自分の元に来た事に驚きを隠せないアイシェだが、杖はより一層輝いている…
タランザ「もしかして、アイシェの願いを叶えてくれたりするのね…?」
アイシェ「私の願い…?」
タランザ「例えば、マホロア達を守ってくれる…とか?」
そんな話をしていると…頭上から不思議な声が聞こえて来た。
ここはドリーム神殿、それは「ドリームロッド」今まで出会ってきた人々が、力を貸してくれるでしょう…
アイシェ「今の声は…このドリームロッドから…?」
タランザ「今まで出会ってきた人々が力を貸してくれるって言ってたのね…。」
アイシェ「それなら…!」
アイシェは願った…マホロアの、カービィ達の助けになってくれる人達の事を…これまで出会った大切な人達の事を…
するとドリームロッドは輝き出して、眩い光と共に姿を現したのは…
マルク「ふーん、このディスクの映像も良さそうなのサ…キシシ、家に帰ってからじっくりと楽しませて貰うのサ……ってあれ?」
アイシェ「ま…マルク…!」
舌舐めずりをしながら2人の目の前に現れたのはマルクで、その手には卑猥なタイトルのディスクがあり…アイシェは頬を真っ赤に染めてしまった。
マルク「えっ…ちょっ…な、何なのサ!?どうしてアイシェとタランザがここに居るのサ!?というか、ここはどこなのサ!」
色々と混乱するマルクは慌ててディスクを後ろに隠したが、時既に遅く…
アイシェ「マルク…お散歩って…。」
タランザ「……………。」
困惑するアイシェと、今までに無いくらい冷めた目を向けるタランザに、マルクは慌てていて…
マルク「ご、誤解なのサ!てかタランザ、そんな目でボクを見るんじゃないのサ!」
タランザ「なら、どんな目で見ればいいのね。」
マルク「そ…それは…!」
完全にジト目を向けるタランザに、マルクは言葉に詰まってしまうが…アイシェはまだ困惑しつつも口を開いた。
アイシェ「マルク、ポップスターが侵略されちゃったの…!」
マルク「はぁ!?ボクが散歩に行ってる間に何が起きたのサ?」
驚いたマルクは紫の瞳を小さくして、アイシェの肩を鉤爪で痛くない程度に掴んだ。
アイシェ「あの後に…!」
そう言うと、アイシェはマルクにも状況を説明した。
マルク「それでマホロアはカービィ達と一緒に行ったんだな。」
アイシェ「うん。」
マルク「で、この杖の力でボクを呼んだんだな?」
アイシェ「うん…ドリームロッドって言うみたいなんだけど、今まで出会ってきた人々が力を貸してくれるって…。」
マルク「なるほどな…それでボクが呼ばれたのか。」
アイシェ「お願いマルク、カービィ達を助けて…!」
マルク「しょーがねーな、このマルク様が特別に力を貸してやるのサ!」
アイシェ「ありがとう、マルク!」
そう言ってキシシと笑うマルクに、アイシェも笑顔になるが…
カシャン…さっきのディスクが足下に落ちて、再び気まずい雰囲気が漂う…。
マルク「ゴホンッ!と、とにかく…さっさと行くのサ!」
咳払いをしてサッと拾い上げて帽子の中にしまうと、マルクは頬を真っ赤に染めつつもさっさと外に出て行ってしまった。
タランザ「…まぁ、実力はあるし役には立つのね。」
アイシェ「うん。」
マルクを追ってアイシェとタランザも出て行き、3人を乗せたローアはデデデ城へ向かってゆっくりと飛んで行った一方で、カービィ達はお城の奥へと辿り着いていた。
ワドルディ達が忙しなく運んでいるのを追いかけて行くと、奥で山積みになった食べ物にがっつくデデデ大王の姿が…
カービィ「デデデ!」
デデデは振り返って口元を拭っているが、その瞳は紫になっていて…ハンマーを手に襲いかかって来た!
マホロア「チョット気が引けるケド…ウィスピーの時と同じ様にすれバ正気に戻るハズダヨォ!」
バンワド「ごめんなさい…大王様!」
謝りつつもバンワドは主に槍を向け、デデデの強力なハンマー攻撃やジャンプをかわしつつ、カービィとマホロアも攻撃をしていくと…
デデデ「ぐぐぐ…ぐわあぁぁーーーーーーーーーーー!!」
ぐぐぐっと力を入れると禍々しいオーラがデデデを纏い…ガウンの両腕と胸元の生地が破れて普段のぽってりボディから一転、ムキムキマッチョな腕と胸元が露わになった!
カービィ「デデデ!?」
バンワド「そ…そんな…大王様がマッチョに!?」
マホロア「ウワアァァーーー夢に出そうダヨォ!」
操られているとはいえ、突然の風貌の変化に3人は青ざめていて…一方のデデデはお構いなしに強力な両腕の攻撃やジャンプ、床を壊すと下の階に移動して柱に捕まってグルグル回ってみたり、食べ物を纏めて掴んで投げてきたりと暴君そのものとなっている…
3人は戸惑いつつも応戦し…デデデが床に拳を叩き付けた時に床に嵌まって動けなくなっている隙に、一気に攻撃を叩き込んだ!
デデデ「ぐっ…うわあぁぁ!!」
反動で壁に叩き付けられたデデデは、床に落ちてそのままうつ伏せに倒れて禍々しい煙と共に元の姿に戻り…ウィスピーの時と同じく闇のハートが彼の体から飛び出してきた。
カービィ「デデデ、もう大丈夫だからね。」
そう言ってカービィがフレンズハートを投げると、デデデはゆっくりと起き上がってその場に座った。
デデデ「うっ…痛ててて…何が起きたんだ…?」
バンワド「大王様!」
デデデ「バンワド……お前無事だったんだな…!」
バンワド「大王様、ボク達はあの怪しい光やハートによって操られてたみたいです。」
デデデ「そうだ…あのハートを見たら体が動かなくなって…そこから意識が無ぇ…。」
マホロア「やっぱりあのハートや光が原因みたいダネ。」
カービィ「うん。」
デデデ「何はともあれ助かったぜ…ありがとな。」
元に戻ったデデデを見て安堵するカービィ達だったが…
闇のハートはウィスピーの時と同じく、禍々しい煙の様なオーラを出しながら飛んで行ってしまった。
バンワド「ハートがまた飛んで行っちゃった!」
カービィ「追いかけよう、他にも操られている人達が居ると思うんだ…助けないと!」
マホロア「……そうダネ。」
何故か突然とても嫌な予感に襲われて…はっきりとした理由はマホロア自身にも分からないが、今すぐアイシェに会いたいと強く思った。
To be continued…