2人が落ち着いた後に事情を聞いたまめおが家に帰ると、泣いているまめみと彼女を抱きしめて背中を撫でるざくろの姿があった。
ざくろ「まめお…。」
まめお「話はタキから聞いた、大変だったなまめみ…。」
そう言うと、まめおはソファに座って泣いているまめみの頭を優しく撫でた。
まめみ「うっ……ぇ…!」
大粒の涙を流して泣いているまめみに、ざくろもまめおも心を痛めていて…
ざくろ「ごめんね…あたしからも改めてツネに怒っておくから…エンからも言ってもらうよ。」
まめみ「うぅ…ざくろ…ちゃん…!」
まめお「さっきタキから連絡が来て、まめみに謝りたいって言ってた…会えそうか、まめみ?」
まめみ「ぐすっ…う…ん…。」
まめお「分かった、無理だけはするなよ…。」
そう言うとまめおはもう一度まめみの頭を撫でて、タキに返信した。
その後…まめみが泣き止んで少し落ち着いたのでざくろは帰り、しばらくしてタキがやって来た
玄関先で立っている2人…タキはじっと彼女を見つめているが、まめみは顔こそ見えるものの俯いたままで…
タキ「まめみ…ごめん…謝って済むとは思ってないけど…それでも…本当に…ごめん…。」
まめみ「タキ…君…。」
タキ「けど俺…まめみの事が大事なのは本当なんだ…決して体だけじゃなくて…まめみ自身を本当に大事に想ってる…。」
まめみ「…それなら…それを証明して…。」
タキ「え…証明…?」
まめみ「うん…。」
タキ「分かった、俺に出来る事なら何でも…。」
まめみ「1週間…っ…な事…しないで…。」
タキ「えっ…?ごめん…聞き取れなくて…。」
小さく言っていたので上手く聞き取れず謝ったタキに対して、まめみは頬を真っ赤に染めたまま…小さくも今度はしっかりと口を開いて…
まめみ「1週間…え…エッチな事…一切しな…いで…!」
タキ「え…えぇぇぇぇ!?」
まめみ「1週間…お預けだし…あたしに会うのも禁止…!」
タキ「そ…そんなぁ…!」
まめみ「1週間…ちゃんと反省…して…っ…!」
頬を真っ赤に染めているまめみの桃色の瞳は揺れていて…彼女自身の悲しみや混乱、信じている気持ち…様々な感情が伝わってきて…
タキはぎゅっと拳を握りしめると、まめみの顔をまっすぐと見つめて口を開いて…
タキ「分かった、1週間ちゃんと耐えるよ…大好きなまめみの為だもの、必ず約束も守る。」
まめみ「うん…。」
そう言うとタキはまめみをぎゅっと抱きしめて、おでこにキスをするとそのまま帰った。
一方ツネも…
ツネ「ぐっ…うぅ…エンのポイズンミストのダメージがまだ残ってる…。」
ざくろ「しっかり反省してよ、まめみを傷つけたんだから!」
ツネ「うぅ…分かってるよ…。」
ざくろ「そしてエンとあたしとの約束、ちゃんと守ってね!」
ツネ「う…分か…った…。」
タキが1週間のお預けを課せられた様に、ツネもまた…彼にとって至福の1つである「甘いお菓子」を1週間禁止されてしまったのだ…
2人にとっては耐え難い試練だが、乗り越えてしっかり反省する!と強い決意を胸に挑んだ。
とはいえ、最初の1日2日はまだ耐えられたが…
~夢の中~
タキ『んっ…はぁ…まめ…み…あっ…あぁ…まめみ…!』
まめみ『あっ…あぁん…タキ…く…っ…はぁぁん…!』
タキ「まめみ………んっ…夢……あぁ…またやっちゃった…!」
夢の中でまめみとの愛しの時間を過ごしていて…起きたタキの下半身は生暖かい感触と下着はぐっしょりしていて…
あの日以来ずっと禁欲しているので、まめみを想うあまりに夢精してしまう日々が続いていた…
一方ツネも…
ツネ『っ…………!!』
ギリッ…甘い香りがどこからか漂う度にマスクの下で歯を食い縛りながら耐えていて…
それでも耐え切れずこっそり食べようとすると…
エン『ツネ、約束を忘れたんですか?』
ツネ『ぐっ…うぅ…!』
エンによる固いガードで阻止され…
ならば奥の手を!そう思って彼が近づいた相手は…ルイ!
ドン!
男が男を壁ドンするという何とも珍しい光景が広がる中で…
ルイ『つ…ツネ隊長…そんな目をギラギラさせてたら怖いです…!』
ツネ『ルイ、君も甘いのが好きだろう…小さな飴1つでいい…こっそりくれないか!?』
そう言って凄むツネだったが…
ルイ『ひえぇ…それを見越してエンから「ツネに渡さないで下さい」って口を酸っぱくして言われてますんでえぇ…!』
ツネ『ぐうぅ…エン…!』
ルイ『あ、僕用事があるんで…すみません!』
そう言うとルイは逃げる様にその場を後にして…
エンの完璧と言わざるおえない固いガードに、ツネは膝から崩れ落ちるのだった…。
そんな絶望するタキやツネと対照的に、ルイはアミとの親交を順調に深めていた。
ルイ「それでさ…」
アミ「ケホッ…ケホッ…。」
ルイ「アミ…咳をしてるけど大丈夫…?」
アミ「あ、ごめんね…大丈夫だよ。」
ルイ「それならいいんだけど…。」
最近、アミが乾いた咳をよくする様になった…心なしか少し顔色も優れなくて…ルイは心配していたが、本人が大丈夫だと言うので無理をしない範囲で近場に連れて行って景色を見せるのだった。
その後ルイがアミと別れて帰ろうとすると…深海メトロのある地下鉄駅から出てくるツミと出会った。
ツミ「ルイ。」
ルイ「ツミ…どうしてそこに?」
ツミ「これを手に入れてきたんだ。」
そう言って、彼女が着ていたシャツノゾキピンクのポケットから取り出したのは「金色に輝く丸いオブジェが付いた髪飾り」で…
ルイ「これは…?」
ツミ「最近、風の噂で聞いたんだ…中央駅に不思議なロッカーがあって、そこで念じると自分の心の中の相手と戦えると…その相手に勝ったらこれが貰えたんだ。」
ルイ「そんな事が…。」
ツミ「私の心の中の相手…今でも本物を超えられたとは思っていないが、それでもこれは私の1つの誇りだ…じゃあな。」
そう言うとツミは帰って行き…ルイはその場で1人佇んでいて…
そこに挑んで証であるあの髪飾りを手に入れられたのなら…僕はそれを彼女に…アミに届けたい。
僕の気持ちと共に…渡したい。
強い決意をしたルイはタコスマホを手に取ってアミに電話をかけるのだった。
To be continued…