船の中で一行は、それぞれの部屋に荷物を置いてのんびり過ごしていた。
部屋は3つあり、デデデとカービィとバンワド、メタナイトとドロッチェ、マホロアとアイシェの部屋になった
マホロア「フゥ…とりあえず目的の港に着くまでは、コレで安心ダネ。」
アイシェ「うん。」
マホロア「……………。」
アイシェ「マホロア?」
カチャ…マホロアは鍵を閉めると、突然アイシェを抱き寄せた
マホロア「アイシェ。」
アイシェ「どうしたの?」
マホロア「ハァ…イイ香りダヨォ…。」
そう言いながら、マホロアはアイシェの銀髪に顔を埋めつつ、スルッとスカートの中に手を入れた。
アイシェ「マホ…ロアぁ…。」
マホロア「あんな奴にアイシェの髪や手を触られるなんテ…ハァ…気が狂いそうダヨ…。」
若干呼吸の荒いマホロアは、アイシェをゆっくりとベッドに押し倒して…そのまま彼女の首元のリボンを解き、首筋に唇を這わせていく
アイシェ「んっ…はぁ…マホロア…ダメ…ぇ…!」
マホロア「ハァ…どうシテ…?」
アイシェ「船だもの…それに…聞こえちゃう…!」
マホロア「一番奥の離れた部屋にシテ貰ったんダカラ、コレくらいナラ聞こえないヨ…。」
アイシェ「ん…ぅ…。」
マホロア「アイシェ…アイシェ…。」
熱を帯びた甘い声で何度も名前を呼びながら耳を甘噛みするマホロアに、アイシェは頬を真っ赤に染めてビクンと反応してしまう。
アイシェ「はぁ…マホ…ロア…。」
マホロア「ハァ…流石に船ではお預けダケド…ローアが元通りになっタラ…ネ?」
アイシェ「うん…。」
そう言って頬にちゅっとキスをすると、アイシェは青い瞳を潤ませつつも優しい笑みを浮かべて頷いた
その後は2人だけの時間を過ごし、夜はみんなでご飯を食べて盛り上がった。
夜中…
マホロア「…アイシェ?」
ふと目が覚めたマホロアは、アイシェが隣に居ない事に気がつき…心配して甲板へ出ると彼女の姿を見つけた
ホッとして近づくと、外套を纏いながら星空を眺めていて…マホロアの気配に気がついてゆっくり振り返った。
アイシェ「マホロア。」
マホロア「起きタラ居なかったカラ…どうしたノ?」
アイシェ「眠れなくて…星を見てたの。」
そう言って再び星空を見上げるアイシェだが、それを眺める横顔は寂しげで…マホロアはアイシェを抱きしめた。
マホロア「怖いんダネ、アイシェ…?」
アイシェ「…うん、あの砂漠のお話が気になって…。」
マホロア「ボク達は絶対に負けないヨ、ソレにアイシェはボクが必ず守るカラネ。」
アイシェ「マホロア…!」
マホロア「ボク達は一緒ダ………アイシェ、もし幻を見せられタラ「合言葉」デ確認しようカ。」
アイシェ「合言葉?」
マホロア「ウン、ボク達2人の合言葉ダヨ。」
そう言うと、マホロアはアイシェの耳元で「合言葉」を囁いた。
アイシェ「この合言葉があれば、きっと…。」
マホロア「もし幻に惑わされテモ、ボクを信じてアイシェ…必ず助けるカラ。」
アイシェ「うん、マホロアは必ず来てくれるって信じてる。」
マホロア「アイシェ…。」
アイシェ「マホロア…。」
美しい夜空の下…マホロアはアイシェを抱き寄せ、左手を彼女の頬に添え…2人は深く長く口づけた。
翌日…アイシェはカービィとバンワドと3人で絵を描いて遊んでいたが、突然ピクッと反応して立ち上がった。
カービィ「アイシェ?」
バンワド「どうしたの?」
アイシェ「声が聞こえる…!」
カービィ「えっ?」
アイシェ「どこ…どこにあるの?」
そう言い残して、アイシェは部屋を出て行ってしまい…
カービィ「アイシェ!」
バンワド「待ってよー!」
慌てて2人はアイシェを追って部屋を出た。
一方甲板ではマホロア達が海の様子を見ていて…
デデデ「順調に向かってるな。」
メタナイト「幸い、嵐も起きなさそうだ…これなら予定より早く到着出来るだろう。」
そんな話をしていると、パタパタと小さな足音と共にアイシェ達が甲板へ出てきた。
アイシェ「マホロア!」
マホロア「アイシェ、どうしたノ?」
アイシェ「ローアの声が聞こえるの、歯車が近くにあるみたい!」
マホロア「エッ!?」
メタナイト「ローアの声が聞こえる?」
ドロッチェ「どういう事だ?」
マホロア「ローアは「心を持つ船」なんダ、アイシェはローアと心を通わせて声を聞く事が出来るカラ、歯車の気配を察知して聞こえてるのカモ。」
バンワド「すごい…アイシェにそんな力が…!」
カービィ「ローアはどこって言ってるの?」
アイシェ「微かにしか聞き取れないけど…白い岩って聞こえてくる…。」
マホロア「白い岩…近くにソンナ岩は無さそうダケド…?」
デデデ「おい、あれは何だ?」
そう言ってデデデが指差した方向では、海の中が光り輝いていた。
カービィ「もしかして、あれが歯車の場所なんじゃないかな?」
デデデ「よし、すぐに行くぞ!」
船は光る場所へと近づき、そっと覗き込むと…
パアアアアッ!!
光は大きくなって船を包み込み、眩しさのあまり目を瞑った一行だったが…光が収まってそっと目を開けると…
アイシェ「ここは…海の中…?」
辺り一面は美しい青が広がり、色とりどりの魚達が泳いでいる。
ドロッチェ「ここは一体どこだ…本当に海の中なのか?」
驚きで辺りを見渡すカービィ達だが、アイシェにはこの光景に見覚えがあって…
アイシェ「(ここ…カービィ64のウルルンスター、深海でクリスタルを探したステージと似てる…。)」
そんな事を思うアイシェだったが、微かにローアの声が聞こえて辺りをキョロキョロした。
マホロア「ローアの声が聞こえるノ?」
アイシェ「うん、また微かにだけど聞こえる…この奥に白い岩があって、そこに挟まってるって言ってるよ。」
マホロア「分かっタ、すぐに向かうヨ。」
ローアの声を頼りに進むアイシェと共に、船で海の底にある大きな空洞へ向かうと…
奥に美しく輝く白い岩と、その隙間に小さな歯車を見つけた。
マホロア「アレは…ローアの歯車デ間違い無いヨォ!」
カービィ「早速取ってくるね!」
そう言ってカービィが泳いで行き、隙間から小さな歯車を掴もうとしたその時!
ズゴゴゴゴゴゴ………!!
大きな音が響き渡った
ドロッチェ「何だ、この音は…!?」
音はどんどん大きくなり、こちらへ迫ってくる
アイシェ「マホロア…!」
マホロア「大丈夫、ボクが守るカラネ!」
不安なアイシェをぎゅっと抱きしめ、音のする方を見るマホロア…
すると、音と共に大きな黒い影が現れ、カービィの目の前を過った!
カービィ「うわあっ!」
アイシェ「カービィ!!」
カービィ「大丈夫!」
間一髪の所で何とかかわしたが、カービィの目の間に再び大きな黒い影がかかり、見上げると…
アクロ「グワァァァーーー!!」
大きな咆哮と共に、海の暴れん坊と呼ばれるシャチの「アクロ」の姿が!
アイシェ「あれは…アクロ!」
マホロア「知ってるんダネ、アイシェ?」
アイシェ「うん。」
アクロは歯車を取られない様に目の前を塞ぎ、カービィを睨み付けている
カービィ「戦って追い払わないとダメみたいだね…!」
そう言ってカービィは戦闘態勢に入り…
バンワド「ボクも戦うよ、カービィ!」
そう言ってバンワドは部屋へ向かい、自身の武器である槍を持って船からカービィの元へ泳いで行った!
アイシェ「(あの時と同じ攻撃なら…!)カービィ、アクロは骨や魚を出してくるの…それと時々、体をぶつけて岩を落としてくるから気をつけて!」
カービィ「分かった、ありがとうアイシェ!」
バンワド「行くよカービィ!」
カービィ「うん!」
アクロ「ギシャアァァァーーーー!!」
鋭い咆哮を上げるアクロと対峙するカービィとバンワド…
今、戦いの火蓋が切って落とされた!
To be continued…