カービィ「わー、バンワドもオシャレだね!」
バンワド「ありがとうカービィ。ほら、アイシェも行こう!」
アイシェ「う、うん…。」
バンワド「大丈夫だよアイシェ、とっても似合ってるから!」
そう言ってバンワドは恥ずかしがって出てこないアイシェの手を少し強く引くと…
アイシェ「きゃっ、バンワドくん…!」
勢いで出てきてしまったアイシェだが…
カービィ「わぁ~アイシェとっても綺麗!」
デデデ「おー、良いじゃねぇか!」
メタナイト「とても似合っているぞ、アイシェ。」
マルク「すげーオシャレなのサ!」
タランザ「アイシェ、とっても素敵なのね!」
アイシェ「ありがとう、みんな…!」
恥ずかしがりつつも、バンワドと共にゆっくりと歩いて来たアイシェは、マホロアの目の前に来た
マホロア「ア…アイシェ…!!」
彼女の姿を見て、マホロアは息を飲んだ
アイシェのドレスは青と白を基調としていて…
いつもの白のドレスの様に胸元はハートカット
ウエストの部分には青い紐リボン、腰には大きな青いリボンでスカート部分は薄い青と白のプリンセスラインのドレス
左耳のリボンには青薔薇のコサージュが付いていて…彼女の銀髪と白い肌、青い瞳がとても映えるドレスだった
アイシェ「えっと…どう…かな?」
頬を真っ赤にしながら尋ねるアイシェに、マホロアも頬を真っ赤に染めて…
マホロア「すごく…すごく綺麗ダヨォ…!!」
アイシェ「よかった…!」
そう言いつつまだ恥ずかしさの残るアイシェは青い瞳を伏せてしまったが、青い瞳が少しだけ潤んで唇は瑞々しくて…
マホロアの心臓は大きく高鳴り、聞こえてしまうんじゃないかと思うくらい煩かった。
デデデ「舞踏会の始まりだ、みんな楽しんでってくれ!」
マイクを持ったデデデ大王がそう言うと、楽しい舞踏会が始まった。
食事を楽しむ者、会話を楽しむ者、そしてダンスを楽しむ者とみんなそれぞれ楽しい時間を過ごしている。
マホロア「(アァ…ムラムラして来たヨォ…大丈夫カナ…。)」
下半身に熱が集まるのを感じているマホロアは、内心気が気では無かった
しかし、そんな事は誰も知る由が無く…カービィ達もダンスを楽しんでいる。
アイシェ「マホロア、踊らないの?」
気になったアイシェがマホロアの手をそっと握ると、マホロアはハッとした
マホロア「ア…アァ、踊るヨォ。」
アイシェ「…どこか具合が悪いの?」
マホロア「ウウン、すごく賑やかデ…ビックリしちゃったダケダヨ。」
アイシェ「本当に…?」
マホロア「ホントホント!サァ、踊ろうアイシェ?」
そう言うとマホロアはアイシェに手を差し出して…
アイシェ「ふふっ…うん。」
その手に自身の手を優しく乗せて、アイシェはマホロアと共にホールへ歩いて行った。
そしてマホロアはアイシェの腰に手を回して固定すると、曲に合わせてゆっくりと踊り始めた。
マホロア「フフッ、アイシェとっても上手くなったネェ。」
アイシェ「ありがとう。ふふっ、練習の間もすごく楽しかったよ。」
マホロア「ボクも楽しかったヨ、今こうしてキミと踊れている事モネ。」
アイシェ「ふふっ。」
踊りながら嬉しそうに笑うアイシェが綺麗で可愛くて…マホロアの心は暖かくなった
かつてこの星を支配しようとして…目の前で一緒に踊る愛しい恋人を無理矢理自分のモノにしようとしていたのが嘘の様に、マホロアの目に映るもの全てが新鮮でキラキラして見えた。
そしてアイシェと踊っていた時間が楽しかったのもあって、マホロアの興奮は落ち着いていた
これなら大丈夫そうだ、そう安堵していたマホロアだが…
マルク「ア~イシェ!」
アイシェ「ひゃんっ!?」
突然マルクが後ろからアイシェの背中を鉤爪でツンツンと突き、驚きで声を上げたアイシェは思わずマホロアに抱きつき…
マホロア「!?」
むにゅっ…柔らかい胸の感触が服越しに伝わり、マホロアの心臓はドキンと跳ね上がった
マルク「キシシ、いい反応なのサ!」
アイシェ「もうっ、びっくりしたんだから!」
ちょっとしたイタズラが成功したマルクは嬉しそうに笑い、アイシェはほんの少しだけ頬を膨らませていたが…マホロアは再び興奮の波に襲われ始めていて…
マホロア「マルク、アイシェに何するんダヨ!」
アイシェを抱き寄せつつ怒るマホロアだが、頭の中ではさっきの胸の感触がグルグルしていた。
マルク「悪かったのサ、一緒に踊るから許してちょーよ?」
そう言ってマルクは鉤爪をスッと差し出して、アイシェの手を待っている。
アイシェ「…ふふっ、いいよ。」
優しい笑みを浮かべてアイシェはマルクの手を取り、再び踊り始め…
マホロアはそんな2人の様子を見つつも、食事をしたり飲み物を飲んだりしながら、押し寄せてくる興奮の波に必死に耐えていた。
タランザ「アイシェ、ボクと踊って貰えませんか?」
マルクと踊り終えると、次はタランザが来た
アイシェ「はい、喜んで。」
紳士な振る舞いのタランザに、アイシェもドレスを少し持ち上げて挨拶をして…2人は踊り始めた。
やはりタランザはこういう場には慣れていて、アイシェをしっかりとエスコートしつつも優雅に美しいダンスを披露している
そんな様子を見ていたマホロアだが、視線はダンスよりもアイシェに釘付けで…
ふわふわの銀髪は踊る度になびいて、カンブレの時に胸元が揺れ…白い肌にほんのりピンクの頬…それらはマホロアの興奮を高めるには強すぎる刺激で…
マホロア「(ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ!!ムラムラが強すぎて落ち着かないヨォ…やっぱり1回抜いてくればヨカッタ…!)」
マントをギュッと握り、そわそわするマホロア…下半身は既に熱くなっていて…少しでも気を抜くと己の欲望が体から出てきそうになってしまう
我慢の限界を迎えたマホロアは、そっとデデデの所へ行き…グイッと彼のタキシードの裾を引っ張った。
デデデ「ん、どうしたマホロア?」
マホロア「ゴメン…チョットダケ休みたいんだケド…部屋を借りてもイイ…?」
デデデ「あぁ、構わないぜ。バンワド、マホロアを客人用の部屋に案内してやってくれ。」
バンワド「はい。」
彼に案内されてマホロアが部屋へ向かった事に気づかず、アイシェはタランザと踊り終えてカービィと踊り始めていた。
ゲームの中でずっと見てきたカービィダンスの通り、彼のダンスはとても上手だ
アイシェ「カービィはやっぱりダンスが上手だね。」
カービィ「えへへ、アイシェと踊れてボク嬉しいよ。」
アイシェ「ふふっ、私も嬉しい。」
一方…マホロアは案内された部屋へと到着した。
バンワド「大丈夫、マホロア?」
マホロア「ウン…少し休めば大丈夫ダヨォ。」
バンワド「それならいいけど…何かあったらいつでも頼ってね。」
マホロア「アリガトウ。」
ニコッと笑うとバンワドは戻って行き…マホロアはそっと鍵を掛けると帽子を脱ぎ、手袋を外した
ローアでは時間が無くて出来なかったが今はみんな舞踏会に夢中、今度は1人でゆっくりと抜けるだろう…
早くこのムラムラを解消して、スッキリしてからアイシェの元へ戻って再び踊りたい…そう思いながらマホロアは下半身に手を伸ばした。
同じ頃…アイシェはデデデと踊り始めていた。
アイシェ「大王さまと踊るの、ちょっと不思議。」
デデデ「背丈が近い奴らばっかりだからな、けど俺様だってちゃんと出来るんだぜ。」
自称大王と言えどデデデもこういう場での知識をちゃんと身につけていて、しっかりとエスコートしてくれたのでとても楽しく踊れた。
続いてバンワドと踊り始めたが、彼もまたダンスが上手く、アイシェは驚いていた
アイシェ「バンワドくん、すごく上手でびっくりしちゃった。」
バンワド「大王様の側近だからね、こういうのは身につけてたんだ。でもアイシェと楽しく踊る為に、毎日練習もしてたんだよ。」
アイシェ「バンワドくん、どんどん逞しくなってる…すごいなぁ。」
他のワドルディ達のリーダー的存在であるバンワド…出会った頃は可愛らしくてちょっぴり臆病だったが、ローアのパーツ集めの冒険を通して強く逞しくなっていき、フロラルドでもカービィと共に彼に支えられ助けられて…友達が成長していく様子と変わらぬ優しさに、アイシェは嬉しさで自然と笑顔になる。
バンワド「えへへ、ありがとう。アイシェと踊るのドキドキしてたけど…すごく楽しいよ。」
アイシェ「ふふっ、私もすごく楽しいよ。」
2人は笑顔で楽しく踊り、最後はメタナイトにダンスを誘われた。
メタナイト「アイシェ、今夜の其方はいつにも増して美しい。」
アイシェ「ふふっ、ありがとうメタさん。」
頬を真っ赤に染めて嬉しそうに笑うアイシェに、メタナイトもマスク越しに穏やかな笑みを浮かべて…
メタナイト「麗しの姫君、私と一曲お付き合い願えますか?」
マントを掴み、お辞儀をして挨拶をするメタナイトに…アイシェは相変わらず頬を赤く染めたまま、ドレスを持ち上げて同じくお辞儀をした。
アイシェ「ふふっ…素敵な剣士様、喜んで。」
優しく差し出されたメタナイトの手にそっと自分の手を重ね、彼と共に美しいダンスを披露した。
その後、みんなとの楽しいダンスの時間を満喫したアイシェはカービィ達と食事を始めたが…辺りを見渡すとマホロアの姿が無い事に気づいた。
カービィ「アイシェ、どうしたの?」
心配してキョロキョロするアイシェに気づいたカービィが声を掛けた
アイシェ「マホロアがどこにも居ないの…。」
マルク「どっかでイタズラでも仕掛けてんじゃねーのサ?」
アイシェ「…そんな事しないもん……。」
暢気な事を言いながらご馳走を頬張るマルクだが、アイシェはドレスをギュッと掴んで俯いてしまった…。
タランザ「アイシェ、ボクも一緒に捜すのねっ!」
カービィ「もしかしたら別の場所に居るのかもしれないよ、ボクも一緒に行くからね!」
悲しげな顔で俯くアイシェを慰めるタランザとカービィ…すると、デデデと共に挨拶に回っていたバンワドが戻って来た。
バンワド「あれ、アイシェどうしたの?」
カービィ「バンワド。」
タランザ「マホロアがどこにも居なくて、アイシェが心配してるのね…。」
バンワド「マホロア?ちょっとだけ休ませて欲しいって言ってたから、客人用のお部屋に連れて行ったよ。」
アイシェ「えっ…そうなの?」
バンワド「戻って来てないから、まだ休んでるんじゃないかな?」
タランザ「全く…人騒がせなのね。」
カービィ「マホロア、もしかして具合が悪くなっちゃったのかな…。」
アイシェ「バンワドくん、マホロアの休んでるお部屋を教えて。」
バンワド「うん、分かった。」
そう言うとバンワドは部屋を教えてくれて…アイシェはカービィ達と別れて、1人でそっとマホロアの休む部屋へと向かった。
To be continued…