今日も平和なプププランド…この日はアイシェがアドレーヌに誘われて、お茶会に向かっていた。
ウィスピーの森の手前で立っているアドレーヌの姿を見つけたアイシェは、満面の笑みで手を振ると…向こうも気づいて同じく満面の笑みで手を振り替えしてくれた
アイシェ「アドちゃん!」
アドレーヌ「アイシェちゃん、いらっしゃーい!」
アイシェ「今日は誘ってくれてありがとう。」
アドレーヌ「どういたしまして、早速だけどもう1人呼んでるから紹介するね。」
そう言ってアイシェを連れてテーブルへ向かうと…視線の先には小さな妖精の姿があった。
リボン「この世界では初めまして、貴女がアイシェちゃんですね~!」
アイシェ「初めまして、リボンちゃん!」
リボン「アドレーヌちゃんからアイシェちゃんのお話は聞いてました、会えて嬉しいです!」
かつてゲームの世界「星のカービィ64」で見ていた妖精リボン本人が目の前に居て…自分と同じくらいの身長に大きな羽で浮く姿はまさに妖精で、アイシェは青い瞳をキラキラ輝かせていた
アイシェ「ふふっ、私も嬉しい!」
2人が嬉しそうな様子を見て、アドレーヌも優しく笑い…
アドレーヌ「早速だけど、みんなでお茶しながらお話しよう!」
こうして、3人による小さな女子会が始まった。
アイシェの焼いてきたクッキーを食べながら、リボンの持参したティーパックをアドレーヌが用意したティーポットに入れて…ミルクと砂糖を入れて甘いミルクティーを飲みながら話は盛り上がる。
するとリボンが、青い瞳をキラキラ輝かせながら口を開いた。
リボン「私、アイシェちゃんのお話が聞きたいです~!」
アドレーヌ「私も聞きたい!」
アイシェ「ふふっ、うん。」
甘いミルクティーを一口飲むと、アイシェは話し始めた
初代の「星のカービィ」から、生前最後に遊んだ「星のカービィWii」までの事…そして今の生活の事…
それらを話し終えると、2人は瞳をキラキラ輝かせながら見ていて…
アドレーヌ「この世界に来て最初にカーくんとワドくんに出会って、みんなとも仲良くなって…マホロアくんと恋人になって…すっごく素敵なお話だね!」
リボン「マホロアさんとマルクさんは、前にリップルスターにお越し頂いた際にお会いしましたけど…お2人共とても丁寧な方でしたよ。」
アイシェ「マホロアもマルクも楽しかったみたいで、とっても嬉しそうに話してたよ。」
リボン「喜んで貰えてよかったです~。」
アドレーヌ「私、最近は絵の勉強で遠くの星に行く事が多くて…なかなか一緒に遊んだり出来なかったけど、久々にカーくんやワドくん、デデの旦那に会ったら相変わらず元気で暖かく迎えてくれて…安心するんだよね。」
リボン「私もこうして久々に来ましたが…帰ってきた時の様な安心感があるんですよね。」
アイシェ「ポップスターは、みんなを暖かく迎えてくれるお家みたいなものなのかも。」
アドレーヌ「アイシェちゃんの言う通りだね、だから安心して旅に出れるよ。」
リボン「ふふっ、とっても暖かいですね。」
3人は顔を見合わせて優しく笑い合い、楽しいお茶の時間が過ぎていく…
すると…今度はアドレーヌとリボンがアイシェの綺麗なふわふわの銀髪をじっと見ていて…
アイシェ「アドちゃんもリボンちゃんも、どうしたの?」
リボン「アイシェちゃんの髪、とっても柔らかそうで綺麗なのです。」
アドレーヌ「触ってもいい?」
アイシェ「うん、いいよ。」
優しく笑いながらアイシェが快諾すると、アドレーヌとリボンは嬉しそうに触り始めた。
アドレーヌ「わぁ~ふわふわでサラサラ!」
リボン「思った通り、とっても柔らかいです!」
優しく手櫛で梳いたり、少しだけ編んでみたりする2人は大はしゃぎで…アイシェは少し頬を赤く染めつつも嬉しそうに笑う
アイシェ「ふふっ、アドちゃんとリボンちゃんの髪も綺麗だよ。」
アドレーヌ「えへへ、ありがとうアイシェちゃん。」
リボン「嬉しいです~。」
2人も嬉しそうに笑い、お互いに触り合っていたが…アドレーヌはふと何かを思いついた様子で、ポンと手を叩いた。
アドレーヌ「そうだ!えっとキャンバスっと…。」
そう言うと大きな手提げ鞄からキャンバスと絵筆を取り出して、何かをサラサラと描き始めた
アイシェ「アドちゃん、何を描いたの?」
不思議に思うアイシェが尋ねると、アドレーヌは実体化された小さな何かを持って見せてくれた
アドレーヌ「じゃーん!櫛とブラシと髪留めだよ。」
リボン「アドレーヌちゃん、これで何をするんですか?」
アドレーヌ「アイシェちゃんの髪をオシャレにしてあげる!」
そう言うと、アドレーヌはブラシでアイシェの髪を優しく梳かし始めた。
アイシェ「ふふっ、どんな風になるか楽しみ!」
ニコニコ笑顔のアイシェは大人しく座りながら目を閉じ…
リボン「わぁ~私も手伝います!」
はしゃいだ様子のリボンも加わり、2人でアイシェの髪を梳かすと今度は櫛で丁寧に髪を分けながら編み込んでいく
アドレーヌ「最後は…これで飾りをつけるね。」
そう言うとアドレーヌは近くに咲いていたお花を3本摘んで、それを結ぶとアイシェの編み込んだ髪に添えていく…
しばらくして…
リボン「完成です~!」
アドレーヌ「アイシェちゃん、鏡で見てみて!」
彼女が描いた手鏡を受け取り、そっと覗くと…
そこには丁寧に編み込まれた髪と3本の結ばれた花が添えられていて、とても素敵な髪型になっていた。
アイシェ「わぁ…素敵!」
素敵な髪型にして貰えて喜ぶアイシェ、そんな彼女の脳裏にはマホロアの姿が浮かんで…
マホロアはどんな反応をしてくれるかな…喜んでくれたらいいなぁ…そんな事を思いつつ、アイシェはふふっと笑った。
リボン「あ、マホロアさんの事を考えてたんですね。」
アイシェ「えっ!?それは…えっと……えへへ…。」
アドレーヌ「も~アイシェちゃんったら可愛い!」
リボンに核心を突かれて、頬を真っ赤に染めつつ笑うアイシェに、アドレーヌもリボンも満面の笑みを見せる
リボン「今度は、マホロアさんとのお話が聞きたいです~!」
アドレーヌ「私もー!」
アイシェ「えぇ!?」
アドレーヌ「マホロアくんの事、いつから好きになったの?」
リボン「普段、マホロアさんはアイシェちゃんにどんな感じなんですか~?」
ニコニコ笑顔で2人からの質問責めにあうアイシェは、頬を真っ赤に染めてほんの少しだけ困った様子になりつつも、その口元は笑っていて…
結局、話は夕方まで続いた…
アドレーヌ「とっても素敵なお話だったよ、ありがとうアイシェちゃん!」
リボン「今度ここに来た時は、マホロアさんとも一緒にお茶しましょうね!」
アイシェ「うん、ありがとうアドちゃん、リボンちゃん!」
3人は手を振ってそれぞれ帰って行き…
マホロア「ン…アイシェ?」
アイシェが戻ると、マホロアはローアのメンテナンス中で…目が離せなかったらしく振り返らずに聞いてきた
アイシェ「うん、ただいまマホロア。」
マホロア「お帰り~楽しかったカイ?」
アイシェ「うん、とっても楽しかったよ!」
マホロア「ソレはヨカッタヨォ~!」
漸くメンテナンスが終わり、マホロアが画面を閉じて振り返ると…そこには行く前と髪型の違うアイシェが立っていた。
アイシェ「ふふっ、どう?」
マホロア「ワォ!アイシェ、すごくオシャレになってるネェ!」
アイシェ「えへへ…アドちゃん達がしてくれたの。」
マホロア「アイシェがどんどん魅力的になっチャッテ、ドキドキしちゃうヨォ~!」
そう言うとマホロアはアイシェをぎゅーっと抱きしめて髪に顔を埋め、抱きしめられたアイシェも頬を赤く染めて嬉しそうに笑い、マホロアを抱きしめた。
同じ頃…リボンはリップルスターへと帰還し、自分の部屋で今日の出来事を思い出していた。
リボン「ふふっ、とっても楽しかったです…またいつかこんな風に遊べる時が楽しみです~!…それにしても、アイシェちゃんはどうして羽が無いんでしょうか……雰囲気からは私達と同じ「妖精族」のオーラが出ていたのに?でも羽があっても無くても、アイシェちゃんはアイシェちゃんなので良いのです!」
彼女の楽しそうな独り言は、リップルスターの優しい空間に消えて行くのだった。
To be continued…