小説「夢結ぶ星りんご」(ロボボ編)~自我を持った星~

マホロア達が見守る中、カービィは星の夢との戦闘を続けていた!

激しい攻撃をかいくぐりながら反撃していった結果、ダメージを負った星の夢は激しい爆発を繰り返しながら本体にビキビキと亀裂が入り、黒い煙を上げて堕ちて行ったが…

カービィ「やった!」

メタナイト「いや、まだだ!」

マホロア「様子がおかしいネ…。」

アイシェ「星の夢が…アクシス・アークスの上空で止まった…?」

突如態勢を立て直した星の夢は、アイシェの言う通りアクシス・アークスの上空で止まり…突然下のパーツが手の様に外れた

すると…アクシス・アークスの頂上が開き、中が窪んだと思った次の瞬間に巨大なネジ穴の様な物が出現し…星の夢がそこにクルクルと回りながら合体した!

マルク「あれは何なのサ!?」

タランザ「まるで星の夢自体が、巨大なネジの様なのね!」

マホロア「アクシス・アークス自体にも秘密があるのカ?」

アイシェ「スージー、聞いた事は?」

スージー「アタシも知らないわ…一体何を…!?」

カービィやマホロア達が驚く中、星の夢の翼の様な突起物はアクシス・アークスの周りに移動し…一瞬模様が赤く光ったかと思えば…今度は脈打つ様に緑に光りながらポップスターに突き刺した巨大な5本のドリルの残骸を全て取り除きながら宇宙へと浮かんで行った!

メタナイト「まだ戦いは終わらない、行くぞ!」

カービィ「うん!」

再び戦艦ハルバードをスキャンしたロボボアーマーが、合体した星の夢と対峙する!

しかし、何やら星の夢の様子がおかしい…

星の夢「未知ノダメージにヨリ、最終プログラムがアンロック。アノ生命体ヲ排除デキるカクリツは、99.99%トナル。タダ、ハルトマンとイウ「ココロ」というモノが不要なソンザイとナルモヨウ。コレヨリ、ハルトマンのメモリーの消去をカイシスル。」

カービィ「えっ…!?」

スージー「そん…な…そんな…やめて…そんな事をしたら父は!」

驚き戸惑うカービィ達だが、星の夢は徐々に白っぽい銀の装飾から一変して赤黒い装飾に変化して…強い衝撃派を飛ばしながらカービィに襲いかかる!

リング状の弾を大量に撃ってくる「メガバイト・ショット」や、ドリルを生やして薙ぎ払う「アクシス・ワークス」等の激しい攻撃をギリギリでかわしつつ、攻撃を続けるカービィ

すると…攻撃の度に星の夢の装甲が徐々に剥がれ始めた。

しかし、その装甲の中から覗く物には見覚えがあって…

眩しい黄色のボディに太陽の炎を現す様な三角の模様…

左上には流れ星の飾りが付いていて…まるで口の様な物も覗く…

アイシェ「この模様…飾りは…!」

マルク「お…おい…嘘だろ…信じられないのサ…!」

徐々に見えてきた「それ」に驚きを隠せないアイシェとマルク…

そして、カービィの攻撃が最後の装甲を剥がした!

剥がれた装甲から姿を現したのは…かつてマルクが願いを叶えようと企んだ機械仕掛けの星

銀河の大彗星ノヴァによく似た物だった!

カービィ「これは…大彗星ノヴァ!?」

メタナイト「馬鹿な…これすらも復元したというのか!?」

カービィ達が驚く一方、ローアのモニターから見ていたマホロアは、ゴクリと息を飲みつつ口を開いた

マホロア「コレは最早…自我を持った星そのモノ…!」

アイシェ「自我を持った星…!?」

マホロア「星の夢とアクシス・アークスが合体したコトで、人工の…機械の星になったんダ。」

アイシェ「それじゃあ…これはノヴァって事…?」

マルク「…いや、こんなのは偽物なのサ。」

ハルカンドラ人と同じ技術を持っているのかと驚愕したアイシェだったが、マルクの言葉がそれを否定した。

アイシェ「マルク…!」

マホロア「キミのコトだカラ、てっきりまた企むのかと思ったケド?」

マルク「冗談はやめろ。お前も知っての通りなのサ、あれはハルカンドラ人の作った物…あんなのが簡単に複製されちゃ堪らないのサ。」

マホロア「クックック…ハルカンドラ人の技術を復元なんテ不可能ダヨ、ホ~ント馬鹿ダヨネェ。」

タランザ「暴走したコンピューターの星なんて、誰も幸せになれないのね。」

マルク「カービィ、こんな偽物はお前の敵じゃないだろ…さっさと倒して来るのサ!」

アイシェ「頑張って、カービィ…!」

スージー「(…星のカービィ…父はもう…………だからお願い、壊して解放してあげて!)」

応援するマホロア達の画面の向こうで、カービィは星の夢との激闘を続けていた。

大きく咆哮したと思ったら、おちょぼ口で吸い込みをしてきたり…突然目が真っ黒になって回転しながらビーム攻撃を撃ってきたりと一時も気を抜けない状況が続く

すると、今度は数字を模した硬いバリアの様な物を飛ばして来て…様々な物を飛ばし始めた

最初は風見鶏で、次はコンパス、これらはギャラクティック・ノヴァに付いていた物と同じで…

アイシェ「ノヴァが付けていたパーツと同じ…そこまで再現が出来ていたって事…?」

マルク「けど本物みたいな強い力は感じないのサ、所詮はコピー品…本物の力には及ばないのサ。」

カービィはそれらも破壊してキャプチャーしながらパワーを溜めていくが…次に出てきたのは懐中時計と望遠鏡

スージー「あれは…!」

アイシェ「知ってるの、スージー?」

スージー「あれは父の懐中時計と望遠鏡…どうしてここに…!」

タランザ「消去したハルトマンのメモリーにあった物か、或いは大切に取って置いたのね?」

マホロア「記憶が無くてモ、アノ懐中時計と望遠鏡ハ手放さなかった可能性は高いネ。」

回中時計はギザギザの鋭い牙が生えて、ガチガチと開閉しながら襲いかかって来る!

それらをかわしながら懐中時計も望遠鏡も壊してキャプチャーして、プラネットバスターを放った!

その後もグランドピアノやコンパスも飛ばしてきたが、それらの攻撃もかわしつつキャプチャーし…最後のプラネットバスターを放った!

ドカアァァァン!!

星の夢は大きな爆発と共にグルグルと目を回し、咆哮した後に小さな爆発を繰り返しながら落ちていく…

マルク「やったのサ!」

タランザ「これで安心なのね!」

ホッとするマルクとタランザだったが…

マホロア「待っテ、様子がおかしいヨ!」

モニターを指差すマホロアの先に映ったのは…星の夢が目をカッと開き、戦艦ハルバードモードに攻撃をした瞬間!

アイシェ「カービィ、みんな…!!」

青ざめるアイシェだったが、メタナイトが甲板に現れて…

メタナイト「行くんだ、カービィ!」

甲板から飛び出したメタナイトは、大きな鍵穴にギャラクシアを差して動かした

すると、カチャッと音と共にロボボアーマーの顔部分が飛び出して…そこにはカービィが乗っていた!

カービィ「ありがとう、メタナイト!」

元に戻った戦艦ハルバードはそのままゆっくりと態勢を立て直しつつポップスターへ戻り…カービィはロボボアーマーの右手を巨大なドリルモードにして、星の夢に向かった

星の夢は何度もハートフル・シェルと呼ばれるバリアで防いできたが、ドリルでそれらをも壊しながら進み…星の夢の頂上である合体部分にドリルを差して回り始めた!

ビキビキ…バキッ…!

グルグルと高速回転する度に亀裂が入っていき、カービィはどんどん中へと侵入していくが…

突然の咆哮と共に振り払われて…星の夢が激しい吸い込み攻撃を始めた

カービィは必死にロボボアーマーにしがみ付いていたが…

アイシェ「カービィ!!」

カービィ「うわぁぁぁぁぁーーーーー!!」

モニターに向かってアイシェが叫んだ瞬間、カービィはロボボアーマーから引き離されて、星の夢に吸い込まれてしまった…。

To be continued…