一方のカービィ達は、激闘の末にウィスピ―ボーグを倒して次のエリア「ラスタードロード」に進んでいた。
カービィ「ボスを倒したら、あのドリルが壊れて力を失った…あれを壊していけば、敵の本拠地に乗り込めそうだね。」
バンワド「うん、そして残るドリルは4つだね。それにしても家のあった場所がこんな事に…。」
カービィ「すごい早さで機械化が進んでるね…みんなが心配だし、急がないと。」
住民達の家があった場所は機械化の影響で住宅地になっており、ワドルディが乗り物で走っているかと思えば、ロボボアーマーでジェットをコピーして飛びながら敵を倒して進んでいく場所もあり…奥には大小たくさんの歯車と4つの砲台が付いた大きな機械があり、カービィ達の行く手を阻んだ!
バンワド「これを倒さないと先に進めなさそうだね…!」
カービィ「攻撃が激しいから避けながら迎撃するよ、しっかり掴まっててねバンワド!」
バンワド「うん!」
4つの砲台から繰り出されるレーザービームと砲弾の嵐を避けつつ、カービィも反撃していく
砲台を1つずつ確実に壊していき、最後の1つを壊すと…
ドカァァァン!!
大きな爆発と共に壊れ、先へと進んだ!
一方、マホロア達も着々と情報を入手していた
マホロア「今カービィ達が倒したのは「ンギュア基地」、あのルートを守っていたんダネ。」
マルク「アイツと対峙したのが運の尽きなのサ。」
タランザ「基地と言っても大した事無かったのね。」
マホロア「他には何があるのカナ…?」
そう言いながらマホロアがエリアの情報を調べていくと…プロプトプレインと同じラボや、巨大なカジノがある場所があった。
マルク「カジノかぁ~、ずーっと昔に遠い星で見た事があるのサ。」
マホロア「ボクはやった事あるヨ、ちょこちょこイカサマしてたナァ~結局バレずに済んだケド。」
タランザ「ロクな事してないのね…。」
マホロア「ソンナ事はさておき、カービィとバンワドは無事に次のボスへのバリアを解除したみたいダネ。」
マルク「ここのボスは何なのサ?」
マホロア「エット……「ホログラフ防衛システムズ」…エリアを防衛する戦闘型セキュリティマシンみたいダネ。かつて繰り広げられて来た戦いのデータを分析しテ、ホログラフのセキュリティシステムを生み出すんダッテ。」
タランザ「何て高度な技術なのね…!」
マホロア「ドンナ奴らのデータが入ってるんダロ?」
そう言ってマホロアが魔術でハッキングしたデータを覗き見ると…驚いて黄色い瞳を小さくした!
マルク「どうしたのサ?」
マホロア「ソンナ…どうシテ!?」
タランザ「何が起きたのね?」
マホロア「コイツ…どうシテ「スフィアローパー」のデータなんて持ってるんダヨ!?」
タランザ「スフィアローパーって…確かローアの?」
マルク「エナジースフィアが大好物の怪物なのサ。」
驚きを隠せないマホロアだが、更に調べていくと他の星に眠っていた設計図を基にして作られた物で、一部データが欠けている為に本来の性能は発揮出来ずにいる事が分かった。
マホロア「この企業…想像以上に色んな世界に手を出してそうダネェ…カービィ、コンナ奴はさっさとブッ壊しちゃってヨォ!」
同じ頃、ちょうどカービィ達はそのホログラフ防衛システムズと対峙していた。
バンワド「これ、ホロビタスターに居たピクスに似てる…!」
カービィ「クラッコやスフィアローパーの幻みたいのを生み出してきたけど、これは一体…!?」
戸惑う2人だったが、バンワドはアイテムでサポートしてカービィ自身も新たに得たコピー能力「エスパー」を駆使して次々と倒していく
アイスドラゴンやトグロ・ガラーガの幻の様な物を倒すと、今度は本体が襲ってきたが、カービィは素早くかわすと反撃して…ホログラフ防衛システムズを撃破した!
バンワド「やったねカービィ!」
カービィ「はぁ…はぁ…うん!」
バンワド「お疲れ様、もう夕方だし…今日はここで休んで明日の朝に出発しよう。」
カービィ「うん。」
2人は食事を終えると早めに眠りにつき、ゆっくりと体を休めた。
同じ頃、アイシェは食事を出されていたがとても食べる気にはならず…少しだけ口に含むと後は残してそのままベッドに横になってしまった。
アイシェ「みんな…メタさん…マホロア…。」
カービィ達や同じく攫われたメタナイト、そして今は声だけで繋がっているマホロアの事を考えて…込み上げてくる強い不安や寂しさから、アイシェの閉じた瞳からは涙が零れ落ちた。
そのままいつの間にか眠ってしまい、その後そっと様子を見に来たスージーは…
スージー「アイシェ…全然食べてないわね…。」
冷蔵庫の中も手付かずで…スージーは眠るアイシェの頭を優しく撫でると、そのまま静かに部屋を後にした。
翌日…早朝からカービィとバンワドは出発し、次のエリアである「オクターンオーシャン」に辿り着いた
カービィ「海に港が出来てる…それに海水を運び出してる様にも見えるね。」
バンワド「資源を奪いつくすってタランザが言ってたから、海水も資源に使ってるのかも。」
そんな話をしつつ2人は進み、ロボボアーマーでコピーしたホイールの能力で港を駆けがらラボでは水中から侵入してICキューブを集め、更には巨大なアイスクリームが作られている工場も突き進んだ。
カービィ「床がキャンディだ、美味しそう…!」
バンワド「食べちゃダメだよカービィ、それに滑りやすいから気をつけてね!」
カービィ「えへへ、そうだね…うん、気をつけるよ。」
途中でロボボアーマーと力を合わせて、アイスクリームの雪だるまを作ったりしつつ進み、最後は海中を泳いで進んだが…
バンワド「ふぅ…無事にボスの前まで来れたけど、アクロ…みたいな機械が出てくるなんて。」
カービィ「アクロが機械化されちゃったのかと思ったけど、複数居たし完全に機械そのものだったから違うみたいだね。」
本物のアクロが無事である事を願いつつ、2人はボスの場所へと向かうのだった。
一方、アイシェの方は…
アイシェ「…ごちそうさま…。」
朝食を出されたものの、やっぱり食べる気にならなくて…一口で食べるのを止めてしまうアイシェにスージーは困っていた。
スージー「アイシェ、ちゃんと食べないと体が持たないわ…。」
アイシェ「…ごめんなさい…食べる気にならなくて…。」
そう話すアイシェの青い瞳は揺れていて…スージーは考えた末に、ポンっと手を叩いた
スージー「アイシェ、ちょっと待っててね。」
そう言うとスージーは一旦部屋を出て行き…しばらくすると小さな器を持って戻って来た。
ふわっ…甘い香りにアイシェがそっと顔を上げると、彼女が持っていたのはアイスクリーム
アイシェ「スージー…どうしてアイスクリームを?」
スージー「ふふっ、ワタクシこれが大好物なの。」
アイシェ「そうなの?」
スージー「えぇ、食欲が無くてもこれなら食べれるかもって思って持ってきたのよ。どうかしら、アイシェ?」
そう言ってそっと目の前に差し出された器を、アイシェは優しく受け取り…
スプーンでアイスを掬って口に運ぶと…甘い香りが口内に広がり、冷たい触感が喉を通って心地良い
アイシェ「美味しい。」
そう呟くと、スージーの水色の瞳は嬉しそうに輝いた。
スージー「よかった、気に入って貰えたみたいね。」
アイシェ「ありがとう…スージー…。」
まだ少しだけ警戒しつつも、お礼を言うアイシェにスージーの表情はとても穏やかで…
スージー「どういたしまして、アイシェ。ふふっ、食べれくれてワタクシとっても嬉しいわ。」
アイシェ「(普段はとても大人なのに、こんなに無邪気な顔もするのね。…この人自身は、もしかしたら説得すれば分かってくれるの……かな…。)」
とても嬉しそうに可愛らしい笑顔を見せてアイスを頬張るスージーの様子に、アイシェの心は少しずつ開いていくのだった。
To be continued…