負けたハルトマンは顔を真っ赤にして怒り出し…
ハルトマン「ぐぬぅぉぉっ…何たる品の無い原住民めっ!野蛮、野蛮、野蛮…ヤバァーンであーるぅぅ!も~う容赦はせんぞぉ!この宇宙最高のマシン、星の夢を使い…お前達原住民を根絶やしにしてくれるのであーるぅぅっ!!」
カービィ「えっ…!?」
アイシェ「そんな…!!」
バンワド「何て酷い事を…!!」
星の夢のHのロゴが刻まれた場所に乗り込み、ハルトマンが操作をすると頭上にヘルメットの様な機械が現れて被ろうとした瞬間!
バシッ!!
何とスージーがハルトマンからそのヘルメットの様な機械を奪い取った!
ハルトマン「ぐぁぁ…貴様、スージー!!何を…っ!コ…コントロールが不能に…な…」
どうやらあの機械はマザーコンピューターをコントロールする機械だった様で、そのまま気を失った。
するとスージーはハルトマンを見上げて…
スージー「キャハッ!まさかこーんなに早くチャンスが来るなんてネ!星の夢プログラムは頂くわよ、社長さん。こんなのは他のカンパニーにでも、売りつけてやるわ。」
カービィ「スージー、キミは…!?」
驚くカービィにスージーは得意気な様子で…
スージー「…うふっ、どう?アタシ今、イカした企業スパイみたいでしょ?なーんて…アンタには分からないでしょうけどね。」
バンワド「今までと口調も様子も違う…一体何が…?」
アイシェ「スージー…貴女もしかして…!」
スージー「まぁいいわ、このプログラムコントローラーさえあれば…さぁ星の夢よ、お前の全てのデータを頂くわ!」
しかし、星の夢のハルトマンの座る場所の下からオレンジの瞳が現れて…
バリバリバリッ!!
雷の様なビームがスージーを襲った!
スージー「きゃあぁぁーーーーっ!!」
アイシェ「スージー!!」
カービィ「大丈夫!?」
バンワド「星の夢…どうしてスージーに攻撃を!?」
驚いたカービィ達がスージーに駆け寄るが、気絶していて反応は無く…
ハルトマン「アーーー…………」
突然星の夢からハルトマンの声が聞こえて来て、意識を取り戻したのかと3人が振り返ると気を失ったまま。
すると…
星の夢「……ワタ…シの名ハ……マザー…コンピューター…「星の夢」イヤ…「ハルトマン」なのカ……?……もハヤ、ドウデモヨイコト…か……。」
そう言って起き上がったハルトマンの瞳は黄色く変化していて…彼の体を通じて星の夢が話しているのだと気づいた。
アイシェ「星の夢…ハルトマンをどうするの…。」
星の夢「アー………オ…ホン、ワタシハ…コノ体を通ジ…生命体…の全テをシッタ…。カンパニーのハンエイとイウ…「ネガイ」のタメにハ…不完全でカヨワキ…生命体ナド…不要とハンダン…ナラバコレより…その歴史に…オワリを…ツゲヨウ…。」
カービィ「そんな…ダメだよ!!」
星の夢「カンパニーの永遠ナルハンエイのタメニ…ホロビナサイ。」
すると…轟音と共に周りの壁が崩れて天井が大きく開き、星の夢は床から浮き上がるとどんどん上昇して…そのまま宇宙へと飛んで行ってしまった!
アイシェ「このままじゃみんな…みんな居なくなっちゃう…!」
バンワド「そんなの嫌だよ…!」
カービィ「何とかあれを…星の夢を止めなきゃ…!」
混乱するカービィ達だったが、そんな中スージーが意識を取り戻した。
スージー「んっ…。」
アイシェ「スージー、大丈夫!?」
スージー「うっ…アイシェ…。」
カービィ「スージー…!」
バンワド「どうしてあんな事を…!」
スージー「……まさか、こんな事になっちゃうなんてネ………全っ然笑えないわ。」
そう話しながら、スージーはリモコンを押してインベードアーマーを呼び出してそっと撫でた。
アイシェ「スージー…やっぱり貴女はこの計画を…。」
スージー「アイシェの言う通りよ……アタシはね、星の夢を奪って…アイツに吠え面をかかせて目を覚まさせたい…そう思ってただけなのよ。それなのにあんな…あんな狂ったマシンに滅ぼされちゃ堪んないわ!…さぁ、乗りなさいよピンクの原住民…このアーマーでさっさとあのマシンを…ぶっ壊しちゃってよね!!」
カービィ「スージー……うん、任せて!」
キリッとした表情になったカービィが、そのまま乗り込むとロボボアーマーに変化した
すると、大きな音が聞こえてきて…外を見ると現れたのは戦艦ハルバード!
メタナイト「カービィ!」
カービィ「メタナイト!」
アイシェ「メタさん!」
バンワド「完全に戻ったんだね、よかった!」
メタナイト「心配をかけたな…もう大丈夫だ、それよりカービィ…我が戦艦を使え!」
カービィ「ありがとうメタナイト!」
ロボボアーマーと共に窓に突っ込んで…
ガシャアァァーン!!
ガラス窓を割って出て行くと、そのまま戦艦ハルバードをスキャンして…戦艦ハルバードモードになった!
戦艦はカービィのピンク色を基調とした色に変わり、顔もロボボアーマーに変化して…それはスージーの方を向くと、ゆっくりと頷いて宇宙へと飛び立った!
スージー「お願い……星のカービィ!」
空を見上げてスージーは祈り、全てをカービィに託し…
バンワド「よかった…カービィ…!」
バタッ!バンワドはその場に倒れて、持っていたスピアがカランと音を立てて転がった。
アイシェ「バンワドくん!!」
驚いたアイシェが彼に駆け寄ったが…
スージー「気を失ってるだけね、じきに気がつくと思うわ。」
アイシェ「よかった…。」
気絶するバンワドをぎゅっと抱きしめて安心するアイシェを、スージーはじっと見つめていて…
スージー「アイシェ…」
彼女の名前を呼んだその時!
フッ…オフィスの電気が消えて暗くなり…
アイシェ「えっ…何が起きたの…!?」
スージー「分からないわ…まさか停電…!?」
驚く2人、すると…
???「観念しろヨ、この侵略者メ!」
スージー「誰なの!?」
アイシェ「この声は…!」
2人が声の聞こえた方を振り返ると、スポットライトが当たって…
マホロア「かつてはコノ星を支配しようとしたケド、今はコノ星を守る最強の超一流魔術師、マホロアとはボクの事ダヨッ!!」
どーーーん!!
キリッとしたドヤ顔で現れたマホロアは、スージーに向かって指を差していて…
アイシェ「マホロア!」
マホロア「お待たせ、アイシェ!テメー、よくもボクの大切なアイシェを攫ったナ!!ボクがギッタンギッタンのボッコボコにしてヤルヨォ!!」
そう怒るマホロアだが…少し離れた所では疲れ果てたマルクがうつ伏せでピクピクしていて…
マルク「…まずボクが、お前をギッタンギッタンのボッコボコにしていいのサ?」
マホロア「マルク、キミはボクを運んでくれたんダカラ感謝してるヨォ~?」
マルク「自分で飛べばいいのに、ボクに掴まって楽した挙げ句に帽子を引っ張ってもっとスピード出せって無茶言いやがって…!」
マホロア「おかげでカッコイイ登場シテ、アイシェがボクに見惚れテくれるんダカラ最高ダロ。」
マルク「見惚れてねーだろ、だからあの登場は止めとけって言ったのサこの馬鹿タマゴ!」
そう話すマルクはビキビキしているが、マホロアは全く気にしておらず…相変わらずのやり取りが繰り広げられていた。
スージー「…アイシェ、何なのアイツは?」
呆れた様子のスージーが尋ねると、アイシェは頬を真っ赤に染めて…
アイシェ「彼はマホロア…私の恋人…なの…。」
すると、スージーは驚いた顔をして…
スージー「えっ…彼がそうなの!?」
アイシェ「うん…。」
そんなやり取りをしている間に、マホロアはゆっくりとアイシェに近づいて…ぎゅっと抱きしめた。
マホロア「アイシェ、よく頑張ったネ…モウ大丈夫ダヨ。」
抱きしめられたアイシェは、頬を真っ赤に染めたまま青い瞳から大粒の涙を流して泣いてしまい…
アイシェ「マホロア…ぐすっ…マホロアぁ…!!」
そっと手を伸ばして、マホロアを抱き返した
2人はしばらく抱き合って再会を喜び、スージーはそれを見ていたが…アイシェが泣き止んだ頃に口を開いた
スージー「驚いたわ………こんなのが恋人だなんて…。」
マホロア「コンナのネェ…今すぐココでソノ生意気な口を黙らせてヤロウカァ?」
そう言ってアイシェを左手で抱き寄せつつ、右手からはバチバチと魔力エネルギーを出しているマホロア
スージー「っ……!!」
真顔で黄色い瞳はスージーを真っ直ぐ捉えていて、物凄く怒っているのが伝わってきて…彼のオーラにスージーは思わず息を飲んだが…
アイシェ「マホロア、やめて…。」
そっと彼の手に自身の手を添えて、アイシェはマホロアを止めた
マホロア「アイシェ?」
アイシェ「攫われたけど、スージーはずっと私を大切に守ろうとしてくれてたの…。」
そう言うとアイシェはマホロアから離れ、スージーの傍に行き…
スージー「アイシェ…。」
アイシェ「お願い、話してスージー…貴女に何があったのか…あのマザーコンピューター「星の夢」の事を。」
自分を見つめるアイシェの真っ直ぐな青い瞳を見たスージーは、観念して頷くのだった。
To be continued…