眠っている中、アイシェは夢を見ていた。
またあの場所…そして今度は、誰かの部屋に居て…
アイシェ『ここは…?』
周りには煌びやかな宝石や彫刻が並んでいて…綺麗というより、どこか不気味さを感じる部屋…
そして奥にはディメンションミラーがあって、鏡を覗き込んでいる大きな影…
影から覗く手は、レースの手袋に包まれていて…まるで飴細工の様な芸術的で煌びやかな金色の羽が見える
すると光につつまれて…目を開けると、今度は違う部屋に居た。
先程の場所とは一転して、たくさんの書物が並ぶ図書館の様な部屋…その奥にポツンと座るのは、デデデを連れ去ったあの男…
こちらに背を向けて、何かを眺めながら呟いている
アイシェがそっと近づくと…
???『…ニア…どうしてこんな事になってしまったのね…。』
男の体は小さく震えていて、その声も切なげで…
きっと何か事情を抱えている…アイシェはそう感じて心がギュッとなった。
そこで夢から覚めると、朝陽が自分を照らしていた。
アイシェは朝ご飯を食べながら夢の話をして…
バンワド「あの男は、誰かに大王様を連れて来る様に言われてる…って事なのかな?」
カービィ「どんな理由であれ、デデデをこのまま連れ去られたままには出来ないからね、必ず助け出さないと。」
アイシェ「うん。」
バンワド「それにしても…そのディメンションミラーを覗いてるのは誰なんだろう?」
アイシェ「羽と手袋しか見えなかったけど、お部屋の感じから綺麗な物が好きなのかも…。」
そんな話をしながら朝食を終えて、準備をした後に3人は次のステージとなる「ワイルド・ワールド」へと進んだ。
ここはジャングルと遺跡の様な物がある場所で、今までとまた雰囲気の違う場所だが…ここまで来るとカービィもこの辺の地形や気候に順応してきてサクサクと進んで行く
棘付き丸太をかわして登ったり、中には消える床やマジックミラーの様な仕掛けのあるお化け屋敷等もあって…最後には幽霊が次々と絵画や壺に入り込んで襲いかかり、最終的にピアノの怪物となって襲いかかって来たが…キセキの実の力を得たカービィには敵わず吸い込まれた。
しかし、この部屋には気になる物があって…
カービィ「これは…あの男とマホロア…?」
左右に飾られた肖像画、右にはデデデを攫った男…そして左にはマホロアが飾られていた。
アイシェ「どうしてマホロアが…!」
カービィ「アイシェ、聞いた事は?」
アイシェ「全然……もしかして、マホロアはあの男の人を知ってるのかな…。」
バンワド「マホロアが帰って来たら、聞いてみた方がよさそうだね。」
アイシェ「うん…。」
何とも言えない不安を覚えたアイシェは、それを紛らわす様にマホロアのバルーンを優しくぎゅっと抱きしめた。
その後もカービィ達は順調に進み…黄金で包まれたエリアに足を踏み入れた
どうやら大昔の文明が残っている様で、何かを守っているのか…動く巨大なコブラの像が炎を吐きながらカービィを襲うが、それらもかわしながらどんどん進み…男が逃げたエリアへと辿り着いた。
カービィ「どんどん地下に逃げて行く。」
アイシェ「どうしてこんな場所に?」
不思議に思う3人は、男に追いついたが…
???「変な場所に来ちゃったのね……こうなったら、この石像に相手してもらうのねっ!」
そう言って石像に魔力球の様な攻撃をして、再び飛び去ったが…去り際に石像を壊して行ってしまった…
カービィ「石像が壊れちゃった!」
バンワド「あの男、意外とおっちょこちょいなのかな…カービィ、今の内に追いかけ…」
そう言いかけたバンワドだったが、アイシェが奥で動く影に気づいた!
アイシェ「カービィ、奥に何かいる!」
カービィ「えっ………2人共逃げて!!」
アイシェ「きゃあっ!!」
バンワド「アイシェ、危ない!!」
カービィが叫んだ直後、頭上から少量の流砂と共に石像が落ちてきて、バンワドは咄嗟にアイシェを庇いそのまま転がった!
アイシェ「バンワドくん!!」
バンワド「ボクは大丈夫、アイシェは?」
アイシェ「私も大丈夫…!」
バンワド「よかった。」
アイシェ「ありがとう、バンワドくん。」
バンワド「どういたしまして。」
そう言ってニコッと笑う彼はどんどん逞しくなっていて、アイシェも優しい笑みを浮かべた。
そしてカービィの前に立ちはだかった石像は、大きな咆哮と共に鮮やかな動く巨大な蛇へと変化した!
トグロ・ガ・ラーガ「我が名はトグロ・ガ・ラーガ」天空の民の遺跡を守る平和の守り神なり。侵入者はここで始末する!」
口から燃えた石を吐き出して来たり、体をくねらせて来たかと思えばグルグルと回って飛び上がってカービィを押しつぶそうとしたり、とぐろを巻いて迫りながら尻尾を叩きつけてきたりと攻撃も強力でバリエーションが多い。
それでもカービィが少しずつ体力を減らすと、一旦バラバラになったが強い磁力の様なものですぐに再生して、今度は奥に移動して攻撃してきたり体をバラバラにして飛んできたり、炎の輪となって襲いかかって来たり…最後には頭上から噛みつきながら飛びついてきたりもした!
それでも諦めないのがカービィ、僅かな隙を見逃さずに攻撃を繰り返し…ついに撃破したのだった。
カービィ「倒せたけど、壊れちゃったね…。」
アイシェ「天空の民の遺跡の守り神って言ってたよね…という事は、あの男の人も天空の民って事なのかな?」
バンワド「その可能性は高いけど、まだまだ謎が多いね。」
カービィ「このまま次の場所に行こう、早くデデデを助けないといけないし。」
3人はそのまま次のステージ「エバーエクスプロージョン」へと進み、冒険を開始した。
ここは火山で覆われた場所で、灼熱のマグマが滾る危険な場所だったが…今までの冒険で慣れているカービィやバンワド、そしてハルカンドラでの過酷な環境に慣れたアイシェにとってそれはさほど苦にならず、どんどん進んでいく。
キセキの実を得たビッグバン吸い込みで、時には巨大なウツボの様な生き物を飲み込んで、迫り来る棘だらけの壁から逃げ、大きな盾を持った丸っこいドラゴン達を倒し、機械仕掛けの壁を抜けたり中ボス達のラッシュを抜けると…
またもやデデデを連れていく男の姿を捉えた!
男は逃げたが、カービィ達に追い詰められてしまい…
カービィ「デデデを離すんだ!」
???「くっ…!」
焦る様子を見せる謎の男だったが、近くで眠っていた巨大なカエルの様な生物「ヴォルゲロム」を見つけると、地面に落ちていた石を拾って…
ガンッ!!
何と勢いよくぶつけてそのまま逃げ去り…そのぶつかった石は反動でカービィの方へ…
そしてカービィがそれを手でキャッチしたのと同時に、その生物は目を覚ましてこちらを睨み付けていて…
アイシェ「カービィがぶつけたって勘違いしてる…!」
カービィ「えぇーーーボクじゃないよ!」
しかし怒り狂うヴォルゲロムは地団駄を踏んで咆哮を上げ、そのまま襲いかかって来た!
炎を纏って飛ばしてきたり、マグマの中に潜ったかと思えば顔を出して舌を伸ばしてカービィを捕まえようとしたり…奥に逃げて顔が描かれたマグマの柱で襲ってきたりした。
そしてこのマグマの柱にはカービィ達も見覚えがあって…
アイシェ「コレカラスターのボス「ヨガン」の出してきた攻撃に似てるね。」
バンワド「アイツも手強かったなぁ…。」
そんな話をしつつもカービィの戦いをサポートしながら見守り、ついに撃破した!
カービィ「ヨガンと似た攻撃をしてきたのは驚いたけど、何とか倒せてよかったよ。」
バンワド「お疲れ様カービィ、もう夕方だし今日は…」
そう言いかけたバンワドだが、サンストーンが輝いて次のステージを示し、その場所は大きなお城の様な場所だった。
カービィ「…どうやら敵の本拠地に来たみたいだね。」
アイシェ「あそこに大王さまが…。」
カービィ「少し休息を取ってから行こう。」
バンワド「うん、分かった。」
ゾクリ…アイシェを嫌な気配が襲った
日数的にもうすぐマホロア達も帰ってくる、どうかみんな無事でありますように…アイシェはそう願いながらマホロアのバルーンを抱きしめた。
To be continued…