ロボットがタランザに向かって爆弾等を投げて攻撃するも、タランザはそれを軽い身のこなしでかわし、激しい攻撃も魔術ガードで防いでいく
タランザ「今度はこちらから行くのねっ!」
そう言うと、タランザは地上から小さなワールドをツリーを一時的に生やして攻撃したり、大きな魔法陣を出してクィン・セクトニアの幻影「クィンズファントム」でロボット達を蹴散らしていく!
そして最後の一体を倒した瞬間!
???「我が社自慢の戦闘用ロボット達を蹴散らしてしまうなんて…強いのね。」
上空から声が聞こえて、見上げるとワールドツリーの上空に見た事の無い女性が居て…その手にはサンプルケースがあった。
タランザ「誰なのね!?そのワールドツリーを…花を傷つける事はこのタランザが許さないのね!」
???「ワタクシはこの花からサンプルを採っただけの事、後はもう用がありませんわ。それでは失礼致します。」
そう言うと女性は小さなプロペラが着いた四角い装置に掴まって、そのままポップスターの上空にある巨大な丸い物体に向かって飛んで行ってしまい…
タランザ「待つのね!」
マホロア「タランザ!」
追いかけて攻撃しようとしたタランザだが、背後からマホロアの声が聞こえたので追いかけるのを止めて振り向いた。
タランザ「マホロア、マルク…これは一体何が起きたの…!?」
マホロア「話すと長くなるケド…アイシェが予知夢を見た事から始まってるんダ。」
そう言って、マホロアは今までの事を説明した。
タランザ「アイシェが…そしてキミまで同じ夢を見たなんて…とはいえ、まさかこんなに早く侵略されるとは思わなかったのね…。」
マホロア「誤算だったヨ…安全を考慮してメタナイトの所に預けたケド、2人共攫われてしまっタ…。」
マルク「タランザ、お前はもしかしてコイツらと戦ってたのサ?」
そう言ってマルクは鉤爪で辺りに転がっているロボットの残骸を指差し、タランザは静かに頷いた。
タランザ「このロボット達が、ワールドツリーを狙っていたから倒したのね…でもその隙に、知らない女性に花のサンプルを採られたのね…。」
マホロア「例の女カ…タランザ、顔は見えたカイ?」
タランザ「スラッとしていて、ピンクの長い髪…水色の瞳だったのね。」
マホロア「(特徴はほぼ一致してるケド、髪の色が違うナ……という事はやっぱりコノ世界の…?)」
マフラーの口元に手を当てて考えるマホロアだったが、ふと地面に落ちているマークが付いた破片が目に入って…そっと拾い上げた。
マルク「それは何なのサ?」
タランザ「さっきまで戦ってた、戦闘用ロボットの体に付いていたマークなのね。」
マホロア「H…戦闘用ロボット…それナラ、これは会社のロゴの可能性があるナ…一旦ローアに戻るヨ。」
そう言うとマホロアは破片を持ったまま飛んで行ってしまい…
マルク「お、おい待てよマホロア!」
タランザ「置いて行かないで欲しいのね!」
慌ててマルクとタランザも後を追って、3人はローアに向かった。
中に入るとマホロアはロゴに付いて調べ始め…あらゆるデータを解析した……すると
マホロア「このロゴは「ハルトマンワークスカンパニー」の物ダネ。」
タランザ「ハルトマンワークスカンパニー?聞いた事もないのね。」
マルク「どんな会社なのサ?」
マホロア「調べたトコ、数多のマシンや兵器を所有スル巨大企業みたいダネ。今コノ星の上にあるのが拠点デある超大型宇宙船「アクシスアークス」デ、目を付けた星を片っ端から資源を奪い尽くシテ機械化してるンダ…。」
タランザ「何て惨い事をするのね…。」
マホロア「逆らう者には「駆除」と言う名ノ殺戮を行ってるトンデモネー企業ダヨ。…イヤ、企業デすら無いネェ…ただの残忍な侵略者の集まりダヨ。」
マルク「つまりこの星も資源目当てに狙われたって事なのサ?」
マホロア「そういう事ダロウネ…フザけた事してクレルヨォ。」
そう話すマホロアの声はいつもより低く、静かに怒っているのが伝わってくる。
タランザ「ボク達も今からカービィと合流して乗り込めば、あるいは勝機はあるかもしれないのね?」
マホロア「…イヤ、正直勝ち目は無いヨ。」
マルク「珍しく弱気じゃねーの、このマルク様の力があればあんな雑魚ロボ…」
マホロア「数が桁違いなんダヨ。」
マルクの言葉を遮って、マホロアは静かに返事をした。
タランザ「桁違いって、どういう事なのね?」
マホロア「この企業の社員数ダケデモ86万人…とても手に負える数ジャナイ。」
マルク「86万人!?そんなに社員抱えてるとか正気なのサ!?」
マホロア「社員ダケジャナイ、この企業は独自の通貨「ハルトマニー」を発行してイル…最早コノ企業自体が1つの星と言ってモ過言じゃナイヨ。」
タランザ「とんでもない奴等に目を付けられたのね…!」
マホロア「コンナ狂った奴等デモ…カービィには敵わないケドネ。」
マルク「マホロア、お前…。」
かつて自身の野望の為に裏切り対峙した相手だが、今は心からの友達として信頼しているからこそ、マホロアはカービィが必ずこの星を救うと確信していた。
マホロア「今すぐ乗り込む事は不可能ダカラ、ボクらの出来る事ヲしよう…ボクはモウ少しこの企業について調べながら、アイシェとの通信を試してみるヨ。」
マルク「そうか、アイシェは通信機を持って行ってるんだな。」
マホロア「奴等に取り上げられて無い事を願うケドネ…とにかく物は試しダヨ。」
タランザ「マホロア、ボクはカービィにこの事を伝えて来るのね。」
マホロア「頼んダヨ、タランザ……気をつけテ。」
タランザ「ありがとうマホロア、そして任せてなのね。」
そう言うとタランザはローアを出て行き、マルクはマホロアの隣に座って動向を見守った。
一方のカービィ達は最初のエリアである「プレインプロプトン」の冒険を始めていた
機械化された影響で分かりづらいが、周りの木々を見た感じでは恐らく位置的にはクッキーカントリーの辺りだろうと予想された
カービィ「マホロアのパーツとスフィア集めの旅で見た景色と全然違う…。」
バンワド「マホロアとマルクは大丈夫かな…ローアは多分自分の意志で動けると思うけど、2人が帰って来た時に襲われたら…。」
カービィ「あの2人なら大丈夫だよ、ああ見えて強いしね!」
そう話すカービィの青い瞳には迷いが無く、それを見たバンワドも強く頷いた。
同じ頃…連れ去られたアイシェは意識を取り戻してゆっくりと目を開けると、ソファでは無くベッドに寝ていて見慣れない天井が視界に入る
アイシェ「んっ…私…メタさんのお部屋で強い衝撃を受けて………ここは…どこ……?」
ゆっくりと起き上がって辺りを見渡すと、知らない部屋に居た。
雰囲気からは女性の部屋の様だが、机には沢山の機械や資料が置いてあって…ローアの様に不思議な技術の詰まった部屋だと思っていると…
ウィーン…ローアの様に自動で開く扉から入って来たのは1人の女性…
スラッとした体に長いピンクの髪…そして夢で見たあの水色の瞳…
???「あら、目が覚めましたのね。」
ニコッと笑う女性は、ゆっくりとアイシェに近づいて来る…
アイシェ「…っ……ここはどこなの…貴女は誰!?」
恐怖で震えながらも、必死に声を絞り出して問うアイシェに、女性は相変わらず笑みを浮かべたまま近づいて来て、目の前で動きを止めた
スージー「ワタクシ「ハルトマンワークスカンパニー」の秘書「スージー」でございます、以後お見知りおきを。」
アイシェ「ハルトマンワークスカンパニー…秘書…スージー…?」
スージー「貴女のお名前は…アイシェ、でしたわよね…うふふ、貴女の姿と同じで可愛らしい素敵な名前ですわ!」
どことなく嬉しそうな様子で褒めてくるスージーだが、アイシェは相変わらず怯えていて…
アイシェ「スージー…貴女達の目的は…何…どうして私を…?」
スージー「ワタクシ達の目的…それは会社の更なる繁栄の為に、この星の資源を利用する事ですわ。」
得意げに話しながら、自身の手で髪を掬ってなびかせるスージーに、アイシェは青い瞳を見開いて言葉を失った…。
To be continued…