小説「巡る虹色四季模様(日常編)」~恋の芽生え~

まめみ達が向かうと、既にまめお達はそれぞれ好きなアトラクションで遊び始めていた。

スー「あれ行きたいわ。」

まめお「お、ウォータースライダーか!」

2人乗りの浮き輪に乗って勢いよく滑っていき…

スー「きゃあぁぁぁー!」

まめお「気持ちいいぜー!」

このエリアのプールはインクリング専用の水なので溺れる心配も無く、跳ねる水しぶきと勢いのあるスピードが爽快で…2人は大満足な様子で滑り下りて行った。

フーとペコは特殊な色のついたインクプールに居て…

ペコ「ふふっ、何だか不思議な感覚だわ。」

ちょっとだけトロッとした不思議な感触を楽しむペコ…そこに忍び寄る何かが泳ぐしぶき…

次の瞬間…ザバァッ!!

フー「捕まえた!」

ペコ「きゃあっ…フー!」

突然出てきたイカが人に姿を変えたと思うと…気が付いた時にはフーがペコをお姫様抱っこしていた。

フー「ははっ驚いたか?」

ペコ「もうっ…すごくびっくりしたわよ。」

そう言って優しくポコポコと彼の逞しい胸板を叩くペコだが…その頬は真っ赤に染まり、口元は優しく笑っていた。

そしてエンとツミは…

ツミ「……その…エンは遊ばないのか…?」

エン「はい、私はこうして皆が遊んでるのを見ていられれば…ツミさんこそ遊ばないんですか?」

ツミ「私は…どう遊べばいいか…分からないんだ…。」

エン「分からない…?」

ツミ「皆の中に進んで入っていくタイプではなくてな…戸惑ってしまう…。」

エン「そうですか…それなら、もしツミさんがよければ…私と一緒に遊んでみませんか?」

ツミ「あんたと…?」

エン「ボール遊びでも水遊びでも…何ならお手合わせでも構いませんよ?」

そう言って優しい笑みを浮かべるエンに、ツミの心はじんわりと暖かい感覚と、僅かに速く鳴る鼓動を感じて…

ツミ「…エンがいいのなら、手合わせを…。」

エン「はい、喜んで。」

顔を逸らしながら照れくさそうに言うツミに対し、エンは嬉しそうな笑顔で…2人は撃ち合いのエリアに移動したのだった。

そしてまめみ達は…

まめみ「タキ君とツっくん…あ、居た!」

ざくろ「と思ったら、また喧嘩してるね…。」

タキ「だから何でいちいち俺に突っかかってくるんだよ!」

ツネ「君がまめみに手を出さない様に僕が見張ってなきゃいけないだろ。」

タキ「俺をどこかれ構わず襲い掛かるド変態みたいに言うな!」

ツネ「その通りだよ、ド変態以外の何者でも無いじゃないか。」

タキ「ツネに言われたくないんだけど!」

ツネ「僕は君と違って常識人だから。」

タキ「どこがだよ、この万年マスクのムッツリ変態が!」

ツネ「君こそ万年発情期のオープン変態だろう!」

まめみ「2人共、そこまでにしておこうね。」

タキ「まめみ!」

ざくろ「2人共、顔を合わせるとすぐ喧嘩するんだから。」

ツネ「ぐっ…!」

そう言って呆れるまめみとざくろに、何も言えず渋い顔をする2人だったが…

まめみ「それよりも、遊びに行こうよ!」

ざくろ「そうだよ、せっかく遊びに来たんだから!」

そう言ってキャッキャとはしゃぐ2人の水着姿に釘付けで…

タキ「うん、そうだね…(まめみ…この前の試着の時もそうだったけど、収まりきってないから下からも見えて…エロい…!)」

一方ツネもまめみの水着を見ていたが、彼にはざくろの水着姿も気になって…

ざくろ「…ツネ、この水着…変だった?」

まめみに負けないくらいの胸の膨らみは今にもはち切れんばかりで…ぷりんとしたボリューミーなお尻も魅力的で…

上目遣いで聞いてくる赤い瞳…唇…褐色肌…全てが色っぽく、ツネは思わずゴクリ…と生唾を飲んだ。

ツネ「いや…変じゃないよ、似合ってるんじゃない?」

そう言って目を逸らしてしまったツネの頬は真っ赤に染まっていて…しかしざくろは気が付いていない様だ。

ざくろ「よかった~、それじゃ遊びに行こうよ!」

ツネ「ちょっ…ざくろ…!」

まめみ「タキ君も行こう!」

タキ「わわっ、まめみ!」

そう言ってざくろはツネの手を、まめみはタキの手を引いてそれぞれ目的のエリアに向かうのだった。

一方ルイは、アミを連れてナワバリバトルに挑んでいた

観客席で応援して手を振っているアミに笑顔で手を振り返すと、プライムシューターベッチューを手に駆け出し…

試合は無事に勝利し、何戦かした後に終わってアミを迎えに行った。

ルイ「アミ!」

アミ「お疲れ様、ルイ!」

ルイ「ありがとう、アミが応援してくれてたからいつも以上に頑張れたよ。」

アミ「ふふっ、嬉しい…わたしもルイの試合を見ててすごく楽しかった。」

ルイ「喜んでもらえて僕も嬉しいよ…あ、お腹空いたよね?そこで休憩しようか。」

そう言ってロブのお店の傍にあるパラソル付きのテーブルにアミを連れて行き、ルイはロブのお店でアゲホイップを2つ買ってきて彼女に渡した。

アミ「ありがとう、頂きます。」

そう言ってパクッと一口食べたアミの様子をじっと見ているルイ…

ルイ「どうかな?」

アミ「サクサクの衣とホイップの甘さが最高にマッチしてて…すごく美味しい!」

ルイ「よかった~これ僕のお気に入りなんだ。どれ…僕も頂きます!」

そう言って大喜びで食べるアミにルイも満面の笑みになり、自身もアゲホイップにかぶりつくのだった。

しばらくして2人が食べ終わり一息ついた頃、アミが口を開いた。

アミ「わたし、ルイと知り合って、色んな所へ連れて行ってもらえて…すごく楽しくて幸せなの。」

ルイ「僕に…?」

アミ「わたし1人では行ける所が限られてしまう…だからね、ルイが来てくれるのがいつもすごく楽しみ。」

ルイ「アミ…!」

そう言って頬を赤らめつつ嬉しそうなアミの笑顔は眩しくて…ルイの心は沸き上がる暖かさと同時に胸の鼓動は煩いくらい速くて…彼女に聞かれてしまうのではと心配なくらいで…

この時にルイは自身の気持ちを自覚した…

あぁ…僕は彼女が…アミが好きなんだ…

To be continued…