行った。
その後デデデの元へ到着して、昨夜の原因を話した。
カービィ「メタナイトの話してた通りだね。」
マホロア「ン、どういうコトダイ?」
デデデ「アイシェのアップルパイが、心に刺さったんじゃねぇかって言ってたんだ。」
カービィ「マホロアはこの1年ずっと過酷だったから、やっと手に入れた安心感に緊張の糸が切れたんじゃないかって話もしてたの。」
アイシェ「すごいメタさん、全部お見通しだったんだね。」
デデデ「マホロア…ここにはもう何も怖いモンはねぇ、これからは安心して暮らせるな。」
マホロア「大王…アリガトウ。」
デデデの言葉とカービィやバンワドの笑顔、そして隣で手を繋ぐアイシェの温もりに、マホロアは心から安心して自然と笑顔になった。
デデデ「よーし、解決したから飯にすっか!」
その後は皆で朝食を食べて…
カービィ「ごちそうさま!ふぅ~お腹いっぱい。」
アイシェ「大王さま、ごちそう様でした。」
マホロア「とっても美味しかったヨォ。」
デデデ「またいつでも来いよ、歓迎してやるぜ。」
そう言ってニカッと笑うデデデに、カービィ達も笑顔になる
カービィ「またねデデデ、バンワドー!」
ワープスターに乗った3人はカービィの家へ向かい…
アイシェ「昨日はあのまま寝ちゃったから…まずはお風呂に入って着替えなきゃ。」
お風呂…その言葉にマホロアは敏感に反応した
マホロア「(もしかシテ、アイシェの裸が見れちゃうカモ!?)」
そんな邪で都合のいい事を考えるマホロアだったが、直後にカービィの口からとんでもない言葉を聞く事になるのだった…。
カービィ「アイシェ、いつもみたいに洗ってー!」
アイシェ「うん、いいよ。」
マホロア「エッ?」
カービィ「ん?」
マホロア「ハァァァァーーーどういうコトダヨォ!?」
当然マホロアは驚き怒った、自分の恋人が他の男とお風呂に入るなんて想像しただけでも気が狂いそうだ
カービィ「え、ボク時々アイシェに…」
マホロア「二度も聞きたく無いヨォ!!」
アイシェ「マホロア落ち着いて!」
マホロア「どういうコトナノ!?ボクが居ながらカービィと裸の付き合いシテるナンテ…ボクだってアイシェの体をちゃんと見た事無いノニ!!」
アイシェ「違うの、そういう事じゃなくて…!」
マホロア「ジャアどういうコトダヨ!?」
カービィ「アイシェは、ボクの背中を流してくれてるんだけど…。」
マホロア「…エッ??」
アイシェ「時々、私が服を着たままカービィの背中だけを洗って流してあげてるの。」
マホロア「…ボクの勘違いってコトナノ?」
カービィ「誤解させちゃったみたい、ごめんねマホロア…。」
マホロア「ハァァ~ビックリしたヨォ……!」
安心したマホロアは、そのまま脱力して両手を床についた
アイシェ「カービィ、背中を流してあげるからお風呂どうぞ。」
カービィ「わーい、それじゃあ入るねー!」
しかしそれでも気に入らないマホロアは思考を巡らせて…
マホロア「ボクが流してアゲルヨォ!」
自分がカービィと一緒にお風呂に入る、という提案をしたのだった。
温かい浴室の中、カービィとマホロアはお互いの背中を流し合い…
カービィ「えへへ、マホロアとお風呂に入れて嬉しいよ。」
マホロア「ボクも嬉しいヨォ。(アイシェと一緒に入られるコトは回避出来タシネ。)」
とはいえ実際にカービィとこうして一緒に入れるのが嬉しいのも事実で、その後はゆっくりとお風呂に浸かり…
カービィ「ふーっ、サッパリした。」
マホロア「ア、着替えどうしヨウ…。」
さっきカービィと一緒に入る時、アイシェに洗濯をお願いしてしまった事を思い出したマホロアは、仕方無く大きなバスタオルに包まった。
アイシェ「ちょっと前にお洗濯が終わって干したから、すぐに乾くと思うよ。」
外はとても天気が良いポカポカ陽気で、彼女の言う通りこれなら簡単に乾いてしまうだろう…マホロアはそう思った。
マホロア「アリガトウ、アイシェ。」
アイシェ「どういたしまして、それじゃあ入ってくるね。」
着替えを持ってアイシェは入って行き、部屋にはカービィとマホロアが残された。
マホロア「(クククッ…アイシェがお風呂に入ったネ、後はカービィさえどうにかシテ、異空間バニシュでお風呂に入り込んじゃえバ…。)」
覗きを企むマホロアの思惑を知る由も無く、カービィはベッドの窓から差している太陽の光を浴びてゴロンと寝転がった。
カービィ「暖か~い…マホロアも一緒に浴びようよ。」
マホロア「ア…ホントダ…とっても暖かくてイイ気持ちダヨォ。」
このままじっとしてればカービィは寝るかもしれない、その予想は見事に的中し…
カービィ「すぅ…すぅ…。」
すぐに夢の中へ旅立ったカービィを見て、マホロアは黄色の瞳を弓形に細めて笑ったが…
マホロア「(アイシェの所に行きたいノニ…すごく暖かくテ…眠くなって…キタ…ヨ…。)」
その後、アイシェがお風呂から上がってくると、そこには仲良く並んでぐっすり眠るカービィとマホロアの姿が…
アイシェ「ふふっ、2人共寝ちゃってる。」
優しく笑い、アイシェは2人を起こさない様にそっと布団を掛けてあげた。
しばらくして、起きた2人は…
カービィ「ふあぁ〜寝ちゃってた。」
マホロア「(せっかくのチャンスを逃したヨォ…。)」
アイシェ「お昼ごはん出来てるから、みんなで食べよう。」
カービィ「わーい!」
アイシェ「マホロアの服も乾いたよ。」
マホロア「アリガトウ、アイシェ!(ワァ…暖かいシ、お日様の香りがスル…。)」
お昼ご飯を食べて、その後は3人でお絵描き等をして遊び…
カービィ「マホロアを描いたよ!」
マホロア「チョット!ボクモットカッコよくテ、キュートデショ!?」
カービィ「えぇー、よく描けたのにー!」
マホロア「デモ…ボクはチョー優しいカラ、その絵は貰ってヤルヨォ。」
カービィ「もー、素直じゃないんだからー!」
アイシェ「あははっ。」
2人のやり取りを見て、アイシェが笑う
他愛のない会話をして、みんなでご飯を食べて仲良く眠る…アイシェがずっと待ち望んでいた光景がそこにあった
それはマホロアにとっても同じで、こんな風に何も無い平和な1日があってもいいかもしれない…遊びながら無邪気に笑うカービィとアイシェを見てそう思うのだった。
To be continued…