逃げ切った先は、機械化こそしているものの、まだ少し緑の残る空間で…敵も居ないので2人は安心して座り込んだ。
カービィ「はぁぁ~逃げ切れたね…!」
バンワド「うん…!」
カービィ「とはいえいつまでも逃げてる訳にも行かないし、どうすれば…。」
そんな話をしていると、バンワドが何かに気づいた様子で…
バンワド「カービィ、あれ何だろう?」
カービィ「小さい…ボックス?」
2人がそっと近づくと…不思議な模様が描かれている、淡い光を放つ不思議な青いキューブが浮いていて…そっと触れるとカービィの手元に収まった。
バンワド「もしかしたら、敵の情報を知る手がかりになるかもしれないね。」
カービィ「そうだね、これは貰っていこう。」
その後、2人が外へ出ると…
タランザ「カービィ、バンワド!」
カービィ「タランザ!」
バンワド「どうしてここに?」
タランザ「ワールドツリーのお世話に来たらロボット兵達と鉢合わせして…その後にマホロアとマルクに会って事情を聞いたの、そして調べた情報を共有しに来たのね。」
そう言うとタランザは情報を伝え、カービィとバンワドは驚いた
カービィ「そんな…アイシェとメタナイトが…!」
バンワド「ハルトマンワークスカンパニー…何て恐ろしい企業なんだ…!」
タランザ「マホロアはあの企業の事を調べながら、アイシェと連絡を取れないか試してみるって言ってたのね。」
カービィ「分かった。」
バンワド「とりあえずこっちは、大王様とワドルディ達の無事は確認出来たからね。」
タランザ「よかった……ところで2人共、道中で「ICキューブ」っていうのを見つけてない?」
カービィ「もしかして、これかな?」
そう言ってカービィはさっき見つけた小さなボックスをタランザに見せた
タランザ「そう、これなのね。」
バンワド「タランザ、これが何か知ってるの?」
タランザ「さっき敵のロボットが話してるのを聞いたの、それはボスへの道に張り巡らされたバリアを解除する為の重要な物…見つけたら必ず回収しておくといいのね。」
カービィ「分かった、ありがとうタランザ!」
バンワド「敵の方はボク達に任せて、タランザ達はアイシェをお願い!」
タランザ「分かった、マホロアに伝えておくのね!」
会話を終えてタランザと別れ、カービィ達はさらに進んだが…
変わっていたのは景色だけで無く、住民達も機械の様な見た目になっている者もいて…カービィとバンワドは心を痛めつつ、必ず元に戻すと強く思った。
すると…
バリバリバリ…
上空から大きな音が聞こえてきて…見上げるとそこには大量のロボット兵を運ぶ小さなプロペラの付いた機械があった
カービィ「あれは…!?」
バンワド「侵略して来た時にあの母艦、アクシスアークスから出てきたロボット兵だ!」
ロボット兵は次々と運ばれて行き、その内の一体がカービィの目の前にドシーンと大きな土煙を上げながら降り立った!
すると、中から操縦士らしき兵士が現れて…
兵士「我ガ社ノ「インベードーアーマー」ニ敵ウ者ハ無シ!」
そう言うとカービィに襲いかかって来た!
カービィ「くっ…!」
最初はソードで応戦していたカービィだが、苦戦を強いられていて…
バンワド「カービィ、これならどう!?」
そう言ってバンワドが投げたのはファイアのコピー能力星!
カービィ「ありがとうバンワド!」
飲み込んでファイアをコピーしたカービィは、灼熱の炎で反撃して…
兵士「グワアァァーーーーッ!!」
倒された兵士は吹っ飛んで爆発し…その場にはインベードアーマーが残された。
バンワド「やったねカービィ!けど、これはどうすれば…。」
カービィ「…これ、もしかしたら操作出来るかも?」
何を思ったのか、カービィはそう呟くと操縦席に飛び乗った!
バンワド「わわっ、危ないよカービィ!?」
驚くバンワドだったが、次の瞬間…ロボットが光に包まれて、みるみる内にカービィと同じピンク色になっていく…
顔も黄色い瞳が出来て可愛らしく、腕にもワープスターを思わせるステッカーが出現して、まるでカービィ専用のロボットの様だ。
カービィ「やった、動くよ!」
ロボットはカービィの思うがままに動き、強力なパンチでドラム感やブロックを壊して…能力を持った敵にはロボットの口が開いて「コピー」の能力を持つタックの様にスキャンして、能力に応じた強力な攻撃を繰り出していく!
バンワド「すごいよ、カービィ!」
カービィ「よーし、この調子でどんどん行くよー!」
バンワド「インベードアーマーだっけ…カービィの物になったし、新しい名前を付けようよ。」
カービィ「そうだね、それじゃあ…よろしくね、ロボボアーマー!」
バンワド「ロボボアーマー、素敵な名前だね。」
可愛らしい名前だが、どことなくロボボアーマーが喜んでいる様な気がして…新たな相棒と共にカービィ達は進む
鉄の扉も押し上げて行きながらカービィの快進撃は進むが、途中でロボボアーマーの通れない場所が出てきてしまい別れる事に…
カービィ「今は一旦お別れだけど…またよろしくね。」
満面の笑みで手を振ると、2人はその場を後にした。
一方、タランザはローアに帰還してカービィ達との事を話した
マホロア「ヨカッタ、2人共無事だったんダネ。」
タランザ「大王様や城のワドルディ達の無事も確認されたの、敵の方はカービィ達に任せてボク達はアイシェの方をお願いって言ってたのね。」
マホロア「助かるヨ、コレでアイシェの方に専念出来るカラネ。」
マルク「なぁ~このままローアに潜んでるのサ?」
マホロア「今出たっテ、返り討ちに遭うダケダロ。」
マルク「思いっきり暴れてやりたいのサ!」
マホロア「ソレで万が一、敵の怒りを買って見ろヨ…アイシェが何されるか分からないカラ嫌ナノ!ダカラ今は我慢してヨ。」
タランザ「マホロアの言う通りなのね、今は耐える時…そして準備が整ったら乗り込むんでしょ?」
そう言うとタランザは、不敵な笑みを浮かべながらマホロアを見て…
マホロア「キミにしては、珍しく乗り気ジャン?」
そう話すマホロア自身も、弓なりに細められた瞳はギラギラと光っていて…黒い感情を秘めているのが伝わって来る
そんな2人のやりとりを見て、マルクも思惑を察してその紫の瞳は猟奇的にギラギラと輝き…ペロッと舌舐めずりをした口から覗く鋭い牙がギラリと光る
タランザ「クフフ…向こうから仕向けてきた事なの、存分におもてなししないとねぇ?」
マホロア「クックックッ…操りの魔術師の本気が見れるヨォ…コレは怖いネェ~。」
怖いと言いつつ心底楽しそうに笑うマホロアにタランザの白く丸い瞳も弓なりになり、鍵爪をメキメキと鳴らしながら紫の瞳を細めてマルクも笑う
マルク「キシシ、準備が出来たら存分に暴れてやるのサ!」
マホロア「その為にモ、今はしっかり情報を集めて準備しないとネッ!」
3人は黒い笑みを浮かべながら、モニターに映るアクシスアークスを見つめるのだった。
To be continued…