元に戻るまでの数日間、共に生活する事になった3人
喧嘩しないと約束した2人だが…
まめみ「はい、今日の晩ごはんはこれだよ!」
そう言って2人の前に出されたのは、小さなハンバーグにポテト、盛られたライスに小さな旗がついた可愛らしいお子様ランチ…
2人「…………………。」
まめみ「どうしたの?」
タキ「まめみ…いくらこどものすがたとはいえ…さすがにこれはどうかと…。」
まめみ「えぇ~だって2人共すごく可愛いんだもん…それに子供の特権、お子様ランチは今しか食べられないよ?」
そう言ってニコニコしているまめみに、タキとツネの2人は深いため息を吐きつつ食べ始めた。
とは言うものの、やはりまめみの手作りのご飯は美味しくて…自然と手に持つスプーンは口に運ばれていく
しかしやはり腑に落ちない…すると、ツネの脳裏に先程のまめみの言葉が浮かんだ。
ツネ「(子供の特権…か…それなら…。)…まめみ…。」
まめみ「ん、どうしたのツっくん?」
ツネ「…ぼく、まめみにたべさせてほしいな。」
タキ「!?」
まめみ「えぇっ…!?」
ツネ「…だめ?」
そう言って小首を傾げながら上目遣いで聞いてくるツネ…その可愛らしい仕草と表情に、まめみはついキュンキュンしてしまう…
まめみ「ダメじゃないよ。ふふっ、甘えんぼさんだね…はい、あ~んして。」
ツネ「あ~ん……おいしい。」
まめみ「ふふっ、よかった。」
嬉しそうなまめみ、そしてツネをじっと見るタキ…そしてツネは彼と目が合った瞬間…
モグモグしながらドヤ顔でニヤッとしたのだった…。
タキ「(コイツ…!)…まめみ、おれもたべさせてほしい!」
まめみ「タキ君も?ふふっ…2人共急に甘えんぼさんになっちゃって…。」
そう言いつつも、まめみはニコニコしながら交互に2人に食べさせていったのだった…。
その後、晩ごはんを食べ終えてデザートになったが……
タキ「ツネのプリンのほうがちょっとおおきい!」
ツネ「そんなことないよ、いってることがかんぜんにこどもだな。」
タキ「なにを~!」
ツネ「ほんとのことだろ。」
ポカポカポカ!
まめみ「こらっ、2人共やめなさい!それに大きさは同じだよ、食べさせてあげるから喧嘩しないの。」
お互いに叩き合って喧嘩を始めた2人を止めたまめみは、そのまま再び2人に交互に食べさせたのだった。
タキ「ふぅ…おなかいっぱい…。」
ツネ「まめみのつくったプリン、あまくてすごくおいしかった。」
まめみ「ふふっ、よかった…明日のおやつの分もあるからね。さて、2人共シャワーを浴びなきゃね。」
2人「!?」
もしやまめみが一緒に入ってくれる!?そう思った2人はつい下心が見え隠れしてしまう…
しかし浴室に向かうと…
まめみ「はい、2人共脱いで。」
タキ「えっ!?」
ツネ「も…もしかしていっしょにはいるの!?」
まめみ「男の子同士だもん、何も問題ないでしょ?さ、脱いで脱いで。」
ツネ「うぅ…。」
渋々脱いで浴室に入って行ったツネだが…一方のタキは…
まめみ「タキ君も脱いで。」
タキ「う~っ!」
頬を真っ赤に染めて、既にすっぽんぽんになっている下半身を隠すように上に着ているパーカーの裾を掴んで下に下げて抵抗するタキの姿に、まめみは少し困ってしまった…。
まめみ「一緒に入るの嫌?」
タキ「…うん…はずかしいもん…。」
まめみ「そうなのね…それじゃあ、ツっくんが上がったら浴びようか。」
タキ「うん…。」
彼を優しくぎゅっと抱きしめて、まめみはツネの頭を洗った。
そして、ツネが上がった後はタキを洗い、2人はほかほかに温まった後にパジャマに着替えた。
すると、まめみが椅子から立ち上がり浴室へ向かって行く…
まめみ「それじゃあ、今度はあたしがお風呂に入ってくるね。喧嘩しちゃダメだよ。」
タキ「うん。」
ツネ「わかった。」
パタン…浴室前の扉が閉められ、シャッとカーテンの音が聞こえた。
じきにシャワーの音と共にまめみの鼻歌も聞こえてきて…
タキ「(まめみ、気持ちよさそう…はぁ…子供の体でもムラムラする…元の体だったなぁ…今頃…。)」
事情故におあずけを喰らっている事を内心嘆いているタキだったが、ふとみるとツネがふかふかの大きなタオルを持って浴室の方へ向かっている…
ツネ「よいしょっと…。」
タキ「ツネ、なにしてるの?」
ツネ「みればわかるだろう…まめみのからだをふくタオルをおいたんだよ。」
タキ「ツネ…まさかそれにびんじょうして…まめみのはだかを…!」
ツネ「そんなわけないだろ、きみじゃないんだから。」
タキ「なんだって!?」
ツネ「まちがってないだろ、このスケベが!」
タキ「このー!」
そう言ってタキはツネに掴みかかり、2人は再びお互いをポコポコ叩き始めた…
そして…そのまま揉み合いになり…ゴロンと転がり……
ガチャッ!
まめみ「えっ…?」
2人は揉み合った勢いで浴室に転がりこんでしまい…
目の前には裸でシャワーを浴びていたまめみが…
タキ「あ…あわわ…!」
ツネ「ち…ちがうのまめみ…これは…!」
慌てて言い訳をする2人だが…その視線はまめみの胸の膨らみや股にいってしまって…その頬は真っ赤に染まった…。
まめみ「た…タキ君…ツっくん…!」
対するまめみの頬も真っ赤に染まっていて…体はプルプルと震えていて……
タキ「つ、ツネがさきにきたからそれをとめようと…!」
ツネ「ぼくはタオルをもってきただけだよ!」
またしても言い争いをしてその場でポコポコと叩き合いを始めた2人に…
プチン…まめみはついに堪忍袋の緒が切れて…
まめみ「も~2人共、いい加減にしなさーい!!」
思いっきり怒られてしまったのだった…。
その後2人が謝って何とかまめみは機嫌を直し、寝る時間に…
ツネ「ふあぁ…。」
タキ「ねむい…。」
まめみ「2人共、歯はちゃんと磨いたからいつでも寝ていいよ。」
ツネ「ん…ぼくはもうねるよ…。」
タキ「おれも、みずをのんだらねる…。」
ツネ「おやすみ…。」
まめみ「おやすみ、ツっくん。」
挨拶をすると、ツネはまめみの部屋へ行った…まめみはまめおの部屋を借りて寝る事にしたので、彼に部屋を貸したのだ。
タキ「ふあぁ…おやすみ…まめみ…。」
まめみ「おやすみ、タキ君。」
タキは自分の部屋へ行って眠りにつき、まめみはリビングでお気に入りの雑誌を読みながらテレビを付けていた。
しかし…少しして、タキは震えながらまめみの元へ来た。
タキ「まめみ…。」
まめみ「どうしたの、タキ君?」
タキ「なんでかわからないけど…くらいのがすごくこわくかんじて…。」
まめみ「子供の姿になった影響かな、もう大丈夫だよ。」
そう言うと、まめみはタキを抱き上げた。
タキ「こんなんじゃ…まめみをまもれない…。」
いつもと変わらず優しい笑顔を向けてくれるまめみに対して、タキは安堵感に包まれると同時に…自分の小さな手の平を見つめてポツリ…ポツリと言葉を発した。
まめみ「あたし、いつもタキ君にたくさん守られてる…だから今はあたしがタキ君を守る番だよ。それに小さくなってもタキ君はあたしを一番に想ってくれてる…守ってくれてるよ。」
タキ「ほんとに…?」
まめみ「うん。」
タキ「まめみ…ありがとう、だいすき。」
まめみ「あたしも大好きだよ、タキ君。」
そう言うとお互いに優しく笑い合い、頬にキスをした。
タキ「おれ…いまはちいさいけど…かならずまめみをまもるから!」
まめみ「ふふっ…うん。」
ありがとう、あたしの小さな王子様。
今はかける事が出来ないタキのペンダント…リビングに飾られたタキとの写真の前にそれをかけてまめみはタキを優しく抱きしめ、2人はそのままタキの部屋へ向かい仲良く抱きしめ合いながら眠りについた。
To be continued…