カービィ達は長い階段を下り、立ち塞がる敵達を蹴散らしながら進んで行く。
同じ頃…アイシェの部屋に再びビートが訪れたが…別の人物も共に入って来た。
アイシェ「ビート…この人は…?」
パルル「わたしは三魔官の長、ザン・パルルティザーヌだ。」
ビート「パルルテ…チーズ様はこの要塞に電力を送り動かしておられる御方、ですがアイシェ…貴女に会いたいとの事でお連れしました。」
パルル「…パルルティザーヌだ。」
ビート「あっ!も、申し訳ありません…パルル…ティ…えっと…」
アイシェ「…あの…ザン・パルルティザーヌ、どうして私に…?」
全く名前を覚えて貰えてない様子に困惑しつつもアイシェが聞くと、ザン・パルルティザーヌは驚いた顔をした。
パルル「驚いた…わたしの名前を覚えてくれる者が居るとはな…!」
アイシェ「えっ…?」
パルル「わたしは名前が長い故、我が主にすら覚えて貰えないのだ…。」
アイシェ「えぇ…そんな…。」
パルル「とにかく、わたしはお前と話がしたくてな。」
アイシェ「私と話を…?」
パルル「キッスが気に入ってルージュと共に連れて来た様だが…勝手な真似をしてすまなかった。」
アイシェ「それじゃあ…私を帰してくれるの…?」
パルル「それは出来ぬ相談だな…我が主からお前を捕らえておく様に命を受けている。それに、この要塞に侵入者が居るのだ。」
アイシェ「そんな…。」
パルル「どうやらお前の仲間の様だが…こちらにも譲れぬ物がある、それは理解して貰おう。」
それだけ言うとザン・パルルティザーヌはビートと共に部屋を出て行った。
ポケットから通信機を取り出したアイシェは、マホロアと連絡が取れないか試みたが…
アイシェ「……ダメ…繋がらない…。」
全く繋がる気配は無く、アイシェはそのまま項垂れた。
一方ザン・パルルティザーヌは持ち場に戻ったが、アイシェの悲しげな顔が頭から離れなかった…
パルル「(あの少女の悲しげな顔…心が締めつけられる…何故だ…?)」
そう考えていたザン・パルルティザーヌだが…段々と近づいて来る気配に気づき、手元にあるジャマハートを手に玉座に座ると…程無くしてカービィ達が現れた!
カービィ「ここは一体…?」
すると、ザン・パルルティザーヌはジャマハートを手に高速で近寄ると…そのまま浮き上がって、両手をクロスさせつつお辞儀をした。
パルル「ジャマハローア。わたしの名は三魔官が長、ザン・パルルティザーヌ…。」
マホロア「アイシェはドコに居ル!」
デデデ「今度こそ、力ずくでもアイシェを返して貰うぜ!」
パルル「アイシェ…キッスとルージュが連れてきたあの娘だな。彼女はこの要塞の部屋に居るが…すぐに返す訳にはいかぬ。」
メタナイト「何だと…?」
パルル「この天恵の間に辿り着くとは…只の俗物と見ていたが、中々の手練れの様だ。しかし、その快進撃もここまで…我らが偉大なる主「魔神官ハイネス様」の御意志に従い…この雷牙の三魔官、ザン・パルルティザーヌが今ここで、粛正してくれよう!」
そう言って、ザン・パルルティザーヌが手をかざすと…バチバチと音を立てて電流を纏いながら、大きな槍が現れた!
ザン・パルルティザーヌは他の2人とは比べ物にならない速さで移動し、素早く槍で薙ぎ払ったり、地面に突き刺して周りに小さな電気のバリアを発生させてくる。
カービィ「すごく速い…それに、どれも強力な攻撃ばかり…!」
メタナイト「気をつけろ、今までの敵とは違うぞ!」
デデデ「くそっ…動きが速くて当たらねぇ!」
マホロア「グッ…!」
苦戦するカービィ達に対して、ザン・パルルティザーヌはどんどん攻撃をして追い詰めてくる…
パルル「これで終わりだ!」
そう言うと、突如背後から3つの太鼓が付いた大きな装飾を背負いだし…そこから大量の電気の塊を投げてきた!
マホロア「リフバリア!」
すかさずマホロアがカービィ達の前に大きなリフバリアを貼って防いだが、既に体力も魔力も限界を迎えている…
何とか突破する方法を…そう考えていると、カービィの近くを水の敵「プルアンナ」が通り過ぎ…
カービィ「あれだ!」
何かを閃いた様子のカービィは、そのままプルアンナを吸い込んで「ウォーター」をコピーした!
そしてマホロアのリフバリアが割れた瞬間に、スライディングでザン・パルルティザーヌの下に滑り込み…そのまま技「間欠泉」を出した!
すると…水を通じてザン・パルルティザーヌの雷が彼女の体を襲った!
パルル「あぁぁぁぁっ…!!」
メタナイト「そうか、水を当てた事で相手を感電させたのだな!」
マホロア「ナイスダヨ、カービィ!」
感電したザン・パルルティザーヌはそのまま痺れていて…
デデデ「よし、反撃と行くぜ!」
マホロアのキルニードル、メタナイトのシャトルループ、デデデのジャイアントデデデスイングがそれぞれ当たり…
カービィ「これで最後だよ!」
止めの一撃、カービィのレインボーレインが炸裂した!
パルル「あぁぁぁぁーーーーーーーーー!!」
攻撃を受けたザン・パルルティザーヌはジャマハートを手放して地面に落ち、ジャマハートは再び浮かび上がった…
カービィ「今度こそ!」
そう言ってカービィが壊そうとすると、ザン・パルルティザーヌが起き上がった!
パルル「うぅ……ジャ…マッデム………!クッ…こんな辺境の星にこれ程の手練れが…!」
そう言うと、素早く浮き上がってジャマハートを奪い取った!
メタナイト「しまった!」
パルル「しかし、既にジャマハートはこの手に。ずんぐりピンクとその仲間達よ…このジャマハルダもろとも…朽ち果てるが良い!」
デデデ「おい、何をする気だ!」
パルル「ここはもう用済みだ、我々はこのジャマハートと…アイシェを連れて行く!」
カービィ「アイシェを!?」
マホロア「ソンナコト…させるカヨォッ!!」
そう言うとマホロアはレボリューションボウルを放ったが、素早くかわすとそのままジャマハルダの動力源に槍を突き刺してしまった!
パルル「アーッハッハッハッハッハッハ!!」
メタナイト「この揺れは…!?」
パルル「ジャマサラーバァ!!」
カービィ達を残して、ザン・パルルティザーヌは飛び去ってしまい…
デデデ「まずい、このままじゃ崩れるぞ!」
マホロア「アイシェ…!!」
カービィ「まずはここから脱出しよう!」
メタナイト「こっちだ!」
そう言ってメタナイトが指差した方向を見ると、あの不思議な台座が置いてあって…4人で「フレンズ転がり」を発動して来た道を戻りつつ脱出を始めた!
To be continued…