小説「星夢煌めくPomme d’amour」(スタアラ編)~アナザーディメンションヒーローズ~

タランザ「ハイネスの影響が残ってる?」

マホロア「可能性とシテはそれしかナイヨ。」

マルク「けどあいつら、どこに行ったか分からないのサ。」

タランザ「あの時エンデ・ニルから吐き出された時に何処かへ飛んで行ってしまったのね…。」

マホロア「ウン、ダカラ魔術デ居場所を探っタラ…大魔星マジュハルガロアに戻ってるノを確認したヨ。」

マルク「ジャマハートも無いし、もう何も出来ないと思うけどな。」

マホロア「少なくとも悪事は働けナイダロウネ、ケドこのままアイシェが眠っチャウのは元に戻して貰わないト。」

タランザ「つまり…ハイネスの所にアイシェを連れていくのね?」

マホロア「ウン。」

マルク「ボクも一緒に行くのサ。」

タランザ「ボクも行くのね、万が一が起きないとも限らないし。」

マホロア「ありがトウ2人共、モウ夜ダカラ明日の朝になっタラ、カービィ達にも話しテ出発しヨウ。」

タランザ「分かったのね。」

マルク「待ってるのサ、アイシェ。」

そう言ってマルクは、マホロアの腕の中で眠り続けるアイシェの頭を優しく撫でた。

その夜…アイシェは夢を見ていた。

ハイネスがジャマハートの消えた祭壇で、平和を祈り続けていると…その影響でアナザーディメンションへの穴が複数出現し、ハイネスは吸い込まれてしまった…

すると今度は、三魔官がハイネスを探し回る姿が見えて…3人共、特にザン・パルルティザーヌは悲痛な表情を浮かべている…。

そこで夢は途切れ…次に目が覚めた時は朝で、ちょうどマホロア達がカービィの家に行く為に準備をしている所だった。

アイシェ「マホロア…。」

マホロア「アイシェ?」

マルク「目が覚めたのサ?」

アイシェ「夢…見たの…パルル達と…ハイネスの夢…。」

相変わらず強い眠気に襲われつつ、夢の内容をマホロア達に話すと…アイシェは再び眠ってしまった。

タランザ「アイシェが見たのは、もしかして予知夢なのね?」

マホロア「可能性は高いネ。」

マルク「どうするのサ、マホロア?」

マホロア「それデモ、ボク達は行かなきゃいけないんダ…アイシェの為にもネ。」

彼の言葉にタランザとマルクも頷き、決意を新たにマホロア達はカービィの元へ向かって事情を話した。

カービィ「マホロア、ぼくも一緒に行くよ。」

マホロア「カービィ…!」

カービィ「もしそれが予知夢だとしたら、ハイネスを助けなきゃでしょ?アイシェの為に、ぼくも出来る事をしたいんだ。」

タランザ「その方が助かるのね。」

マルク「悪い話じゃないと思うのサ、マホロア。」

マホロア「ウン、お願いカービィ。」

カービィ「任せて!」

トンッと胸を叩くカービィに、マホロア達も安堵の笑みを浮かべ…

その後デデデ達にも事情を説明した上で、彼等には念の為ポップスターに残って貰う事にした。

デデデ「気をつけて行って来い、そしてアイシェと一緒に無事に帰ってくるんだぞ。」

バンワド「みんなの無事を祈ってるよ。」

メタナイト「何かあればすぐに駆けつけよう、決して無理はするな。」

カービィ「うん、ありがとうみんな。」

マホロア「行って来るヨ。」

デデデ達に見送られながらマホロア達はローアに乗り、大魔星マジュハルガロアへと飛び立った。

しばらくして到着し、ローアは祭壇の場所にゆっくりと降りて…アイシェを抱き抱えたマホロア達が出てきた。

カービィ「マホロア、これは…!」

マホロア「ディメンションホール…やっぱりアイシェが見たのハ予知夢だったんダネ…!」

すると…眠っていたアイシェがゆっくりと目を覚ました。

アイシェ「ん…パル…ル…。」

マルク「アイシェ、どうしたのサ?」

アイシェ「呼んでる…パルルが…ハイネスを捜してるの…。」

タランザ「また夢を見たのね?」

アイシェ「ううん…夢じゃ無くて…聞こえるの…。」

マルク「聞こえる?ボク達には何も聞こえて無いのサ、それにアイツ等も居ないぜ。」

アイシェ「でも…聞こえるの…キッスとルージュも…一緒に捜してる…。」

タランザ「どういう事なのね…?」

カービィ「もしかして、アイシェの魔力が反応してる…?」

マホロア「可能性はあるネ、アナザーディメンションの中でアイツ等も捜しなガラ彷徨ってて、それをアイシェの魔力が感知してるのカモ。」

カービィ「マホロア、ぼく行ってくるよ。」

マルク「ならボクが一緒に行くから、タランザとマホロアで結界を張ってアイシェを守ってるのサ。」

カービィ「ううん、ぼく1人で行ってくるよ。」

そう提案したマルクだったが、カービィは1人で行くと言い出して…マホロア達は驚いた顔をした。

マホロア「カービィ、いくらキミが強いとは言え危険ダヨ!」

カービィ「大丈夫、ぼくを信じて待ってて欲しいんだ。」

そう話すカービィの青い瞳はいつもの様にキラキラ輝いていて…マホロア達を不思議と安心させてくれる。

マホロア「分かっタ…デモ、絶対に無理しないと約束シテ。」

カービィ「うん、約束するよ。」

すると…カービィの目の前に優しい光が現れて…ドリームステッキが姿を現した!

タランザ「ドリームステッキ!」

マルク「フレンズハートと一緒に消えたはずじゃ…どうしてまた現れたのサ?」

カービィ「理由は分かんないけど、ドリームステッキ…また力を貸してくれるんだね。」

嬉しそうにニコッと笑いながらカービィが両手をそっと差し出すと、ドリームステッキはカービィの手の中に収まった。

アイシェ「カービィ…。」

カービィ「アイシェ、待っててね。」

アイシェ「うん…気をつけてね…。」

相変わらず眠そうなアイシェだが、そっと手を伸ばしてカービィとぎゅっと握り合った。

マホロア「何かあっタラ、すぐにそのドリームステッキで呼んでネ。ソレとカービィ、コレを貸しておくヨ。」

そう言うと、マホロアは自分の通信機チャームをカービィに渡した。

カービィ「マホロア、これは…!」

マホロア「今のマジュハルガロアには結界が無いカラ、アナザーディメンションでもきっと連絡ハ出来ると思うヨ。」

カービィ「ありがとうマホロア……それじゃあみんな、行って来るよ!」

タランザ「行ってらっしゃいなのね!」

マルク「頑張るのサ!」

マホロア「待ってるヨ、カービィ!」

こうして…マホロア達に見送られながら、カービィはアナザーディメンションへと吸い込まれて行った。

To be continued…