アクロはカービィとバンワドを見ながら後ろ向きに泳ぎ、口から骨や魚の敵「テイル」を吐き出してくる
アイシェ「やっぱりウルルンスターのアクロ戦と同じ…!」
マホロア「アイシェ、アイツの倒し方は分かるカイ?」
アイシェ「私の記憶と同じなら、カービィは水中でも吸い込んでぶつけられるはずだよ。」
マホロア「カービィ、ソイツが吐き出すのを吸い込めるカナ?」
カービィ「やってみるよ!」
そう言うと、カービィは水中での吸い込みを試みた!
ズオォォォーーー!!
生前のアイシェが遊んだ「星のカービィ64」のゲームと同じく、カービィは水中でも強力な吸い込みをしている!
アイシェ「よかった、これなら倒せそう!」
カービィは吐き出されたテイルを吐き出し、アクロに命中すると…
アクロ「ギャアァァァーーーー!!」
怒りながら突進して来るアクロをかわし…
バンワド「ボクも居るよ!」
今度はバンワドが激しい槍での攻撃を喰らわせた!
しばらく戦う内に、今度はアクロが岩に向かって激しくぶつかり始め…大きな岩が上から降ってきた!
アイシェ「きゃあぁっ!!」
デデデ「おりゃっ!」
マホロア「コノ船に手出しはさせないヨ!」
船に落ちてきた岩はデデデが自慢のハンマーで蹴散らし、マホロアが魔法で巨大なリフバリアを張った。
ある程度ダメージを与えると、今度は体をスクリューの様に回転させながら突っ込んで来たり、爆弾の形の敵「ギョックン」を吐き出して爆発の攻撃も始めた
カービィ「これも吸い込めそうだね!」
そう言って、カービィは吸い込んで吐き出してアクロにぶつけ、バンワドも向かって来たギョックンを槍で弾き返した。
みんなが見守る中、カービィとバンワドはアクロと激しい戦いを繰り広げ…
アクロ「グワ…アァ……!!」
ヨロヨロとしながらアクロは逃げて行き、カービィとバンワドは歯車の元へと泳いで行った。
バンワド「これが、ローアの歯車だね。」
カービィ「アクロが戻って来るといけないから、早く戻ろう。」
そう言うとカービィは岩の隙間にある歯車にそっと手を伸ばし…
歯車はキラキラと光を放ちながら、カービィの手に収まった。
2人は泳いで船に戻って来て…
アイシェ「2人共、お疲れ様。」
バンワド「ありがとう、アイシェ。」
カービィ「はい、歯車だよ。」
アイシェ「ありがとう、カービィ。」
カービィ「どういたしまして!」
バンワド「よかったね、アイシェ!」
アイシェ「うん!」
そう言ってにっこり笑うカービィとバンワドは、元の世界の彼らと同じで…
アイシェは、カービィから受け取った歯車を大切にぎゅっと抱きしめた。
すると、船は再び強い光に包まれて…一行が次に目を開けた時には海の上に居た。
デデデ「どうやら戻って来たみたいだな。」
メタナイト「あれは一体何だったのか…?」
ドロッチェ「もしかしたら、その歯車の力で不思議な空間に引き寄せられたのかもしれないな。」
マホロア「もしかしタラ、後2つの歯車も同じ様に引き寄せられて別の空間に飛ばされるのカモしれないネェ。」
アイシェ「早く見つけて元に戻さなきゃ、もちろん星の歯車もね。」
マホロア「そうダネ。」
歯車をマホロアのショルダーバッグに大事にしまい、船は再び目的地へ向けて進み始めた。
その後は嵐に見舞われる事も無く順調に航海の旅は続き…
港を出発して10日後、船は無事に目的地の陸へと到着した。
ドロッチェ「この地図だと、あの雪山を越えた先に目的の湖があるみたいだな。」
デデデ「雪山か…しっかり準備しねぇとな。」
メタナイト「今日は宿で休んで、明日の朝に出発しよう。」
バンワド「まずは宿を探さなきゃね。」
すると…ぐうぅ~~~とカービィのお腹が鳴った。
カービィ「お腹もペコペコだよ~!」
アイシェ「ふふっ、カービィったら!」
カービィ「えへへ…。」
デデデ「すぐに宿を見つけて飯にしようぜ。」
その後、一行は宿を取ろうとしたが…
ドロッチェ「参ったな…。」
空いている部屋数の関係で、1つの宿に全員が宿泊する事は不可能だという。
ワドルディ「いくつか宿があるけど、どこも1つしか空き部屋が無いって…。」
カービィ「なら、船の時と同じでそれぞれ泊まるしか無さそうだね。」
メタナイト「そうだな…食事の事もあるから、荷物を置いたら再びこの噴水の前に集合という事にしよう。」
デデデ「俺様達はこの宿に泊まるぜ。」
メタナイト「なら、ドロッチェと私はこの宿にしよう。」
マホロア「アイシェ、コノ宿で大丈夫カイ?」
アイシェ「うん、私は泊まれればどの宿でもいいよ。」
デデデ「決まりだな、んじゃまた後でな!」
そう言うとデデデ達は行ってしまい…
メタナイト「我々も宿に荷物を置いてくる、後でまた会おう。」
ドロッチェ「美味い店を見つけておくぜ、楽しみに待っててくれアイシェ。」
そう言うと、ドロッチェはアイシェの髪を掬ってキスをして…
アイシェ「ドロッチェ…!」
頬を真っ赤に染めて照れてしまうアイシェの頭を、ドロッチェは優しく撫でているが…
マホロア「ボクのアイシェに気安く触るなヨォ!!」
アイシェ「マホロア、落ち着いて…!」
ドロッチェ「はははっ、また後でな。」
湯気を出してカンカンに怒るマホロアをアイシェが宥めるが、ドロッチェは全く気にする様子も無く行ってしまい…2人も宿へ向かって歩き出した。
すると、道で困った様子の商人が居て…
商人「困ったな…薬が足りない…。」
アイシェ「あの…どうかしましたか?」
見かねたアイシェが声を掛けると、商人は困った様子で振り返った。
商人「あ、いやぁ…私は薬を運んで売っている商人なんですが、解熱剤が足りなくて困っていて…。」
マホロア「ン、解熱剤ナラ持ってるヨ?」
商人「ほ、本当ですか?」
マホロア「ボク、秘薬を作る旅商人でネェ~キミさえ良ければ売ってアゲルヨ?」
商人「ありがたい!是非とも売って下さい!」
アイシェ「(マホロア、いつから旅商人なんて名乗る様に…。)」
彼の嘘に少し困惑しつつも、アイシェはマホロアと商人の薬の取引を見守り…
商人「これで充分な在庫が手に入りました、本当にありがとうございました!」
マホロア「イイヨォ~機会があっタラ、またよろしくネェ~!」
何度も頭を下げてお礼を言いながら歩いて行く商人に、満面の笑みで手をブンブン振るマホロア
…彼の口の上手さにまんまと乗せられ、少し高めで売りつけられていたのだが…商人は全く気にしている様子では無かった。
アイシェ「マホロア…わざと高く売るのは…。」
マホロア「ボクの薬はそこら辺のよりも効き目がイイんダヨ、ダカラ少し高めデ売りつけてもバチは当たらないヨォ~クッククク!」
アイシェ「もう…。」
少し困った様子で苦言を呈するアイシェだが、マホロアは全く気にしておらず…そんな彼の様子を見てふぅ…と溜息を吐くのだった。
To be continued…