小説「Aiming for the ground Octo」~迫り来る変化~

しばらくして…まめみは落ち着きを取り戻してツネと共に窓の外を眺めたが…

まめみ「空が…。」

ツネ「さっきまであんなに晴れていたのに…。」

夕方から夜になりかけている空は黒い曇に覆われて…

雷雨でも来るのか?そう思っていた2人だったが…空からはふわりと白い雪が舞い始めた…

まめみ「嘘でしょ…雪…!?」

ツネ「馬鹿な…初夏なのに…!?」

2人は驚きつつ外を眺め、最近続く異常気象に何とも言えない不安を覚えた…。

一方シャケト場でも、その異常気象による変化は起きていた。

パキッ…バリバリ…!!

シャケ子「ダーリン…!」

ドスコイまる「キュッ…!」

とぐろ「くっ…壊しても次から次へと氷が…!」

ガキンッ!

ジェレラ「ダメだわ…傘で叩いてもビクともしない…!」

テツ「くそっ、キリがねぇ!」

ザンナ「子供や雌のシャケ達を安全な家屋に避難させろ!」

部下のシャケ達に指示をしつつ、ザンナは氷を割っていたが…

バキバキッ!!

コジャケ1「おシャケさまぁ…!」

コジャケ2「ぼくたち、どうなっちゃうの…?」

おシャケさま「大丈夫だよ、家の中へ入っていなさい。」

ビキッ…パリパリ…!!

ザンナ「何て速さで凍っていくんだ…!」

尾ヒレで叩き割ったり爆弾で破壊しても、海水は即座に凍り付いて行き、どんどんシャケ達の家に迫ってきていて…それでもザンナ達は諦めずに氷を割り続けていた。

おシャケさま「これは一体…何が起きているというのだ…。」

長い時を生きてきた博識のおシャケさま、しかし彼でも今回の異常気象は初めての事であり…驚きを隠せない様子だ。

ザンナ「おシャケさま、ここは危険です…俺達に任せてお下がり下さい!」

おシャケさま「いや、お前達だけを危険な目に遇わせて私が避難する事は出来ないよ。」

そう言うと、おシャケさまは大きな尾ヒレを振り下ろして氷を叩き割った!

同じ頃…ツミとルイはエネルギーコアのある場所【オーカクマーク管制塔】へ到着した。

イイダ『エネルギーコアの反応を確認!このエリアのどこかに…!』

ヒメ『イイダ、後でジジイらがどうなったか調べとけよー!』

イイダ『はい!あ、お二人共そこのドレッサーで装備を調えて下さい!』

ツミ「ここだな。」

ルイ「あ、ジェットパックが使えるね。」

2人がジェットパックを装備して飛び上がると、色んな場所から赤いレーザーの様な物が出ているのが見えた。

ツミ「あれは…?」

イイダ『あれはログポイントです、壊してゲットしましょう!』

ルイ「分かった。」

そう言ってルイがログポイントを壊してゲットすると、中央の柱が開いて道が出来た。

ヒメ『お、開いたぞ!』

イイダ『ログポイントでロックが解除される様ですね、全部で8本あるみたいです。』

ルイ「それなら、2人で分かれて4本ずつ集めようか。」

ツミ「そうだな、その方が効率が良い。」

2人は二手に分かれてそれぞれログポイントを集め、無事に8本集まった。

ルイ「よし、これで全部だ!」

イイダ『全ロック解除!エネルギーコアは…あれです!』

2人が見ると、そこには赤くて丸いナマズの様な顔をした生き物が居て…バリアの様な物で覆われている。

ヒメ『おいおい、どうなるんだ!?』

ツミ「何か…様子が変じゃないか…?」

ルイ「プルプル震えてるよね…?」

そんな話をしていた直後…

シュピンッ!!

一瞬強い光を放って、エネルギーコアは上に向かって勢いよく飛んでいってしまった…。

ヒメ『アーーーーー!!』

イイダ『ジャンプポイントで追いかけましょう!』

2人「分かった!」

イイダの言う通りジャンプポイントからスーパージャンプで追いかけて行くと…【ゼンドウ流通路】へ到着した。

すると、目の前にはエネルギーコアが設置された大きな足場があった。

ヒメ『エネルギーコア、ここに居たか…で?』

イイダ『エネルギーコアを撃てば、リフトごと動きそうです!なので敵に敵に壊されない様に最深部まで進んで下さい!』

ルイ「ツミ、僕が敵を撃つからエネルギーコアをお願い!」

ツミ「分かった、頼んだぞルイ!」

ルイ「うん、任せて!」

2人の息の合った動きでリフトは順調に進み、最深部に辿り着いた。

リフトに付いていたコンセントが刺さり、エネルギーコアから電気が送られて奥の装置が作動して…

ヒメ『お、おおっ!?』

イイダ『エネルギーコア、セット完了です!』

ツミ「行くぞ!」

ルイ「うん!」

2人はジャンプポイントからスーパージャンプをして…【セキツイ中央孔】へ辿り着いた。

イイダ『あれが中央エレベーターです、電源…入ってますね!』

ヒメ『じゃ、これで地上まで行けそーだな!』

イイダ『3人の反応も近いです!』

2人はライドレールに乗って上へと進んだ。

ヒメ『ジジイ、ひょっとして先に地上で待ってんじゃねーの?』

イイダ『皆さん無事ならいいですけどね。』

ツミ「司令達なら大丈夫だろう。」

ルイ「うん、それにざくろも護衛で一緒に居るしね。」

ツミ「そうだな。」

ヒメ『ハチとルイ、ヘリで迎えに行くから…ジジイ達と地上で待ってろよ。』

ツミ「分かった。」

ルイ「ヘリかぁ…どんなのなんだろう?」

そんな話をしながらライドレールを降りてエレベーターに乗り、上へと向かった。

イイダ『初対面の方にもヘリ出しちゃうセンパイ、素敵です!』

ヒメ『まー『神がかったヘリ』とか言うヤツ?』

イイダ『それを言うなら『乗りかかった船』ですね…。』

ヒメ『…最近は、そうとも言うみたいだな。』

そうとしか言わないんだが…ツミとルイは内心そう思ったが黙っていた…

すると、突然エレベーターが止まってしまった。

イイダ『あれ、エレベーターが…?』

ヒメ『止まったぞ!?』

ツミ「どういう事だ…?」

ルイ「あ、あれ見て…!」

そう言ってルイが指差した方向には何かが見えて…

ヒメ『…ん、誰か居んぞ?』

イイダ『あれ、3号さんですよ!?でも何だか様子が…?』

すると…奥の方ではUFOに縛り付けられてぶら下がっているアタリメ司令とざくろの姿が!

ざくろ『ツミ、ルイ!!』

アタリメ「ファーーー!8号、ルイ君…助けてくれーーーい!!」

ツミ「ざくろ、アタリメ司令!?」

ルイ「何でそんな姿に!?」

アタリメ「3号のヤツ、デンワに意識を乗っ取られたんじゃー!」

すると、ずっと後ろを向いていたタキは振り返った

しかし、彼の頭の右側には…目元まで覆う位の不気味な緑がかったスライムの様な物が纏わり付いていて…

いつものターコイズブルーの瞳も虚ろで自我を失っている様子だった。

ツミ「3号!?」

ルイ「そんな…こんな事って!!」

驚く2人をよそに、タキは高台からマントを翻し…ツミ達の所へ向かって降り立つのだった!

To be continued…