段々と雪解けが始まったプププランドだが…
マホロア「ウーン…どうしヨウカナァ…。」
今日はホワイトデー、デデデ大王達もアドレーヌ達にお返しをしていて…もちろんアイシェの元にもみんなからお菓子やチョコが届いていた。
マホロアは何を渡せばいいか悩んでいて、部屋で1人考えるものの答えは出ない…
カービィに相談しよう、そう思ったマホロアはローアを出て彼の家に向かった。
カービィ「マホロア、いらっしゃい!」
いつもと変わらず満面の笑みで迎えてくれる友達に安心しつつ家の中に入ると、マホロアはそっとテーブルの傍に座って口を開いた。
マホロア「カービィ、ボク…アイシェに何をお返しすればイイか悩んでるんダ。」
カービィ「ホワイトデーのお返し?」
マホロア「ウン…ミンナはチョコやクッキーを返してるカラ、被らない方がイイのカナァっテ…。」
カービィ「うーん、マホロアから貰えるものならチョコでもクッキーでも喜びそうだけど…。」
マホロア「花束とかモ考えたケド、何かこう…せっかくダカラ普段アゲられナイ様なモノがイイのカナ…。」
カービィ「あげられない物…例えば?」
マホロア「宝石…トカ…指輪…トカ?」
カービィ「えっと…マホロアはアイシェにプロポーズするの?」
マホロア「イヤ…まだソコマデするつもりジャナイケド…。」
そう言って頬を真っ赤にしてモジモジするマホロアを見て、カービィは少し考えた後に口を開いた。
カービィ「アイシェは特別な物は望んでないと思うよ、ただ1つ…マホロアの気持ちが込められたプレゼントなら、どんな物でも喜んでくれると思うんだ。」
マホロア「カービィ…!」
カービィ「ありのままのマホロアの気持ちを伝えてあげよう?」
マホロア「ウン、キミに相談してヨカッタ…ありがトウ、カービィ。」
カービィ「どういたしまして。」
悩みが解消されたマホロアはカービィの家を後にして、ローアに戻りお菓子の本を眺めていると1つのページが目に止まり…準備をすると早速作り始めた。
夕方…マルクに誘われて空のお散歩に行っていたアイシェが帰って来た。
アイシェ「ただいま、マホロア。」
マホロア「お帰り、アイシェ。…アノネ、コッチに来て欲しいんダ。」
アイシェ「ふふっ、どうしたの?」
優しい笑みを浮かべつつ、マホロアが差し出した手を取り歩き出したアイシェを連れて、リビングのソファに移動した。
すると…テーブルには赤いリボンで結ばれた、小さな箱が置いてある。
マホロア「アイシェへのプレゼント…開けて見テ。」
アイシェ「ありがとうマホロア、何が入ってるのかな?」
ドキドキしつつ、アイシェが丁寧にリボンを解いて箱をそっと開けると…そこには綺麗な飴が入っていた。
マホロア「ソレ…ボクが作っタ飴なんダ。」
アイシェ「すごく綺麗…食べていい?」
マホロア「ウン。」
アイシェ「頂きます。」
ドキドキするマホロアが見守る中、アイシェはそっと飴を口に含むと…りんごの甘酸っぱい香りが広がる。
マホロア「どう…カナ…?」
アイシェ「…すごく美味しい!」
マホロア「ホ…ホント!?」
アイシェ「うん、ほんとに美味しいよ!」
マホロア「ヨカッタ…嬉しいヨォ!」
安心と喜びでマホロアは笑顔になり、アイシェも飴を舐めながら満面の笑みを浮かべている。
アイシェ「マホロアが心を込めて作ってくれたんだね…すごく嬉しいよ。」
マホロア「ウン、アイシェへの気持ちをそのまま飴に込めたんダ。」
アイシェ「ありがとう、マホロア。」
マホロア「どういたしましテ。」
アイシェ「ふふっ、マホロアもどうぞ。」
そう言ってアイシェは飴をマホロアの口に入れてくれた。
マホロア「ありがトウ、アイシェ…フフッ、美味しいヨォ。このりんごの飴、味にも意味があるんダ。」
アイシェ「どんな意味があるの?」
マホロア「りんごの飴はネ…「運命の相手」っテいう意味があるんダッテ。」
そう言うと、アイシェの頬は真っ赤に染まり…嬉しそうに笑う。
アイシェ「嬉しい…私がマホロアの運命の相手になれたんだもの。」
マホロア「フフッ、ボクも嬉しいヨ…ボクがアイシェの運命の相手になれたんダモン。」
アイシェ「ふふっ…幸せ。」
マホロア「ボクも幸せダヨ。」
2人は飴を舐めながら寄り添い、穏やかで幸せな時間が流れた。
しばらくして…飴を舐め終えるとマホロアがアイシェをぎゅっと抱きしめた。
アイシェ「マホロア…温かい。」
トクン…トクン…規則正しい鼓動が聞こえてきて、アイシェに安心感を与えてくれる。
マホロア「アイシェも温かいヨォ。」
そう言うと、マホロアはアイシェをそっと押し倒して…少し強めのキスをした。
アイシェ「ん…マホロア…。」
マホロア「飴ダケジャナイ…ボク自身カラも、気持ちを受け取っテ…アイシェ。」
耳元で囁くと、マホロアはアイシェの頬に唇を這わせて…
アイシェ「いっぱい…いっぱい欲しい…。」
マホロア「ウン…いっぱいアゲルヨォ…。」
ぎゅっ…抱きしめるアイシェを抱き上げて、マホロアは自分の部屋に向かった。
そしてベッドに下ろすと再び優しく押し倒して、首筋に顔を埋めながらゆっくりとボタンを外していく…
アイシェ「マホロア、愛してる…ずっとこうしてて…。」
マホロア「アイシェ…ボクも愛してるヨ、ずっとこうしテル…絶対に離さナイ…。」
お互いに愛おしさが溢れてくるのを感じながら、アイシェは頬を真っ赤に染めながら青い瞳をそっと閉じ…マホロアも黄色い瞳を閉じながらアイシェに顔を近づけて、深く口づけた。
To be continued…