小説「星夢煌めくPomme d’amour」(スタアラ編)~慈愛のハートは奇跡を起こす~

パルル「これで終わりだ…覚悟っ!!」

そう言って止めを刺そうとした三魔官シスターズだが…

パアァァァ…

暖かい光が降りて来て、4人の体を包み込んだ。

メタナイト「この光…まさかアイシェ…!」

デデデ「いや…アイシェ以外にも感じる…!」

バンワド「これは…マホロア達の力…?」

カービィ「うん…感じる、アイシェとマホロア…マルク…タランザの力を…!」

すると、光を通じて声が聞こえて来た

マホロア『ミンナ、ボク達の力を送るヨ。』

マルク『さっさとブッ倒してちょーよ。』

タランザ『絶対に勝てる、そう信じてるのね。』

アイシェ『みんな…3人はジャマハートの影響を受けてる……お願い…パルル達を助けて…。』

バンワド「ありがとうマホロア、マルク、タランザ、アイシェ!」

メタナイト「アイシェ、其方の優しさは誰にも敵わない、強い輝きと無敵の強さを持つ光だ!」

デデデ「俺様達は諦めない、負ける訳にはいかねぇんだ!」

カービィ「任せて、必ず助けるからね!」

光が消えると、4人の傷は癒えていて…力が湧きあがるのを感じる

パルル「何…!?」

カービィ「行くよ!」

バンワド「うん!」

デデデ「おう、任せとけ!」

メタナイト「この戦いを終わらせよう!」

4人は再び立ち上がり、三魔官達に立ち向かった!

三魔官達は再び息の合った激しい攻撃をしてきたが…

ガキンッ!!

フラン・キッスの氷の斧をメタナイトのギャラクシアが受け止める

キッス「何ですって…!?」

メタナイト「我々にも守るべき大切な者達が居る、ここで倒れる訳にはいかぬのだ!」

グググ…と斧を押し返し、そのまま振り払うと…

デデデ「喰らえっ!」

ハンマーを振りながらデデデが飛び込んできて…フラン・キッスを吹っ飛ばす!

キッス「きゃあっ!」

ルージュ「キッスちゃん!!」

バンワド「今だっ!」

フラン・ルージュが気を取られた一瞬の隙に、バンワドは彼女の剣を槍で振り払い…

カービィ「たあぁーーーっ!」

ルージュ「あぁぁぁぁぁっ!」

カービィの攻撃を受けたフラン・ルージュも大ダメージを受け…

パルル「キッス、ルージュ!おのれ…よくも!!」

怒ったザン・パルルティザーヌはより強力になった「カミナリオコシ・オンド」を放ったが…

メタナイト「今こそ、あの技を使う時だ!」

デデデ「よし、一気に決めるぞ!」

バンワド「行くよ、カービィ!」

カービィ「うん!」

4人は一緒に力を溜めて…

必殺技「せーのでドン!」が放たれた!!

色とりどりの星を纏いながら、大きな強い光線がザン・パルルティザーヌの雷を打ち消し…三魔官シスターズを直撃した!

3人「あぁぁぁーーーーーぁ!!」

正面から攻撃を受けた3人は、悲鳴を上げながらその場に倒れた。

すると…これまで集めて来たフレンズハートがカービィの頭上に集まり、巨大なフレンズハートになった!

バンワド「フレンズハート!」

メタナイト「とても暖かい力を感じる…今ならきっと、三魔官シスターズも元に戻せるのでは無いだろうか?」

デデデ「物は試しだ、やってみようぜカービィ。」

カービィ「うん!」

ゆっくりと頷いて巨大なフレンズハートを投げると、小さなハートを溢れさせながら三魔官シスターズに向かっていき…3人の体が浮き上がるとそのまま暖かい光が包みこみ、元の姿に戻った。

パルル「ん………わたし達…元の姿に戻ったのか…?」

キッス「えぇ…どうやらその様ですわね…。」

ルージュ「ずんぐりピンク………いや、星のカービィ…オマエがアタシ達を…?」

カービィ「うん、それだけじゃない…アイシェもキミ達を救ったんだよ。」

そう言ってニコッと笑うカービィに、3人は目をぱちぱちさせていたが…

ルージュ「確かに暖かい力を感じた瞬間、微かにアイシェの声が聞こえたわ。」

キッス「ワタクシも聞こえました…どうやら全員聞こえてたみたいですね。」

パルル「アイシェ…わたし達の事をそこまで…。」

両手を見つめるパルルの心はポカポカと暖かくて…その脳裏には、アイシェの顔が浮かんだ。

すると…ハッとしたルージュが倒れて居るハイネスを見たが…

ルージュ「…ハイネス様は元に戻ってないのね…。」

キッス「…ハイネス様…。」

パルル「…きっと大丈夫だ…時間はかかるだろうが、いつか必ずハイネス様も…。」

3人は顔を見合わせ、カービィ達に背を向けると手を合わせて祈り始めた

すると…眩い光が辺りを照らし、地面からキラキラと明るくなり…

禍々しかった空間は暗雲が少しずつ晴れ、雲の隙間から光が差していて…

上空から小さな星を散らしながら、ワープスターが降りて来た。

カービィ「ワープスター!」

パルル「行け、星のカービィ。」

カービィ「でも…ハイネスを元に戻さないと、アイシェはずっと眠ったままに…!」

背を向けたまま話すザン・パルルティザーヌに、カービィは困った様子で話すが…ゆっくりとフラン・キッスとフラン・ルージュが振り返った。

キッス「アイシェに何かあったんですの…?」

バンワド「ハイネスの魔力の影響が残っているかもしれなくて、ほとんど眠ってるんだ…!」

メタナイト「我々はアイシェを救う為にここまで来たのだ、ハイネスに治して貰わねば解決出来ない。」

ルージュ「ハイネス様は、あの様子だといつ目を覚ますか分からないわ……けど、アタシ達もハイネス様から魔力を授かった者、アイシェを看てみるわ。」

デデデ「お前らでアイシェを治せるのか?」

すると…今度は背を向けたまま、ザン・パルルティザーヌが口を開き…

パルル「我々の力を合わせ、精一杯アイシェを治す努力をすると約束しよう…先に祭壇で待っていろ、ハイネス様を連れてすぐに向かう。」

メタナイト「その言葉、偽りは無いのだな?」

ギャラクシアの剣先を向けるメタナイトだが、ザン・パルルティザーヌは微動だにせず…

パルル「アイシェはわたし達にとっても大切な存在だ…必ず約束は守る。」

メタナイト「……分かった。」

背中を通じて彼女の意志を感じ取ったメタナイトはギャラクシアを収めた。

カービィ「それじゃあ…待ってるよ!」

4人はワープスターに乗ると、カービィは手を振りながら飛んで行き…フラン・キッスは静かに、フラン・ルージュは大きく手を振り返し、ザン・パルルティザーヌは俯いていたが…

カービィ達が飛び去った後に振ってきた、とても小さいフレンズハートがゆっくりとハイネスの元に落ちていき…

たくさんの小さなハートを散らしながら、彼の体に消えて行った

すると…空から光が差し込んでハイネスの体を照らし…それと同時に闇の様に黒かった体や衣装は元に戻り…

ハイネス「ンン……ここはぁ……ワタシは何を…ぉ……?」

ゆっくりと顔を上げたハイネスが、耳を小さく揺らしながら辺りをキョロキョロしていて…

ルージュ「は…ハイネス様っ!!」

キッス「ハイネス様…!!」

驚いたフラン・ルージュとフラン・キッスがハイネスの元に駆け寄り…

ハイネス「ン……ルージュにキッス…どうしたんですかぁ…?」

相変わらず状況が飲み込めないハイネスはキョロキョロしているが…2人はポロポロと涙を流していて…

その場に立ち尽くしていたザン・パルルティザーヌも…

パルル「ハイネス…様…ハイネス様ぁっ!!

泣きながらハイネスの元へ駆け寄った。

ハイネス「…どうやらぁ…ワタシはジャマハートの力に吞まれてしまったみたいですねぇ…。」

その後…ハイネスは3人からこれまでの状況とアイシェの事を聞いた。

一方、祭壇では…

マホロア「そんなコトが…それにしテモあの3人組、ホントに治せるのカナァ…。」

カービィ「とにかく、今はあの3人を信じるしかないよ。」

3人の帰還を今か今かと待ちわびるカービィ達…

すると…ハイネスと共に三魔官シスターズが戻って来た!

To be continued…