小説「Aiming for the ground Octo」~地上と深海~

深海でツミ達がチャレンジを進める一方、地下のオクタリアン達は…

タコワサ『エン、解析の方はどうだ?』

エン『申し訳ありません…様々な手を使って解析を続けているのですが、あまりにも強い妨害がかかってエラーになってしまいます…。』

タコワサ『そうか…。』

エン『ですが…1つだけ判明したのは、攫われた先は恐らく『深海』です。』

タコワサ『深海だと!?』

エン『居なくなったポイント…そこから地下深く…行き着く先は海の中しかないんです…もしかしたら深海に何かがあるのかもしれませんが、それ以上は何とも…。』

タコワサ『そうか…とはいえ1つの可能性が見えただけでも大きい、引き続き解析を頼む。』

エン『はい。』

一方、地上では…

まめお「明後日帰って来るけど…本当に大丈夫か?」

まめみ「うん、ツっくんもいるし大丈夫だよ。」

まめお「逆にそれが心配なんだよ…。」

まめみ「どういう事?」

まめお「お前なぁ…ツネだって男だぞ?タキが居ないのをいい事に、お前に何かしないとも限んねぇだろ。」

まめみ「大丈夫だよ、ツっくんはそんな事しないもん。」

まめお「まめみ…お前本当にお気楽だな…まぁいい、とにかく変な事されねぇ様に気をつけろよ。」

そう言うと、まめおはスルメさんのお店に泊まりで手伝いに出かけて行った。

まめみ「もう、まめおったら大げさなんだから…。」

そう言いつつまめみは玄関の扉と鍵を閉めてリビングへ戻った。

タキがパトロールへ向かってから今日で4日、いまだに連絡は無い…

桃色の瞳は寂しげで…ソファに座りながら窓の外をボーッと見ていたが、やがて睡魔に襲われて眠ってしまった。

一方ツネは、借りているタキの部屋でエンと連絡を取っていた。

ツネ『深海、という事はざくろ達もそこに…。』

エン『可能性は高いですね…とにかくこの強い妨害を何とかしないといけません…。』

ツネ『エン、無理だけはしないでくれ…君にまで何かあったら僕は…。』

エン『ありがとうツネ、無理はしませんよ。』

その後も少し話した後に通話を終え、ツネがリビングへ向かうと…

まめみ「すぅ…すぅ…。」

ツネ「……………。」

規則正しい寝息を立てながら眠るまめみは無防備な姿で…ツネは何も言わずに優しく抱き上げて部屋まで運んだ。

その後優しくベッドに寝かせたが…

まめみ「んっ…ツっくん…?」

ツネ「あ、ごめん…起こしちゃったかな…。」

まめみ「ううん、大丈夫…。」

ツネ「まめみ、リビングで寝ちゃってたから…。」

まめみ「あ、そうだった…ここまで運んでくれたのね…ありがとうツっくん。」

ツネ「どういたしまして。」

穏やかな笑みを見せつつ、ツネはまめみの頭を優しく撫でた。

温かくて大きな手…その手つきも温もりも、どこかタキと似ていて…

まめみ「…………………。」

ツネ「…まめみ、寂しそう。」

まめみ「えっ…?」

ツネ「…ねぇ、まめみがよければ…今から少し一緒に出かけようか。」

まめみ「お出かけ…?」

ツネ「うん、体も安定したし…まめみと一緒に歩きたい。」

まめみ「うん、いいよ。」

ツネ「よかった、ありがとう。」

その後、2人は着替えて外に出て歩き始めた

何気ない会話をしながら街中を歩いていたが…ふと会話が途切れた時にまめみがツネを見上げると…

無表情で歩くツネの黄色の瞳は妖艶で…広い肩幅に細身でも程よく筋肉の付いた締まった体…長い足…まるでモデルの様な彼の姿に、周りのガール達は頬を赤らめながら振り返ったり見惚れていたり…尤もツネ自身はまめみ以外には全く目もくれていないが…

さりげなく自分の歩くペースに合わせてくれている辺りからも、彼の優しさが垣間見える

すると、ツネが自分の方を見て目が合って…

まめみ「…………!!」

何故かドキドキしてしまうまめみに対し、ツネは優しく笑って声をかけた

ツネ「手、繋ごうか?」

まめみ「え…あ…うん。」

優しく自分の手を取るツネの手は温かくて…まめみは安心感に包まれた。

その後は2人でスイーツを食べ歩いたりショッピングをしたりと充実した時間を過ごし…

帰りは晩ごはんの具材を買って家に帰った。

ツネ「あ、そういえば…まめおはどこへ行ったの?」

まめみ「まめおはスルメさんのお店のお手伝いで泊まりだよ、明後日帰って来るからね。」

ツネ「…そうなんだね。」

まめみと2人きり…内心喜んでしまう部分もあるツネだったが、その反面ざくろ達への心配の気持ちもあって…その心境は複雑だった…。

同じ頃…ツミは駅のチャレンジを進めていた。

テヘペー路駅も無事にクリアした後、どんどんチャレンジを進めて行き…「ナルヘ荘駅」へ辿り着いた。

ツミ「ここが4つのアレがある場所か…。」

イイダ『一応、周囲には気をつけて下さいね。』

ツミ「分かった。」

スプラシューターを手に慎重に進むツミだったが、敵も出ず真っ直ぐ通路を進むだけの道で…

ヒメ『誰も居ないみたいだぞ、進めー!』

結局、難なく4つアレの1つを手に入れて電車へ持ち帰ったのだった。

アタリメ「これが4つのアレの1つか…。」

ツミ「これだけじゃあ、何か分からないな…。」

アタリメ「とりあえず、デンワの所へ持って行ってみるかのう。」

ツミ「そうだな。」

電車で中央駅へ向かい、ツミは手に入れた物をデンワに見せた。

デンワ「おめでとうございマス!1つ目のアレを手に入れましタネ!アレが4つ揃えば、約束の地へ行けマス!それでは引き続き、アレを探して下さイネ!!」

アタリメ「ふむ…まだ何なのかがよう分からんが、こんな感じで集めればいいんじゃな。」

ツミ「そうみたいだな、少し休んでからまた探すとしよう。」

そう言うとツミは電車に戻った後、しばしの間眠りについて体を休めるのだった。

To be continued…