翌日、アイシェはデデデからプレゼントされたケープを羽織り、マホロアと共に外へ散歩に出かけた。
まずはローアの周りをゆっくりと歩き、馴らした所で次は近くに生えている「アレ」まで向かい…休憩を挟みつつ散歩を楽しんでいた。
マホロア「ア、少し小さな段差になってるネ…大丈夫、アイシェ?」
アイシェ「うん、大丈夫だよ。」
2人で段差を降りようとしたその時…
ふわっ…後ろから風が吹いて来て、アイシェの帽子が飛んでしまった。
マホロア「オット…。」
飛んで行く帽子をマホロアがキャッチして、そのまま段差の下にふわりと降りた。
アイシェ「ありがとう、マホロア。」
マホロア「どういたしましテ、今ソッチに行くネ。」
アイシェ「あ、私が下りるよ。」
マホロア「フフッ…おいでアイシェ、受け止めてアゲルヨ。」
満面の笑みでマホロアがアイシェに向かって両手を広げ、アイシェも嬉しそうに笑いながら彼の元へ向かおうとすると、今度は下から風が吹いてきた。
ふわっ…アイシェのスカートは膨れ上がり、頬を優しい風が撫でていく
しかし、下にいたマホロアはアイシェを見上げたまま頬を真っ赤にしていて…
アイシェ「マホロア、どうしたの?」
不思議に思ったアイシェが尋ねると…
マホロア「エット……ソノ……今の風でアイシェのスカートの中が丸見えだった…ヨォ…。」
思わぬハプニングに内心は大喜びなマホロアだったが、恥ずかしいのも事実で…相変わらず頬を真っ赤に染めたまま目が泳いでいる。
アイシェ「やだ、恥ずかしい…!」
彼の言葉に一気に恥ずかしさが込み上げたアイシェも、頬を真っ赤に染めてバッとスカートを押さえたが…その拍子にバランスを崩して足元を滑らせてしまった!
マホロア「アイシェ!!」
アイシェ「きゃあっ!!」
落ちてきたアイシェを急いで浮き上がって受け止めたマホロアは、そのままゆっくりと降りた。
マホロア「フゥ…大丈夫カイ?」
アイシェ「うん、ありがとう。」
マホロア「どういたしましテ。このまま帰ってもイイケド、お散歩を続けル?」
アイシェ「うん。」
マホロア「無理しないデ、ゆっくり行こうネ。」
そう言ってアイシェをそっと下ろし、彼女の手をしっかりと握って再び歩き出した。
とはいえ夏本番のプププランドは日差しが強く、帽子を被っていても体を照りつける太陽からは暑さを感じる。
アイシェ「すっかり夏本番だね。」
マホロア「ホントダネェ〜。」
照りつける暑さはアイシェの体力を奪い、息が上がってきた事に気づいたマホロアは近くの木に誘導して座らせた。
アイシェ「ふぅ…涼しい…。」
マホロア「ココで休んダラ、今日は帰った方が良さそうダネ。」
アイシェ「うん、そうだね。」
呼吸を整えつつアイシェが汗を拭って答え、マホロアもローブを脱いで汗で濡れた耳をパタパタと動かした。
大きな木の葉は鮮やかな緑に生い茂り、そのお陰で周りの気温も低くて涼むのに丁度良い
しばらく無言で涼んでいた2人だが、沈黙を破ったのはマホロアだった。
マホロア「アイシェ、モウ少し歩ける様になっタラ…海に行こうカ。」
突然そんな事を言いだしたマホロアに、アイシェは青い瞳をぱちぱちさせてキョトンとしていて…
アイシェ「突然どうしたの?」
マホロア「夏ダシ、少しデモ涼みたいデショ?ソレに…1年前の春、アイシェと行った海にモウ一度行っテ、あの夕陽を見たいノ。」
海、それは2人にとって思い出深い場所で…
1年前…2人で遊びに行き、びしょびしょになるまで水を掛け合ったのは昨日の事の様に思い出された。
そしてマホロアには同時にもう1つ大切な思い入れがあって、それは「アイシェに対する気持ちを自覚した」事である
最初は気持ちの正体が分からずにモヤモヤする事が多かったが、今はその気持ちがアイシェに対する想いだと分かっているのでとても心地良い
アイシェ「うん、行きたい!」
そう言って嬉しそうに笑うアイシェはキラキラしていて、マホロアの口元も自然と緩んで弧を描き、その耳は嬉しそうに大きく揺れた。
それからもアイシェはマホロアやカービィ達と一緒に散歩をしながら、毎日少しずつ歩く距離を伸ばしていき…
1週間後、すっかり回復したアイシェは元通りになり…約束通り、海へ遊びに来たのである。
カービィ「あれ、アイシェは?」
マホロア「ローアで水着に着替えてるヨォ。」
カービィ「マホロアも水着?」
マホロア「ウン。」
水色の生地に青い歯車模様の描かれた水着のマホロアは、その上から口元まですっぽり隠れるパーカーを着た。
バンワド「わぁ~よく似合ってるね!」
マホロア「エヘヘ、アリガトネェ~!」
褒められる事にも少しずつ慣れて来たマホロア、昔は偽りの笑みと上辺だけの感謝の言葉を述べていたが、今は心から嬉しいと思えて…頬を少し赤く染めながら素直に感謝の言葉を口にした。
この日はカービィとバンワド、マルクとタランザが一緒に遊びに来ていた。マルクとタランザもいつもとは違う水遊び用の格好だが…
マルク「タランザも遊ぶのサ!」
タランザ「ちょっ…マルク、ボクは着替えを持って来てないからあんまり濡れると困るのね…!」
マルク「そんなの気にしてたら遊べないのサー!」
バッシャーン!!
そう言ってマルクは煌めきの羽を思いっきり海面に叩き付けたものだから、タランザは全身ずぶ濡れに…
タランザ「マル…ク…!」
ボタボタと水滴が零れ落ち、せっかくの銀髪もべったりと顔に張り付いて髪型もぺっちゃんこになり台無しに…
しかしマルクは心底楽しそうに笑っていて…
マルク「ギャーハッハッ!お似合いなのサ!」
俯いてプルプルしていたタランザだが、マルクの言葉にスイッチが入り…
タランザ「マルクゥゥゥゥゥゥ!!」
怒ったタランザはマルクの名前を叫びながら、スーパータランザボウルを海面にぶつけた!
ザバーーーーーッ!!
今度はマルクが全身ずぶ濡れになり、プルプルと頭を振っている
マルク「キシシ、やるじゃん!」
タランザ「ボクの力を見くびって貰っちゃ困るのねっ!」
マルク「なら容赦無く行くのサ!」
こうしてマルクとタランザの水かけ遊びが始まったが、いきなりずぶ濡れにされて怒っていたタランザも、いつの間にか夢中になっていて…楽しそうに遊んでいる。
マホロア「全く…暢気な奴等ダヨォ~。」
そんな2人の様子を少し呆れた様子で見ていたマホロアだが…
アイシェ「お待たせ。」
マホロア「ッ………!!」
ローアで着替え終えたアイシェがゆっくりと出てきて…振り返ったマホロアは息を飲んだ。
アイシェの水着は、白いビキニに胸元はヒラヒラした青いリボンが付いていて、腰には透け感のあるホライゾンブルーのパレオを巻いている
耳元のリボンにはピンクのハイビスカスのコサージュが付いていて、アイシェの姿は涼しげで可愛らしく美しいが、胸元から覗く小さな谷間や形のいいお尻、柔らかい太ももや綺麗な足は目のやり場に困ってしまい…同時にマホロアの内なる欲望が強く唆られてしまう。
アイシェ「どうかな?」
ドキドキしつつ尋ねるアイシェだが、マホロアは頬を真っ赤に染めたまま黄色い瞳は泳いでいて…
マホロア「アッ…アァ………ッ…ゴメンッ!!」
アイシェ「マホロア!?」
突然謝るとマホロアは大慌てでローアの中へ戻ってしまい…アイシェは驚いてしまったが、そのまま彼を追いかけてローアへ戻った。
マホロア「ハァ…ハァッ……!」
自分の部屋に戻ったマホロアは、息を切らしていた
いくら何でも己の欲に弱すぎる……マホロアは自己嫌悪に陥りつつも、水着越しに主張する己の下半身に手を当てた
最近はアイシェの体を考えて行為を抑え気味にしていた事もあり、マホロアはいつも以上に欲情しやすくなっていた
とはいえカービィ達も居るのにこんな風では恥ずかしい…何よりアイシェに幻滅されてしまいそうで、今の彼はそれが怖かった。
すると…そっと扉が開いて、アイシェが入って来た
アイシェ「マホロア…。」
マホロア「アイシェ…ゴメンネ……。」
頬を真っ赤に染めつつ、今もなお水着越しに主張する己の下半身を押さえながらしょんぼりして謝るマホロアだが、アイシェは何も言わずゆっくりマホロアの前に来てそのまま背伸びをして…彼の頬に優しく両手を添えると、そっと優しいキスをした。
キスを止めてゆっくりと目を開けると、マホロアの真っ赤に染まった頬と綺麗で大きな黄色い瞳が見えて…まだしょんぼりして耳がペタンと垂れているマホロアを見て、アイシェは穏やかな表情で口を開いた。
アイシェ「マホロア…魔力に変える?」
マホロア「ンッ…イイノ…?」
アイシェ「うん。」
マホロア「アイシェ…すごく綺麗ダヨォ…ソレに色っぽくテ…ボク興奮シチャ…ハァ…ッ…!」
息の荒いマホロアは、そのままアイシェを抱きしめて首筋を甘噛みしながら、下半身に左手を当てて性欲を魔力に変換していく。
アイシェ「んっ…マホロア…。」
甘噛みの感触にピクッと震えて甘い声を漏らすアイシェに、マホロアの興奮は増してしまう…
マホロア「ハァ…キリが無いヨォ…モウいっそ…1回ダケ…。」
アイシェ「んっ…それはダメ…。」
マホロア「アァ…生殺し…ダヨォ…!」
アイシェ「夜になってから…ね…。」
そう言ってマホロアの頬にちゅっとキスをすると、目を閉じてブルッと震える
マホロア「ンンッ……お預け…デモ…夜のお楽しみナラ我慢出来る…ヨォ…!」
そう言うとアイシェに深く口づけ、溢れ出る性欲を全て魔力へと変えていった。
少しして…落ち着いたマホロアは、アイシェの頬を優しく撫でてキスをした
アイシェ「よかった、落ち着いたんだね。」
マホロア「アリガトウ、アイシェ。」
アイシェ「どういたしまして。」
マホロア「カービィ達が待っテル…戻らないトネ。」
アイシェ「うん。」
そっと差し伸べられたマホロアの手を取って、アイシェはローアから出て浜辺に向かった。
To be continued…