マホロア「マルク、遊ぶっテ言っテモ何で遊ぶんダヨ?」
一面銀世界の中、マホロアが疑問に思っていると…マルクは魔法で羽子板を出した。
マルク「これなのサ。」
マホロア「ソレは…羽子板カイ?」
マルク「知ってるなら話は早いな、早速ボクと勝負するのサ!」
マホロア「勝負っテ…遊ぶんジャなかったのカヨ。」
マルク「遊びながら勝負なのサ、負けた方は勝った方の言う事を1つ聞くのサ!」
話しながらマルクは更に魔法で、墨の代わりに絵の具の入ったバケツと筆を取り出した。
マホロア「フ~ン…マァ、ボクが負けるコトは無いケドネェ?」
マルク「おっほっほっほ、ボクが勝つに決まってるのサ。」
マホロア「言うジャン…その勝負、受けてヤルヨ!」
マルク「負けて恥かかない様に、せいぜい頑張るのサ!」
こうして…マルクとマホロアによる羽付き対決が始まった。
マホロア「ボクはいつデモ行けるヨォ。」
マルク「なら…遠慮無く行かせて貰うのサ!」
そう言うとマルクは羽根をポーンと上に投げると、そのままジャンプして…
ガキーン!!
勢いよく叩き、羽根は高速でマホロアの元に飛んで行く!
マホロア「チョッ…何だよコレェ!?」
ガンッ!マホロアは羽子板を両手で持ち、力を入れて羽根を撃ち返した。
マルク「あれを撃ち返せるなんて、やるじゃーん。」
マホロア「ボクを殺す気かヨ!」
マルク「そんなつもりは無いのサ、ちょーっと痛い目には遭わせてやろうかと思ってたけどな!」
マホロア「チョットのレベルじゃネーダロ!」
楽しむマルクに悪態を吐きつつも、マホロアは順調に撃ち返していく。
マルク「マホロア…お前、なかなかやるのサ!」
決着がつかないまま延々と羽根の撃ち返しが続いていたが…
マホロア「羽根は正面から来るとは…限らないヨォッ!」
マルク「は?どういう意味…」
そう言った直後、目の前の羽根は消えて…マルクはマホロアの様子から察して急いで振り返ったが…
ポトッ…羽根はマルクの目の前で落ちた。
マホロア「クククッ、ボクの勝ちダヨォ!」
そう言ってマホロアは筆を取り、マルクの顔面に大きくバツを描いた。
マルク「マホロアお前、ズルしたのサ!」
マホロア「ズルなんて今更ダヨォ?マルクだって隙あらばズルするつもりだったデショ?」
羽子板を浮かせてクルクル回しながら煽るマホロアに、マルクはプルプルしていたが…突然ニタァ…と狂気的に笑った。
マルク「おっほっほっほっほ…よく分かってるじゃん、それならもう何も隠す必要は無いのサ!」
お互いに魔法と魔術…そして悪知恵を駆使して対決はヒートアップしていく
マホロア「アッ…!」
マルク「キシシ、ボクの勝ちなのサ!」
今度はマルクが勝ち、筆でマホロアの顔にバツを描き…
その後も激しい勝負は続いたが、終わった頃には2人共絵の具だらけになっていた。
マホロア「アァ…マフラーやマントも絵の具だらけダヨォ…。」
マルク「ボクの帽子もリボンもカラフルになったのサ。」
げんなりするマホロアに対して、マルクは嬉しそうにしていると…ローアからアイシェが出て来た。
アイシェ「マホロア、マルク……どうしたの!?」
マホロア「アイシェ、起きたんダネ。」
マルク「羽付きしてたのサ!」
絵の具だらけの2人を見て驚いてしまったアイシェだが、マルクは楽しそうに笑っていて…アイシェは目をぱちぱちさせている。
アイシェ「羽根つきで、絵の具だらけに?」
マホロア「マルクが、負けた方は勝った方の言うコトを1つ聞くっテいう条件ヲ出してきたんダヨ。」
マルク「墨より絵の具の方が、カラフルで楽しいのサ。」
アイシェ「ふふっ、それでこんな姿になってたのね。」
マホロア「ところデ…どっちが勝ったノ?」
マルク「引き分けなのサ。」
マホロア「その場合、条件はどうなるんダヨ?」
マルク「そうだな…提案したのはボクだから、ボクがお前に1つ命令するのサ!」
マホロア「チョット、何でそうなるんダヨ!?」
マルク「細かいことは言わないでちょーよ。」
マホロア「細かいコト以前にどう考えテモおかしいダロ!」
アイシェ「マホロア、落ち着いて…!」
怒ってビキビキするマホロアをアイシェが宥めるが、マルクはニヤニヤしていて…
マルク「アイシェも塗ってやるのサ!」
そう言うとマルクはバケツに鉤爪を突っ込み、アイシェの髪や頬にベタベタと絵の具を塗りたくった!
アイシェ「きゃあぁ!ま、マルク…!」
マホロア「テメー、アイシェに何してるんダヨ!」
マルク「油断する方が悪いのサー!」
マホロア「モウ許さネェ…覚悟しろヨォ!」
怒るマホロアは両手で絵の具を取ると、マルクの顔面にベタッと塗りつけた!
マルク「ブヘッ…何するのサ!」
怒ったマルクは何も見えない状態のまま、絵の具を手に反撃したが…
アイシェ「きゃあぁっ、やめてマルク…!」
マルク「アイシェだったのサ!?」
マホロア「ボクはこっちダヨォ!」
マルクとマホロアの喧嘩に巻き込まれるアイシェ…騒ぎが収まった頃には、3人共絵の具まみれになっていた。
アイシェ「もう、お風呂入らなきゃ…。」
マルク「なら…ボクが洗ってやるのサ?」
アイシェ「えぇっ…!?」
マルク「キシシ、ボクが綺麗にしてや…」
マホロア「アァ?何だっテこのクソピエロ?」
後ろから帽子ごとマルクの頭を鷲掴みにしているマホロアの手に力が入ってめり込み、つり上がる目は普段の黄色から一転して赤く光り…
ズゴゴゴゴ…
禍々しい魔力のオーラがマホロアを包み、その影からは大きく捻じ曲がった角が見える…気がする。
アイシェ「マホロア…!」
マルク「な…何でも無いのサ!!」
アイシェを揶揄って楽しんでいたマルクだが、あまりにも度が過ぎていたばかりにマホロアの怒りを買ってしまった事に気づき…ダラダラと冷や汗を流しながら否定した。
マホロア「マルクはボクが流してアゲル、ついでにソノ邪魔な目玉モ一緒に剥いてヤルヨォ?」
マルク「え、遠慮しとくのサ!」
アイシェ「マホロア、やめて…!」
マホロア「……チッ、命拾いしたネェ。」
舌打ちをしつつもマホロアはマルクから手を離し、解放されたマルクは一気に距離を取った。
マルク「ボクは帰るのサ…じゃーな!」
そう言うと、マルクはそのまま飛び上がるとぶっ飛んで帰って行き…
マホロア「…アイシェ、キミはボクが洗ってアゲルヨォ。」
アイシェ「えぇ…!?」
マホロア「綺麗にしてアゲルカラネェ?」
妖しい笑みを浮かべるマホロアは、戸惑うアイシェを優しく抱き上げると…そのままローアの中へ入った。
To be continued…