小説「夢結ぶ星りんご」(ロボボ編)~それぞれが動き出す時~

船員ワドルディが操縦室に戻ると、傷だらけのアックスナイト達が居た

アックス「くっ…何て強さだ…!」

メイス「痛た…こりゃ派手にやられただス…。」

口数の少ないトライデントナイトとジャベリンナイトも怪我をしていて、文字通り満身創痍な状態だった…。

バル艦長「くっ…敵に不覚を取ってしまったな…!あ、船員ワド…メタナイト様はどうされたのだ?」

自身も怪我を負いながらも、ハルバードの損傷具合を確かめながらバル艦長は聞いたが…船員ワドルディはその場で震えて泣き出してしまい…

船員ワド「メタナイト様は…アイシェを守る為に取引に応じて…連れ去られたんだ…でも敵は約束を破って…アイシェも連れて行っちゃ…って…っ…!!」

バル艦長「何だと!?」

アックス「何て卑怯な手を…!」

船員ワド「ごめん…ごめんなさい…ボクが戦えればこんな事には…!!」

ボロボロと涙を流しながら何度も謝る船員ワドルディだったが、バル艦長がゆっくりと歩いて来て、そっと頭を撫でた。

バル艦長「お前のせいではない、これは誰のせいでもないのだ…寧ろ敵の方が卑怯な手を使ってきたのだからな。」

船員ワド「ぐすっ…ひっく…バル艦長…!」

バル艦長「今の我々に出来る事をしよう、メタナイト様の事だ…何か伝言を残しているのだろう?」

船員ワド「ぐすっ…うん…ハルバードの修理と…アイシェをローアに連れて行く様にって…でも…。」

バル艦長「アイシェ嬢はメタナイト様が必ず助け出して下さるはず、我々はハルバードの修理をしよう。」

船員ワド「ひっく…はい…!」

こうして皆はハルバードの修理に取りかかった一方で、カービィはデデデ達の元に辿り着いていた。

カービィ「デデデ!!」

何と城は全壊していて…辺りを見渡しても姿が無い…

すると…!

バンワド「カー…ビィ…!」

カービィ「バンワド!!」

瓦礫の中からオレンジ色の手が震えながらも出てきて、カービィは急いで駆け寄り彼の手を掴んで引っ張り上げた!

バンワド「ふぅ…ありがとうカービィ…!」

カービィ「どういたしまして、それよりバンワド…これがアイシェが夢で見た光景なんだね…。」

バンワド「うん…まさかこのタイミングで来るなんて……大王様、大王様はどこ!?」

主の姿が無い事に気づいたバンワドは、大慌てでデデデの姿を捜すもやはり見つからず…

カービィ「デデデ…まさか…!」

バンワド「そ…そんな…大王様…!」

2人が絶望しかけていたその時!

デデデ「うっ…ぐぅ…!」

ガラガラ…瓦礫が持ち上がって、デデデが姿を現した!

バンワド「大王様!」

カービィ「デデデ、よかった…無事だったんだね!」

デデデ「あぁ……とはいえ今回の冒険について行くのはキツいな…。」

そう話すデデデは体中傷だらけで、瓦礫を退けていくと同じく傷を負って目を回しながら倒れているワドルディ達が出てきた…。

カービィ「大丈夫、今回の冒険はボクに任せて。」

デデデ「すまねぇ…頼んだぞカービィ。」

バンワド「大王様、ボクもカービィと一緒に行きます。」

デデデ「バンワド、お前も怪我を…!」

バンワド「これくらいなら動く分には大丈夫です。けど戦闘では足を引っ張ってしまうので、今回もサポートに回ります!」

カービィ「バンワドがサポートに回ってくれるなら心強いよ!」

デデデ「分かった、頼んだぞ2人共。」

カービィ「次は戦艦ハルバードの確認だね。」

そう言ったカービィだが、デデデの顔が曇り…こう切り出した

デデデ「カービィ…戦艦ハルバードは俺様の城と同じビーム攻撃を受けて墜落した…。」

カービィ「えっ!?」

バンワド「そんな…アイシェは!?」

デデデ「脱出したと思うが敵に襲われた可能性は高い…とはいえメタナイトが居る、必ずアイシェを守ってくれてるはずだ。」

カービィ「デデデ………うん、そうだね。」

メタナイト達とアイシェの無事を信じて、カービィとバンワドは敵の本拠地を目指すべく、冒険に向かった!

そして2人を見届けたデデデは…

デデデ「…くそっ……思ったよりダメージが大きかったな…もう…少し…休…む…か……。」

そう言って、デデデはその場にバタンと倒れて気を失った。

同じ頃…マホロアとマルクは最後の星の調査を終えた所だった

マホロア「クソッ…何も無いのカヨ!」

苛立ちを隠せないマホロアは、拾い上げたボルトを乱暴に機械の地面に叩き付けた

マルク「全滅か…いよいよ訳が分かんなくなってきたのサ。」

マホロア「とにかく一旦ポップスターに帰るヨ。他に手が無いカ探さないとダシ、何よりアイシェが心配ダカラネ。」

そんな話をしていると、突然2人の前にディメンションホールが出現した

マルク「おい、どういう事なのサ!?」

マホロア「分からないヨォ!」

驚く2人だったが、そこから出てきたのはローアだった!

マルク「ローアなのサ!」

マホロア「ローア、どうシテ………まさか、まさかアイシェに何かあったノ!?」

ローアはスロープを出現させて2人は乗り込み、マホロアは操作パネルで状況を確認した

すると…モニターに映し出されたのは侵略された時のプププランドの光景!

アイシェが夢で見たのと同じ光景が広がり、次々と機械化していく地面…そしてデデデ城と戦艦ハルバードが攻撃を受けて墜落していく様子…

メタナイトがアイシェを守る為に戦おうとしていた事…彼女を守る為に取引に応じて連れて行かれた事…そして、侵略者が約束を破ってアイシェの事も連れ去った光景が映し出された…。

マルク「マホロア…これは…アイシェは…!!」

マホロア「ソンナ……コンナ事なら最初カラ、ローアで待たせておけばヨカッタ……クソッ…クソォッ!!」

マルク「落ち着けマホロア、ローアは悪くないのサ!」

溢れてくる怒りを抑えきれず、マホロアはバンバンと床を叩き…マルクは翼を出してマホロアを後ろから抑えた

マホロア「アイシェ…アイシェ………とにかく急いでポップスターに戻るヨ!!」

まだ怒りの収まらないマホロアだったが、行き先をポップスターと入力してディメンションホールを開き…ローアはそのまま飛び込んで行った。

程無くしてローアはポップスターに到着し、まだ機械の進行が及んでいない洞窟の入り口に降り立った。

マルク「これからどうするのサ?」

マホロア「まずはカービィを捜すヨ、そして状況を共有スル。」

マルク「分かったのサ。」

2人がカービィの姿を捜して飛び立ったのと同じ頃…

ワールドツリーの前ではタランザがロボット達と対峙していた…

タランザ「ワールドツリーのお世話をしに来たら…これは一体どういう事なのね…!?」

目の前の光景に驚きを隠せないタランザだが、大切な花を守る為に手からバチバチと魔力のエネルギーを溢れさせながら敵を睨み付けていた。

To be continued…