小説「夢結ぶ星りんご」(ロボボ編)~最新技術の恐怖~

スージー「まぁ、恋人がいらっしゃるのね!」

アイシェ「うん…。」

スージー「アイシェはとっても可愛くて綺麗ですもの、当然ですわね!それで…どんな殿方ですの?」

アイシェ「えぇ…その…とっても強くて…かっこよくて…ちょっとイタズラが好きな人なの…。」

出来るだけマホロアの情報を伝えない様にとアイシェは頑張り、そのおかげかスージーはその話だけでも満足した様子でうっとりしている…

スージー「まぁ、きっとあの剣士様みたいに素敵な御方なのね。」

アイシェ「うん……私にとってはたった1人の大切な恋人だよ。」

同じ頃…

マホロア「クシュンッ!」

マルク「わっ、いきなり何なのサ!?」

マホロア「分からないヨォ…誰かボクの噂デモしたんジャ…?」

マルク「お前の悪行が、あの企業にも知れ渡ってんじゃねーの?」

マホロア「エェ~マジかヨォ…。」

タランザ「それよりマホロア、ハルトマンの情報は何か得られたの?」

マホロア「ソレが中々見つからなくテネ…もう少しで何か掴めそうなんダケド………ン、コレダ!」

マルク「何か見つかったのサ?」

パネルを操作してモニターに大きく映し出されたのはかなり昔の記述で…

マホロア「エット……発明家「ゲインズ・インカム・ハルトマン」若い頃は情熱的な野心家とシテ知られてイタみたいダネ、そして家庭を持ってたンダ。」

タランザ「あんな冷徹な男が家庭を…。」

マホロア「若い頃は冷徹でハ無かったみたいダネェ…ただ、とある事故で1人娘を失っテ以来は、人が変わった様に今の様な性格になったんダトカ。」

マルク「家族を失った悲しみで狂ったパターンなのサ?」

マホロア「ダロウネェ…にしたっテ、ソレで侵略なんてされタラ堪んネーヨ。」

そう話すマホロアだが、もう1つ引っ掛かる事があって…

彼が唯一置いているロボットでは無い社員である秘書スージー、彼女はもしかして何か関係があるのではないか?

そう思いつつ、マホロアは魔術でハッキングをしながらアクシスアークスへの侵入経路を探り始めた。

その頃、アイシェはスージーとすっかり打ち解け…彼女からホログラフ防衛システムズの事を聞かせて貰った

アイシェ「様々な場所からデータを集めて実体化を…。」

スージー「その結果、我が社のセキュリティは向上してここまで繁栄したのよ。」

そう話すスージーだが、水色の瞳は揺れていて…

アイシェ「…スージー、本当はこの計画に乗り気じゃない…?」

スージー「…そんな事はありませんわ、我がカンパニーの繁栄の為に必要な事……でも…アイシェの様な人の温もりが恋しいのは事実ね。」

アイシェ「スージー…。」

スージー「…アイシェ、貴女はいつか…その恋人と家族になるのよね?」

アイシェ「えぇっ!?えっと…それは…その…。」

家族になる…それは即ち、マホロアと夫婦になるという事で…いつかはそうなりたいとは思っているが、果たして彼はそこまで考えているのだろうか…?

僅かな期待と強い不安でドキドキして、アイシェの頬は真っ赤に染まりつつ眉根は下がり言葉に詰まってしまう…そんな彼女の様子を見て、スージーは寂しげに笑い…

スージー「…家族はとても大事よ、目の前に居るのにずっと気づかれないけどね…。」

アイシェ「えっ…!?」

スージー「…余計な事を話し過ぎましたわ、今のは忘れて……さて、原住民達がまた妨害をしたみたいだから行かなきゃ…それじゃあごきげんようアイシェ。」

アイシェ「待ってスージー…!」

彼女の名前を呼んだが、スージーは逃げる様に部屋を出て行ってしまい…アイシェは心がぎゅっと苦しくなった

目の前に居るのにずっと気づかれない…少なくとも家族と何かあったんだ…そう思ったアイシェはゆっくりと立ち上がると、耳元のリボンにそっと触れた。

一方のカービィは、激戦の末にメタナイトボーグを撃破していた!

カービィ「はぁ…はぁ…っ…!」

バンワド「カービィ!」

カービィ「はぁ…大丈夫…少し休んでまた進もう…!」

バンワド「メタナイト…結局最後までボク達の事が分からなかったね…。」

カービィ「あの企業を追い払えばきっと大丈夫…メタナイトを信じよう。」

バンワド「カービィ…うん、そうだね。」

メタナイトはきっと大丈夫…彼を信じつつも2人は少しの休息を取った後に次のエリア「リポジトリムリズム」へと進んだ。

着いた頃には夜になっていて…この辺りは機械化がほぼ完了していて見た事の無い高い建物や眩しい灯りが煌めく場所だった。

途中に大きな機械の亀が道を塞いで居たが、ロボボアーマーでスキャンしたマイクの能力を使って蹴散らして道を開き…巨大なカジノを駆け巡り…ラボでは髑髏が描かれたダメージ床の混ざる危険な動く床をかわしながら進み…最後は列車の中を突き進んで行った。

そうしてボスの場所へと辿り着いたが…

カービィの足元の床が開き…そこから出てきたのは社歌を歌うスージー!

スージー「お馴染み、美人秘書のスージーでございます。それにしても驚きました…あのメタナイトボーグをスクラップにするなんて。」

バンワド「そ…そんな…スクラップだなんて…!」

スージー「もちろん剣士様自身は無事でしてよ、ですがもう少し改良が必要ですわね。それにしても…マザーコンピューターのシステムも、まだ完璧じゃないのね。」

カービィ「えっ…?」

スージー「何でもないですわ。今度の相手はそうはいきませんわよ、僅かな細胞から最新技術で生みだされたデーンジャラスでデーッドリーで、デーラックスなクローンモンスターですわ。」

話しながら彼女が取り出した容器には、暗い紫の丸い物体がぐにゃぐにゃと動いていて不気味な雰囲気を醸し出している…

カービィ「クローンモンスター…!?」

スージー「うふふ、しかもこのモンスターは何やら貴方に強いらライバル心を持ってるみたいね。さぁ、お行きなさい…プロダクトNo.D-0030「クローンデデデ」!」

そう言ったのと同時にスージーが容器を投げると、中の物体がぐにゃぐにゃと大きくなり…

パリーン!!

容器のガラスが割れたと同時に、それはデデデの姿になった!

カービィ「デデデ!?」

バンワド「大王様!?」

スージー「これはあくまでクローン、本人ではありませんわよ。でも強さは本人…いいえ、本人以上かもしれませんわね。あのピンクとオレンジの原住民達を駆除しなさい!」

高笑いと共にスージーは逃げて行き…

カービィ「下がっててバンワド、ボクが相手だ!」

彼の言葉通りバンワドは安全な場所に避難して、クローンデデデとの戦闘が始まった!

足場がどんどん上昇していく中、カービィは強力な攻撃をかわして反撃していく

すると、デデデの体が溶けて液体が3つに分かれて床に飛び散ったと思うと…液体から今度は3人のデデデが現れた!

バンワド「わー大王様のクローンが分裂した!?」

3人のデデデは一糸乱れぬ動きで強力なハンマー攻撃やジャンプで踏みつぶそうとしてきて、カービィはギリギリをかわしつつ何とか反撃を続ける

そして漸く3人とも撃破し、頂上に到着した床は動きを止めた

カービィ「やった…の?」

そう言ったカービィだったが…

バンワド「カービィ、床が!」

叫んだバンワドに合わせて避けると、床が再び開いて…そこから大きな乗り物の様なロボットが出てきて…

3人のデデデは溶けた液体から再び姿を現して…それぞれが乗り込んだ!

実はスージーがクローンデデデの為に最強のウェポンであるD3砲を与えていたのだ

床に描かれた光のルートを辿りながらカービィに激しいレーザービームや足元にしばらマグマが残る火炎放射で攻撃してくる

それでもカービィは負ける訳にはいかなかった、星を救い…大切な友達を助ける為にも立ち向かった

そしてついに、クローンデデデ達を倒したのである!

飛んでいったクローンデデデ達は爆発して「D」の文字の花火となった。

同時にボスを倒した事で、最後のエリアである敵の本拠地「アクシスアークス」への道が開かれた

同時にローアでは…

マホロア「カービィ達がアクシスアークスへのルートを開いテくれたカラ、コレで乗り込めるヨ!」

マルク「いよいよ乗り込むのサ!?」

タランザ「腕が鳴るのね!」

マホロア「まずはカービィ達と合流シテ、ボクらが得た情報を共有スルヨ。」

マルク「キシシ、楽しみなのサ!」

タランザ「溜めてきた魔力を存分に発揮させてもらうのね!」

楽しそうな様子で話すマルクの紫の瞳はギラギラと光り、本性を隠すつもりは微塵も無い様だ

そしてタランザも白い瞳が輝き、強い魔力がオーラとなって彼を纏っている

そしてマホロア自身も…

マホロア「クックック…ボクらの力であの企業を支配してアゲルヨォ!」

楽しげに笑うマホロアの表情は狂気に満ちていて…3人は滾る魔力を抑えながらカービィ達の元へと向かった。

To be continued…