笑顔を見せたアイシェに対し、グリルはフンと鼻で笑う。
グリル「何の準備が出来たの?」
余裕の表情のグリルに対し、アイシェは笑顔のまま口を開き…
アイシェ「連鎖の準備だよ。」
そう言うと…グリルのブロックが下からズンッ!とブロックが突き上がった!
グリル「…えっ?」
アイシェ「ブロックをたくさん積んで準備してたから、時間かかっちゃったけど…これからいっぱい連鎖してくよ!」
グリルが恐る恐る後ろを振り向くと…
その言葉通り、ブロックは次々と突き上がり…どんどん天井へと迫る!
カービィ「アイシェ、すごい!」
バンワド「グリルの連鎖にも負けず、コツコツとブロックを積んで一気に連鎖に繋いだんだ!」
マホロア「………………!!」
いつも可愛く優しい…自分やみんなから守られていたアイシェが、今は自分達を守る為に戦っていて…
彼女が真剣な表情でブロックを積み、連鎖を重ねて逆転している…その姿がとても強く美しく…今までとはまた違うアイシェの一面に、マホロアは頬を赤く染めて見惚れていた。
一方、余裕だったグリルは次々と付き上がるブロックを大慌てで消していくが、連鎖は止まらず次々と続いていて間に合わない
グリル「ちょっ…待って待って!追いつけないぃ…!!」
焦りつつもブロックを消し、漸く連鎖が終わりホッとしたグリルだったが…
アイシェ「グリル、また連鎖するよ!」
その言葉の直後…再びグリルのブロックは勢いよく突き上がり…
ガラガラガラッ!!
大きな音を立てて、グリルのブロックは崩壊した!
グリルのホウキは折れ、周りにはお供達と共にブロックが散乱していて…
グリル「うぅ…すごく強いんだね…もう降参だよぉ…!」
観念したグリルは、魔法の結界を解除した。
カービィ「おめでとうアイシェ!」
バンワド「やったね!」
アイシェ「ありがとうカービィ、バンワドくん!」
そう言うと、アイシェはマホロアの元に駆け寄った。
マホロア「アイシェ…ありがトウ。」
魔力の戻ったマホロアはゆっくりと起き上がり、アイシェをぎゅっと抱きしめ…
アイシェ「ふふっ、どういたしまして。」
頬を赤く染めて嬉しそうに笑いながら、アイシェはマホロアを抱き返した。
すると…
タランザ「みんな!」
遠くからタランザ、メタナイト、デデデが走ってきた。
カービィ「あれ、みんなどうしたの?」
デデデ「グリルが来たって聞いてな…急いで来たんだ。」
メタナイト「それに…この者が何やら怪しい動きをしていたからな。」
そう言うと、メタナイトはマントをバサッと翻し、タランザが蜘蛛の糸を引っ張ると…
マルク「ちょっ…乱暴は良くないのサ!」
糸で拘束されたマルクが姿を現した!
アイシェ「マルク!?」
バンワド「どうしてこんな事に?」
タランザ「アイシェの様子を見に降りて来たら大王様達と出会って、事情を聞いて向かってる途中で見つけたのね。」
メタナイト「何やらコソコソしていてな、事情を聞いても歯切れが悪く、逃げようとしていたから捕まえたのだ。」
マルク「何にも企んでねーのサ!」
そう言って悪態を吐くマルクだったが…
グリル「マルクちん!」
マルク「ゲッ…グリル!!」
グリルを見たマルクはギョッとして、両者には気まずい空気が流れ…
マホロア「オイ、クソピエロ!テメーコイツと何シテたんダヨォ!!」
タランザ「この前の件も含めて、何か知ってるんでしょ!早く本当の事を言うのね!!」
アイシェ「えっ…この前の件?」
カービィ「どういう事、マルク?」
バンワド「もしかして…あの不可解な件は、マルクが関係してたの?」
マルク「ボクはホントに何もしてねーのサ!ただプレゼントのリボンの話を聞いた時に……その色をチョイスするのはコイツだなって思って、面倒な事になる前に逃げてたのサ…。」
マホロア「やっぱりテメーが原因ジャネーカ!!」
ボンボンと湯気を出し、黄色い瞳をつり上げて激怒するマホロアに対し、マルクはバツが悪そうな顔をしている…。
マルク「そもそもアイシェに嫌がらせをしてたのはグリルだろ…お前、何でこんな事したのサ?」
チラッと見ながらそう聞くと、俯いたまま口を開き…
グリル「だって……マルクちん、あの子の話ばっかりで………悔しかったの!!ボクちんと一緒に居てもずっとアイシェの事を話してるから…!」
そう話すグリルの目には涙が溜まり、手で拭ってもすぐに溜まってきてしまう
マルク「だからあんな事したのサ…?」
グリル「…クッキー作りで、塩にすり替えたのも…爆弾入りプレゼントを贈ったのも…魔法で変身してマルクちんを騙したのもボクちんだよ…。」
マルク「(あんな子供騙しにかかるとか…ボクらしくないのサ…。)」
バツの悪いマルクは、頬を少し赤く染めてフイッとそっぽを向いてしまった。
デデデ「…要するに、マルクに構って欲しかったんだな?」
グリル「いつもボクちんとイタズラや星の話で盛り上がってたのに、急にアイシェの話ばかりになるんだもん!」
マルク「なっ……!?」
グリル「アイシェが好きなのが伝わってきて……いくら恋人だからって惚気ばっかなんだもん!」
マルク「それは昔の話だし、アイシェは恋人じゃねーよ!………あーーもうボクが悪かったのサ!!」
半ばヤケクソな様子でマルクが謝ると、グリルは漸く泣き止んだ。
すると…アイシェがグリルの前に来て、そっと手を取った
アイシェ「私は、グリルとも友達になれたら嬉しいよ。」
グリル「えっ…?」
マホロア「アイシェ…!」
アイシェ「誰かを悲しませちゃうイタズラよりも、みんなでお食事したり遊んだ方が、とっても嬉しくて楽しいもの。」
そう言って優しい笑みを向けてくれるアイシェに、グリルは目をキラキラさせて…
グリル「本当に…いいの…?」
アイシェ「うん。」
グリル「…ありがとう、アイシェ…ちん…。」
そう言うと、そっとアイシェの手を握り返した。
メタナイト「無事に解決した様だな。」
マホロア「ソウだネェ…………ところデ、グリル?」
グリル「ん、何…?」
残っていた涙を拭いながら返事をしたグリルだったが…
マホロア「ブラボー、ブラボー、よくもアイシェに爆弾を送りツケテくれタネェ?その頭にしっかり叩き込んでヤルヨ、アイシェは「ボクの恋人」だってネッ!」
グリル「えぇっ!?」
タランザ「アイシェを危険な目に遭わせた事について、ボク達からきっっっちりとお仕置きしないとね?」
マホロアとタランザが黒い笑みを浮かべながら自分を見下ろしている。
グリル「え…えぇぇぇぇ…と……!!マルクちん……こういう時はどうしたら…?」
マルク「…………お前がやった事だろ、しっかり責任を取るのサ…。」
解放されたマルクは翼を出して、頭をポリポリ掻きつつ溜息を吐いていて…
グリル「そ…そんなぁ……!!」
青ざめるグリルだが、マホロアとタランザは瞳を弓形に細めて更に近づき…
アイシェ「や…やめて2人共…!」
彼女の制止も虚しく、その後は2人の魔術によってグリルはしっかりとお仕置きされたのだった。
グリル「うぅ…アイシェちん…本当にごめんなさい…!」
アイシェ「うん…もう大丈夫だよ…。」
反省したグリルはボロボロになりつつもアイシェに謝罪し、彼女は困った様子を見せつつも謝罪の言葉を受け入れた。
その後グリルはマホロアとタランザに若干の怯えを残しつつも帰って行き、騒動は収まったのだった。
To be continued…