ローアの中でみんなでお茶をしながらお土産のお菓子を食べ、マホロアとアイシェは今回の出来事を話した。
カービィ「そんな事が…2人共、大冒険だったね。」
メタナイト「それで「元の世界の」と言っていたのだな。」
バンワド「それにしても…リボンちゃんとの冒険の時に巡った場所が出てきて、HR-Hが歯車の力で復活したなんてびっくりだよ。」
デデデ「アイシェの記憶が役に立ったな。」
マホロア「ウン、アイシェのお陰デ勝てたカラネ。」
アイシェ「ふふっ、役に立ててよかった。」
そう言って嬉しそうな様子のアイシェの頭を、マホロアは優しく撫でた。
メタナイト「まさか別の世界線のマホロアが引き寄せていたとは…もしそのマホロアの手に星の歯車が渡っていたら、大変な事になっていたな。」
マホロア「アノ世界線のボクは、ボク自身が新たな「マスタークラウン」になっていタ…かつてのボクが支配しようとしていた時よりモット酷いコトになっていたダロウネ。」
メタナイト「だが、其方はアイシェと共に打ち勝ったのだ。」
マホロア「向こうの強さに押されてピンチだった時もあったケド…アイシェがボクを信じてくれた気持ちや想いが、ボクに勇気と力をくれたんダ。」
アイシェ「マホロア…。」
マホロア「アノ世界線のボクは、アイシェの子守歌によって魂が救われて消滅しタ…少なくとも「カービィと喧嘩した世界線」でのボクの存在は唯一になったんダネ。」
自身の両手を見ながら、マホロアはその事実を実感すると共に…しっかりと生きねばと改めて決意した。
マルク「ところで…お前、魔力を増強しただろ?」
タランザ「マルクも感じたって事は、やっぱり気のせいじゃなかったのね。」
マホロア「旅行で行った星で、イイ材料がたくさん買えてネェ…ソレで魔力の増強剤を作って飲んだんダヨ。ホラ…前に作った時は材料をケチって失敗して赤ちゃんの姿になっチャッタシ。」
アイシェ「マホロアソウルと戦っていた時に、溢れ出ていたオーラはその薬の効果?」
マホロア「ウン。」
アイシェ「その薬、体に影響は無いの?」
マホロア「自分に合った量なら問題無いヨ。」
マルク「ちゃんと考えて飲まないと、魔力が暴走して痛い目を見るからな…まぁお前なら流石にそこまでのヘマはしないのサ?」
マホロア「ボクを何だと思っテるんダヨ、流石にそんな三流以下がやるようなミスはしないヨォ。」
タランザ「悪用は厳禁なのね。」
マホロア「分かってるヨォ。ホラ、キミ達にボクから魔法関係のお土産ダヨ。」
そう言うと、マホロアはタランザに魔術書を渡し、マルクに何かを投げて…マルクは鉤爪でそれをキャッチした。
マルク「おー、上物の魔法石じゃん!」
マホロア「マルク、そういうの好きデショ?」
マルク「ボクの好みをよく分かってるのサ。」
マホロア「どんダケ付き合いがあると思ってんダヨ。」
頬杖をつきながらお菓子を頬張るマホロアを見つつ、マルクが魔法石を上にかざすとキラキラと輝いて、紫の瞳もそれに応えるかの様にキラキラしている。
アイシェ「魔法石…魔法の力を持ってるんだね。」
マルク「この魔法石にも魔力の強さがあって、こんなに上物の魔法石はそう無いのサ。」
そう話すマルクは嬉しそうで、アイシェも優しく笑った。
タランザ「この魔術書も良い物なのね、ありがとうマホロア。」
マホロア「どういたしましテ、今度ボクにも読ませてネェ~。」
タランザ「分かったのね。」
お土産も渡して一段落した所で…
アイシェ「私達が旅行に行ってる間、みんなはどんな風に過ごしてたの?」
メタナイト「私は読書をしたり、いつも通り戦艦ハルバードで見回りをしていたな。アックス達がアイシェに会えなくて寂しがっていた、今度また会いに来てやってくれないか?」
アイシェ「うん、またアップルパイを焼いて遊びに行くね。」
メタナイト「ははっ、それは楽しみだ。」
カービィ「ボクもいつも通りのんびり過ごしてたけど、マルクが退屈だって言うから近くの星で手合わせしたよ。」
マルク「コイツ相変わらず強いのサ。」
カービィ「マルクだって強くなってたよ。」
マルク「ボクが強くなっても、お前はさらに強くなってたのサ!」
カービィ「えーそんな事言われてもなぁ…。」
マホロア「ボクデモ勝てないんダカラ、マルクが勝てるワケ無いジャン。」
マルク「どういう意味なのサ!」
マホロア「キミより格上のボクだってカービィに敵わないんダカラ、勝てるワケ無いっテ言ってるノ!ココまで説明しないといけないなんテ、ホント~に馬鹿ダヨォ。」
マルク「いつからお前が格上になったのサ?」
マホロア「最初カラに決まってんダロ!」
マルク「ボクは一度たりとも、お前より格下になった覚えは無いのサ!」
マホロア「クククッ…どうダロウネェ~?」
アイシェ「やめて2人共…!」
そう言って仲裁に入ると、2人は大人しくなった。
カービィ「でもね、マルクが宇宙にお散歩行った時に、ロボボアーマーを見つけてきてくれたんだ。」
アイシェ「えっ、あのロボット?」
カービィ「うん、もう動かなくなってたけど…代わりに操縦席に土を詰めてお花の種を植えたら、芽が出てきて順調に育ってるんだよ。」
アイシェ「私も今度、お世話しに行っていい?」
カービィ「うん、もちろんだよ!」
アイシェ「ありがとうカービィ!」
2人のやり取りを見てマホロアは穏やかな笑みを浮かべ…紅茶を飲むと口を開いた。
マホロア「タランザは何してタノ?」
タランザ「ボクはマルクに、しょっちゅうイタズラに連れ出されて大変だったの。」
マルク「タランザ、お前もうちょっとイタズラ慣れした方がいいのサ。」
タランザ「ボクはそんな必要ないのね!それよりも本を読んだりお花の世話してる方がいいの。」
マルク「堅い奴なのサ~。」
マホロア「タランザは昔カラ、花が好きな「インテリお坊ちゃん」ダカラネェ~。」
タランザ「何とでも言えばいいのね。」
揶揄ったり挑発しても、全く気にする様子の無いタランザだが…アイシェはふと思い出した事があって、自分の部屋に戻ると鉢植えを持って来た。
アイシェ「タランザ、星の歯車の冒険の時に商人さんからお礼にって頂いたんだけど…なんのお花なのかな?」
タランザ「葉の形だけ見ると薔薇にも見えるけど、茎が違うし…これは一体?」
アイシェ「最初は双葉だったんだけど、数日経ったら葉っぱの形も変わってこの見た目になってて…商人さんが「育てる人の心に応じて様々なお花を咲かせる不思議な植物」って言ってたの。」
タランザ「育てる人の心に応じて……聞いた事がない植物だけど、アイシェが大切に育てていけばきっと綺麗な花を咲かせてくれるのね。」
アイシェ「ありがとうタランザ、ちゃんとお世話していくよ。」
タランザ「ふふっ、アイシェは本当に優しい子なのね…マホロアとマルクもちょっとは見習うべきなのね。」
マホロア「何言ってんノ、ボクはチョー優しいジャン。」
マルク「タランザ、余計なお世話なのサ~。」
デデデ「俺様もタランザの言う通りだと思うぞ、特にマルク!お前また城に落書きしただろ!」
マルク「ボクの仕業って決めつけるのは良くないのサ~。」
デデデ「あんだけデカデカと「マルク参上なのサ!」って書いてあれば、お前しかいないだろ!」
マルク「他にもいっぱい描いてやったのサ!ま、許してちょーよ!」
デデデ「許さーん!」
バンワド「消すの大変だったんだからー!」
マルク「おっほっほっほっほ!」
怒るデデデとバンワドに対し、マルクは満足気に笑っていて…そんな光景を見つつも、カービィはアイシェとマホロアに満面の笑みを向けて…
カービィ「楽しめてよかったね、アイシェ、マホロア!」
アイシェ「うん!」
マホロア「また旅行に行きたいネェ、今度はミンナでチョットダケ遠くの星にお出かけもイイナァ~!」
賑やかなお茶会はこの後も続き、楽しい1日が終わるのだった。
To be continued…