翌朝…マホロアとアイシェは目を覚ますとシャワーを浴びて着替え、準備を整えた後に忘れ物が無いか確認した。
マホロア「コレで大丈夫ダネ。」
アイシェ「うん、後は残った時間で髪を纏めちゃうよ。」
そう言ってアイシェはポーチから櫛を出したが…
マホロア「フフッ、ボクがやってアゲルヨ。」
そう言うとアイシェから優しく櫛を取り、丁寧に梳かし始めた。
アイシェ「ふふっ、お願いするね。」
マホロア「任せてヨォ~。」
雲の夢を口ずさみながら、美しく柔らかい銀髪を梳かし…丁寧に編み込んでから髪飾りで止めた。
アイシェ「ありがとう、マホロア。」
マホロア「どういたしましテ。チョット早いケド、待ち合わせの場所に行こうカ。」
アイシェ「うん。」
2人は宿を後にして、ゆっくり歩きながら待ち合わせの噴水へと向かった。
到着すると、既にメタナイトとドロッチェも待っていた。
メタナイト「おはようアイシェ、マホロア。」
アイシェ「おはようドロッチェ、メタさん。」
ドロッチェ「よく眠れたか?」
マホロア「お陰様デネ。」
アイシェ「あとは大王さま達が来たら朝ごはん食べなきゃ。」
ドロッチェ「近くのカフェで食べよう、そしたらいよいよ雪山に出発だ。」
マホロア「かなり大きな雪山ダケド、道はあるのカイ?」
メタナイト「この山を行き来している商人から聞いたが、道が2つあって片方は吹雪いても比較的安全な道だと言っていた。少しだけ回り道になるが、安全性を考えればこちらの方が良いだろう。」
マホロア「そうダネ、無事に山を越える事が最優先だモン。」
そんな話をしていると、デデデ達がやって来た。
デデデ「おはよう、みんな揃ってるな。」
ワドルディ「ほら、カービィ着いたよ。」
カービィ「ん…んん~ほんとだ…。」
まだ眠そうなカービィは、ワドルディに手を引かれながらも眠たい目を擦りつつ歩いて来た。
デデデ「まずは腹ごしらえだな、どの店で食うんだ?」
ドロッチェ「近くのカフェで食べようと話していたんだが、大丈夫か?」
デデデ「あぁ、構わないぜ。ほら行くぞ!」
そう言ってカービィを担ぐとデデデは歩き出し、マホロア達も続いて歩き出した。
カフェに着いた頃にはカービィも完全に目を覚まし、皆で食事を済ませた後に雪山へ向かう準備を始めた。
カービィ「みんな大丈夫?」
ドロッチェ「あぁ、いつでも出発出来るぜ。」
メタナイト「私も大丈夫だ。」
マホロア「アイシェ、着れたカイ?」
アイシェ「うん、これで大丈夫。」
2人もマホロアが持って来た外套に身を包み、全員が雪山を越える準備が整った。
デデデ「よし、行くぞ!」
一行は雪山に足を踏み入れ、はぐれない様にゆっくりと登り始めた。
マホロア「ボクの手を離さないデネ。」
アイシェ「うん。」
サクッ…サクッ…
積もる雪を踏みながら歩いて行く一行…すると、アイシェが突然止まって耳を澄まし始めた。
マホロア「ミンナ待っテ、アイシェがローアの声をキャッチしたみたいダカラ。」
メタナイト「そうなのか、アイシェ?」
アイシェ「うん、ローアの声が微かに聞こえる……建物の…屋上…機械に守られてる…。」
マホロア「建物の屋上と機械…どういうコトなんダロウ?」
バンワド「周りには無さそうだけど…?」
アイシェ「でも、ローアはそう言ってるの…こんなに大きな雪山のどこに、そんな場所が…?」
カービィ「とにかく今は進んでみよう、もう少し歩いて行けば、またローアから手掛かりがあるかもしれないよ。」
マホロア「カービィの言う通りダネ、行こうアイシェ。」
アイシェ「うん。」
一行は再び歩き出し……それからどれくらい歩いただろうか、山の中腹辺りに差し掛かろうとしていたその時!
パアァァァッ!!
船で航海していた時と同じ様に、強い光に包まれて…
目を開けると、そこは雪山では無く…巨大な建物が並ぶ場所だった。
カービィ「わぁっ、ここはどこ!?」
メタナイト「これは…!?」
ドロッチェ「もしかしたら海の時みたいに、ローアの歯車に導かれて別の世界に来てるのか?」
驚くカービィ達だったが、マホロアとアイシェには見覚えがあって…
マホロア「ココは…アノ星じゃないカ…!」
それはアイシェが生前ゲームで見た、マホロアがマルクと遊びの研究の旅で寄り道をした時に訪れた「ブルブルスター」の高層ビル街だった。
アイシェ「(屋上で機械に守られている…もしかして…!?)」
ローアの言葉を思い出したアイシェには、心当たりがあり、嫌な予感がした…。
辺りを慎重に見渡しながら一行が頂上へ向かうと…
カービィ「わぁ…すごい高さだ!」
バンワド「こんな所から落ちたら大変だよ…!」
デデデ「アイシェが聞いた話では、屋上の機械に守られてるって言ってたな?」
ドロッチェ「だが、そんな物は見当たらないぜ。」
皆が辺りを見渡す中、嫌な予感は確信に変わり胸に手を当てて僅かに震えるアイシェを、マホロアは強く抱き寄せた
マホロア「アイシェ…機械について何か知ってるんダネ?」
メタナイト「そうなのか、アイシェ?」
アイシェ「うん、その機械は…」
そこまで言いかけたその時!
ズゴゴゴゴゴゴ…
辺り一帯に響き渡る不気味な轟音と共に、下から突き上げる様な揺れが襲う!
マホロア「ワァッ…すごい揺れダヨォ!?」
デデデ「何が起きたんだ!?」
バンワド「わわっ…!」
カービィ「な…何かが下から出てくる…!?」
アイシェ「みんな気をつけて…これは巨大なロボットなの!」
メタナイト「ロボット…!?」
ドロッチェ「おい、下から何か飛んでくるぞ!」
そう言ってドロッチェがステッキで下を指すと、巨大な影が勢いよく飛んで来て、目の前に巨大なロボットが姿を現した!
アイシェ「やっぱり、あれはHR-H…!」
カービィ「HR-H、それがあのロボットの名前なの?」
アイシェ「うん…!」
マホロア「ミンナ見テ、ローアの歯車ダヨォ!」
そう言ってマホロアが指差した先には…巨大ロボット「HR-H」の胸元に光るローアの歯車があった!
アイシェ「HR-Hは元の世界ではカービィに倒されて壊れたはずなのに、どうして…!?」
マホロア「多分、ローアの歯車の影響デ一時的に復活してるんダ…それナラあの歯車さえ取り返せバまた動かなくなるハズ!」
カービィ「なら戦うしかなさそうだね!」
そう言ってカービィは戦闘態勢に入り…
デデデ「おっと、お前にばかり任せてられないぜ!」
そう言うと、デデデは持っていたハンマーを持ってカービィの隣に立った!
カービィ「デデデが居れば心強いよ!」
デデデ「へへっ、行くぜ!」
カービィ「うん!」
こうして…歯車の力によって動くHR-Hとの戦いが始まった!
To be continued…