小説「夢結ぶ星りんご」(トリデラ編)~奇跡の花~

カービィ「デデデ!」

彼の姿を見たカービィは喜んだが…

デデデ「行くぞ!」

降りて来たデデデはハンマーを構えて…

ガンッ!

そのまま上からカービィを叩くという力業でツルから解放した!

カービィ「ぐうっ!!」

デデデ「こっからが勝負だ、しっかりやれよ!」

そう言って頭がグルグルしているカービィを掴み…

タランザ「大王様、今なのね!」

デデデ「行ってこい、カービィ!」

そう叫んでデデデはカービィを、タランザはキセキの実をお互いに投げて…

カービィ「んんん…行くよーーーーー!!」

キセキの実でパワーアップしたカービィは、デデデを持ち上げて上空にいるタランザを見た

タランザ「下界の勇者様…星のカービィ、女王様は…あの頃のセクトニアはもう戻ってこないのね…。」

カービィ「タランザ…。」

タランザ「お願い、彼女に…ボクの愛する女性に永遠なる眠りを与えて救って欲しいのね…っ…!」

アイシェ「タラ…ンザ…!」

大粒の涙を流しながら懇願するタランザに、言葉に詰まるアイシェ…そして彼の悲痛な願いを聞いたカービィは…

カービィ「任せてタランザ!」

そう言って強い決意を胸に、セクトニアと対峙した!

セクトニアは再び容赦無く襲いかかるが、キセキの実を取得したカービィは激しい攻撃を物ともせず、どんどん追い詰めていく!

セクトニアフラワードでバリアを張っても、吸い込んだ物をぶつけて蹴散らし…

最後はセクトニア自身が激しいビーム「ファイナルデスブルーム」を撃ってきた!

アイシェ「頑張ってカービィ!」

彼女の声援もパワーとなり、カービィは全てのファイナルデスブルームとセクトニアの首回りに咲いていたワールドツリーの花弁も吸い尽くし…そのエネルギーをそのままセクトニアにぶつけた!

セクトニアはカービィによって吐き出された攻撃でみるみる溶けていき…たくさんの美しい花弁を散らしながら、永遠の眠りについたのだった…。

パアァァァ…

眩い光を放ちながらワールドツリーは消えて、ポップスターも元の輝きを取り戻した!

マホロア「ツルが消えタ…カービィが倒したみたいダネ。」

マルク「全く…ハラハラさせるのサ。」

メタナイト「ありがとう、其方達の力もあったからこの危機を乗り越えられた。」

マホロア「ヤダナァ、ソンナに褒めないデヨ…!」

マルク「ま、悪い気分では無いのサ!」

照れてしまうマホロアとイタズラっぽく笑うマルクに、メタナイトも仮面の下で穏やかな笑みを浮かべた

マホロア「ローアもお疲れ様ダヨ。」

ゆっくりとマホロアの元に降りたローアも、オールを動かしてどことなく嬉しそうな様子だ。

一方…消滅したワールドツリーの爆発で吹き飛ばされたカービィだが、天空の民が両手を掴んで助けてくれて…

デデデ「うわあぁぁぁーーー!!」

タランザ「今、助けるのね!」

落ちていったデデデも、タランザが急いで彼の足を掴んだ

そしてバンワドとアイシェも事前にタランザに助け出されていて、カービィの家と一緒に天空の民に運ばれていた

アイシェ「カービィ!」

カービィ「アイシェ、バンワド!」

バンワド「みんな無事でよかった!」

デデデ「逆さまじゃなくて普通に掴んでくれー!」

タランザ「分かったから暴れないで欲しいのね!」

その後、無事にガウンを掴まれたデデデは…時折落とされそうになりつつも一生懸命タランザに運ばれて…

ふとカービィ達が空を見上げると…

カービィ「わぁ…!」

プププランドの地面に根付いたワールドツリーが、たくさんの花をつけて満開に咲き乱れていた!

アイシェ「すごく綺麗…!」

咲き誇る花達の一番上には、とても大きな花が咲いていて…めしべは綺麗な5枚のハートの形をしており、タランザの心にセクトニアからの声が聞こえて来た気がした…。

タランザ「セクトニア…。」

こうしてまた、ポップスターに新しい名所が誕生し、ワールドツリーの根元にはローアの姿が見えて…そこにはメタナイトとマルク、そしてマホロアの姿があった。

アイシェ「マホロア…!」

タランザ「行くのね、アイシェ。」

アイシェ「うん。」

タランザがデデデをカービィの家に乗せて、アイシェに優しく手を差し伸べ…彼の手をそっと取ったアイシェはゆっくりと降りて行き…

マホロア「アイシェ!」

アイシェ「マホロア!」

お互いに強く抱きしめ合い、再会を喜んだ。

マホロア「無事でヨカッタ、アイシェ…!メタナイトから聞いたんダ、今度は隠さないデちゃんとボクにも話しテネ。」

アイシェ「うん、約束する…ごめんなさいマホロア。」

そしてカービィ達が地面に降り立つと、それぞれ再会を喜び合った。

しかしマホロアはタランザをじっと見ていて…ゆっくり近づくと口を開いた。

マホロア「まさかキミが絡んでたとはネェ…タランザ。」

タランザ「アイシェから色々と聞かせてもらったの…キミがこんなに変わるとは思わなかったのね、マホロア。」

マルク「知り合いなのサ、マホロア?」

マホロア「魔術師同士ノネ…まさかコンナ形で会うとは思わなかったケド。」

そう言ってチッと舌打ちをするマホロアに、タランザも若干眉間に皺を寄せている…。

アイシェ「マホロア…タランザは私を助けてくれたの、だから責めないで…。」

マホロア「アイシェ…。」

タランザ「アイシェは本当に優しいのね、何でよりによってマホロアを選んだのね?」

マホロア「アァンッ!?」

タランザの言葉に反応して怒るマホロアだったが…

マルク「お、気が合うじゃーん!ボクも常々そう思ってるのサ!」

マホロア「テメーは何デ、首突っ込むんダヨ!?」

タランザ「…キミは誰なのね?」

マルク「ボクはマルク、このイカサマタマゴとは知り合いの仲でアイシェとは友達なのサ!ま、仲良くしてちょーよ!」

タランザ「アイシェの友達なら信頼出来るの、よろしくなのね!」

マホロア「アーーーメンドクセー奴が揃ったヨォ…。」

心底嫌な顔をするマホロアに対して、ニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべるマルクとニコニコ笑顔のタランザは、そのままアイシェの方を見て…

マルク「アイシェ、この後一緒に遊ぶのサ。」

タランザ「せっかくだから、みんなと親睦を深めたいのね。」

マホロア「チョット、この後はボクと2人きりデ過ごすに決まってるデショ!」

アイシェ「あの…私まだ何も言ってないんだけど…!」

マホロア「モォ~アイシェったら照れちゃっテ可愛いヨォ!それにボクのマントも羽織っテ、コレはボクらの愛の深さを見せツケテるんダネェ?」

アイシェ「えっ…そういう訳じゃ…」

マホロア「一刻も早くローアに帰って、ボクもアイシェへの愛をしっかり伝えないとネェ~!」

アイシェ「ま、マホロア…!」

ぎゅーっと抱きついてスリスリするマホロアに、頬を真っ赤に染めて照れているアイシェを見た2人は…

マルク「マホロアの愛が重過ぎるのサ。」

タランザ「いくら好きでも自重は必要なのね。」

マホロア「ウルセー、愛し合ってるカライイんダヨ!」

そんなやりとりを見ていたカービィ達は…

メタナイト「やれやれ…アイシェが困っているではないか。」

バンワド「でも、アイシェとっても嬉しそう。」

デデデ「やっとマホロアと会えたしな、それに今回の件はアイシェが予知夢を見なければ気づかない事だった。」

カービィ「でも、出来ればこういうのは見ないのが一番だよね…アイシェがそれで辛い思いをしちゃうのは嫌だもん。」

デデデ「そうだな…でも当分は平和が続くだろうから、心配はいらねぇぜ。」

バンワド「そうですね大王様、あんなのはもうコリゴリですよ。」

メタナイト「それに何があってもアイシェは必ず守る、それはこれからも変わらないだろう?」

カービィ「うん、そうだね!」

4人は優しい笑みを浮かべながらアイシェを見て…

マホロア「アイシェは何をしタイ?」

アイシェ「私は…まずお風呂に入って着替えたい…な…。」

頬を真っ赤に染めるアイシェに、マホロアは一瞬キョトンとした後に優しく笑い…

マホロア「すぐにお風呂を準備するヨォ!」

結局…お風呂に入って着替えた後は、アイシェは今までの疲れも出てぐっすり眠ってしまい…

アイシェ「すぅ…すぅ…。」

マホロア「(結局お預け喰らっチャッタナァ…デモ可愛いしイッカ。)おやすみ、アイシェ。」

眠るアイシェを抱きしめて、マホロアも夢の世界へ旅立ったのだった。

To be continued…