小説「夢結ぶ星りんご」(夢幻の歯車編)~蘇ったロボットと幻の砂漠~

HR-Hが巨大な腕を振ってきて、カービィとデデデはギリギリでかわしたが…風圧で飛ばされてしまいそうになる。

カービィ「すごい力…!」

デデデ「当たったらひとたまりもねぇぞ!」

アイシェ「腕が弱点だから、振り下ろして来た時に石を吸い込んでぶつければダメージを与えられるよ、ミサイルも飛ばしてくるから気をつけて!」

カービィ「分かった!」

HR-Hは再び腕を振ってきたが、今度は両腕を上に振り上げてそのまま下ろしてきた!

ズガアァァン!!

大きな轟音と共に地響きが襲い、大きな石が飛んで来た!

バンワド「やあっ!」

飛んでくる石を槍で砕くバンワドだったが、砕き損ねた大きめの石がアイシェに飛んで行き…

アイシェ「きゃあぁぁ!」

バンワド「アイシェ!」

マホロア「リフバリア!」

自分に向かって飛んで来た石に悲鳴を上げたアイシェだが、マホロアがリフバリアを張って防ぎ、バンワドが砕いた。

アイシェ「ありがとうマホロア、バンワドくん!」

バンワド「どういたしまして、無事でよかった!」

マホロア「攻撃はカービィと大王に任せテ、ボクらはアノ歯車を取り返す方法を考えヨウ。」

アイシェ「うん。」

カービィは近くに飛んだ石を吸い込んで腕にぶつけ、デデデも飛んで来た石をハンマーで撃ち返したり、腕を直接殴ってダメージを与えていく

それを何度か繰り返していると、HR-Hの様子が動きが止まった。

バンワド「壊れた…?」

デデデ「何だ、大した事ねぇ…」

アイシェ「まだダメ、次は形態を変えてくるの!」

デデデ「形態が変わる!?」

驚いてアイシェを見るデデデ、すると彼女の言葉通り…

ズゴゴゴゴゴゴゴ…

再び轟音と共にHR-Hは動き出し、体が半分に折れて歯車も隠されてしまい、巨大な腕も向きが変わりが先が鋭く尖った…まるでエビの様な形に変形した!

マホロア「歯車を隠されチャッタヨォ!」

バンワド「アイシェ、あのロボットは!?」

アイシェ「あれはHR-E、今度は腕をハサミの様に開いて挟んでくるから気をつけて!」

カービィ「分かった、ありがとうアイシェ!」

HR-Eは巨大な腕で挟もうとしてきたり、胴体を少し上げて大きなミサイルを飛ばしてくる

カービィも吸い込んでぶつけたり、デデデも飛んでくる4つのミサイルを撃ち返しているが…苦戦している様子だ。

メタナイト「我々も加勢する!」

ドロッチェ「これでも喰らえ!」

そう言ってドロッチェが杖を振り上げると光り輝き…次の瞬間、3つの星を纏う金色のステッキに変化した!

アイシェ「ドロッチェ、それは…!」

ドロッチェ「オレの武器だ、普段は滅多に見せないが…今回は特別だぜ!」

ゲームの中で見た事がある…金色に輝くステッキ「トリプルスター」を駆使して、ドロッチェは強力な攻撃をしていく。

HR-Eの腕を一時的に凍らせて、その隙にメタナイトが地を蹴って飛び上がり…

メタナイト「我が剣、受けてみよ!」

そう言うと、メタナイトが懐から取り出した薔薇が光り…宝剣ギャラクシアに変化した!

そしてメタナイトはギャラクシアを構え、ドリルスラッシュでHR-Eのお腹を攻撃してそのまま破壊した!

しかしHR-Eは上部にある発射口から再び4つのミサイルを飛ばしてきて…

デデデ「行くぞカービィ!」

カービィ「うん!」

デデデはハンマーでカービィを打って飛ばした!

カービィは4つのミサイルを全て吸い込み…落ちながらHR-Eに向かって吐き出した!

吐き出した弾は強力な貫通星型弾となってHR-Eを貫き…

ドゴオォォォン!!

爆発と共に轟音を響かせて煙が辺りを包み…しばらくして晴れると、大破して動かなくなったHR-Eの姿がそこにはあった。

バンワド「今度こそ本当に壊れたみたいだね。」

アイシェ「うん。」

マホロア「歯車を取り戻さないト。」

そう言うとマホロアはそっと近づいて、大破したHR-Eの胴体に手を入れて…ローアの歯車を優しく持ち上げた。

アイシェ「よかった…これで2つ目、残るはあと1つだね。」

マホロア「ウン、星の歯車の場所も近いカラ頑張らないトネ。」

すると辺りが光に包まれて…

カービィ「あ、また雪山に戻される…!」

そう言った直後、一行は光に包まれて…目を開けると雪山を越えていて…目の前には砂漠が広がっていた。

アイシェ「これが…幻を見せると言われる砂漠…。」

メタナイト「この砂漠を越えた先に、星の形の湖があるのだな。」

ドロッチェ「ここまで来たんだ、覚悟は出来てるぜ。」

デデデ「行くしかねぇな。」

バンワド「町のみんなが待ってる、必ず見つけないとね。」

カービィ「行こう、みんな!」

そう話しながら決意を新たにするカービィ達だが…

マホロア「アイシェ、少し休むカイ?」

不安と恐怖に押し潰されそうになるアイシェを、マホロアはぎゅっと抱きしめた。

アイシェ「ありがとうマホロア…大丈夫、行けるよ。」

マホロア「アイシェ…。」

アイシェ「夜になったら危険だから、早く抜けちゃった方がいいと思うの。」

マホロア「分かっタ…ケド絶対に無理はしないっテ約束シテ。」

アイシェ「うん、約束する。」

メタナイト「では行こう、砂漠の向こうへ!」

マホロアとアイシェはお互いに手をしっかり繋ぎ、カービィ達と共に砂漠へ足を踏み入れた。

日差しは容赦無く照りつけ、一行を襲う…

アイシェ「はぁ…はぁ…!」

マホロア「アイシェ、水は飲んでるカイ…?」

アイシェ「うん、適度に飲んでるから大丈夫だよ…。」

メタナイト「覚悟はしていたが、過酷な場所だな…!」

デデデ「このままずっと歩くのは危険だな…どこかで一旦休憩を挟んだ方がいい…!」

そう話しながら歩いていた一行だが…

…シェ…

アイシェ…

自分を呼ぶ声が聞こえて、アイシェは立ち止まり振り返った。

マホロア「アイシェ?」

アイシェ「今、誰かに呼ばれた様な…?」

マホロア「エッ…何も聞こえてナイヨ?」

アイシェ「気のせいだったのかな…。」

ドロッチェ「熱さでやられているのかもしれない、早くどこか日陰になりそうな場所を探した方が良いな…。」

休める場所を求めて再び歩き始めると…砂漠の真ん中に緑地が広がる場所が見えた。

バンワド「あれ…もしかしてオアシス…?」

カービィ「幻……では無さそうだね…!」

デデデ「行こう、あそこで一旦休むぞ…!」

一行は今にも倒れてしまいそうな暑さに耐えながら歩き、オアシスへと辿り着いた。

カービィ「はぁ…はぁぁ~生き返る!」

バンワド「本当に助かったよ…このまま水が枯れたら大変だからね。」

顔を洗ってそう言うカービィと、隣で水筒に水を補給するバンワド…メタナイトとドロッチェも帽子を脱いで涼んでいて、デデデも服のベルトを外してパタパタと手で扇いでいる。

デデデ「あ~涼しいな…。」

マホロアが外套を脱ぎつつ水を補給し、アイシェも水筒の水を飲んだ。

アイシェ「砂漠を越えるのはまだかかりそうだね。」

マホロア「そうダネェ…こんな暑い場所はサッサと抜けたいヨォ…。」

そんな話をしていたその時!

パアァァァ…!!

突然マホロアとアイシェの体が光に包まれ…

カービィ「マホロア、アイシェ!?」

マホロア「アイシェ…!」

アイシェ「マホロア…!」

手を伸ばしてお互いに握り合った直後…光と共に姿を消した!

同じ頃……別の場所で邪悪な笑みを浮かべる大きな影が1つ…

???「星の歯車……ククク…アイシェ……キミはもうすぐ我が元に………。」

To be continued…