小説「夢結ぶ星りんご」~クリスマスパーティー~

クリスマスが目前になり、お城も戦艦ハルバードも飾り付けをされて、国中が煌びやかな雰囲気になっていた。

カービィ「これでサンタさんが来ても安心だね!」

自宅のツリーを飾り付けたカービィも満足気に見ていて、同じ頃ローアでもアイシェがマホロアと共に飾り付けをしていた。

アイシェ「これはここに…この飾りはどこにしようかな?」

楽しそうに飾り付けをするアイシェを見つつ、マホロアも次々と手際よく飾り付けをしていき…

マホロア「最後の飾りハ一緒に行くヨ、アイシェ。」

アイシェ「うん。」

2人でそっとてっぺんの星を持って…ゆっくりと飾り付ければ、素敵なクリスマスツリーが完成した。

マホロア「ブラボー、ブラボー、チョー綺麗なクリスマスツリーになったヨォ!」

アイシェ「ふふっ、サンタさんも喜んでくれるね!」

マホロア「アハハッ、そうダネ!」

嬉しそうに笑いながら、マホロアは思いっきり伸びをした

アイシェ「お茶にする?」

マホロア「そうダネ、ちょうど甘いのが欲しかったシ。」

2人でお茶の準備をして、今日は温かいミルクティーを飲みながらクッキーを食べていると、外では雪が降り出した。

アイシェ「あ、また雪が降ってきたね。」

マホロア「今夜も冷えるネェ…寝る時ハ温かくしないト。」

アイシェ「うん。」

マホロア「…クリスマス、ミンナ楽しく過ごせるとイイナァ。」

アイシェ「楽しく過ごせるよ、今年はマホロアも一緒にね。」

マホロア「そうダネ…ありがトウ、アイシェ。」

2人は嬉しそうに笑い合い、外の雪を眺めながらお茶の時間を堪能した。

それから数日後…プププランドは待ちに待ったクリスマス当日を迎えた

カービィ「マホロア、アイシェ、メリークリスマース!」

アイシェ「メリークリスマス、カービィ!」

マホロア「メリークリスマス!カービィ、キミはホントに元気ダネェ~。」

カービィ「えへへ~今日は楽しい事がたくさんだよ!まずは遊んでその後にお昼を食べて、夕方になったらプランテスでみんなでクリスマスパーティーでしょ、夜もお家でチキンとクリスマスケーキを食べて、サンタさんへのお手紙を書いて寝るんだ!」

アイシェ「ふふっ、ほとんど食べ物のお話になってるよ。」

カービィ「えへへ…だって楽しみなんだもん。」

マホロア「大王が主催でパーティーやるんダヨネ、いつもなガラすごい思いつきト行動力ダヨォ。」

そう話すマホロアもどことなく嬉しそうで、2人も満面の笑みになる

カービィ「マホロアが帰って来て初めてのクリスマス、ボクすっごく嬉しいんだよ!」

アイシェ「マホロアが帰って来てくれたんだもの、これからはもっと楽しいクリスマスパーティーになるね!」

マホロア「カービィ…アイシェ…!」

溢れ出してくる嬉しさにマホロアの黄色い瞳はキラキラと輝き、その頬も赤く染まって…マフラーの下では口元が自然と弧を描いた。

その後カービィの家で3人で遊び、お昼はこたつで温まりながら彼の作ったラーメンを食べた

アイシェ「ん~美味しい!」

ご機嫌でラーメンを食べるアイシェに、カービィも嬉しそうに笑う

カービィ「アイシェがボクの家で食べるのは久しぶりだね。」

アイシェ「そうだね、春までは一緒に暮らしてたのに…何だか懐かしく感じちゃう。」

カービィ「またいつでも来てね、アイシェ。」

アイシェ「ふふっ、ありがとうカービィ。」

そんな2人のやり取りを聞きつつ、マホロアはラーメンを頬張っていたが…ふと半熟のタマゴが目に入った。

マホロア「ア、半熟タマゴ…。」

そうポツリと呟くと、カービィはニコニコしながら口を開いた。

カービィ「アイシェは半熟タマゴが好きだからね、マホロアは半熟じゃない方がよかった?」

マホロア「ウウン、そうジャないんダ。デモ…カービィがアイシェの好きなモノを入れてくれテルのがすごく嬉しくテ………友達っテ暖かいナァ…ッテ……何言ってんダロォ…ボク…。」

自分でも何を言っているのか分からなくなってしまったマホロアは、頬を真っ赤に染めつつそれを誤魔化す様に半熟タマゴを頬張ると…口内で黄身がトロッと広がり、醤油味のスープと抜群のマッチングで更に美味しくて…耳は嬉しさを表現するかの様にパタパタと揺れ、そんな様子をカービィもアイシェも嬉しそうに笑みを浮かべて見ていた。

カービィ「マホロアはどの茹で具合が好き?」

食べつつ尋ねるカービィに、マホロアは少し考えた後に口を開いた

マホロア「正直、どの茹で具合デモ拘りは無かったんダケド…キミの作った半熟タマゴを食べタラ、一番のお気に入りになっチャッタヨォ。」

アイシェ「ふふっ、一緒だね。」

マホロア「ウン、アイシェと一緒ダヨ。」

カービィ「マホロアの好きな物がまた1つ知れて嬉しいよ、これからもどんどん教えてね。」

マホロア「フフッ…カービィ、キミはホント…。」

3人で笑い合い、楽しいお昼ご飯を終えて…その後はこたつでぬくぬくしながら、みかんを食べて談笑した。

アイシェ「ふふっ、みかん美味しいね。」

カービィ「やっぱり、こたつでみかんは定番だよね。」

マホロア「ハァ~、コレすごく温かくてイイネェ…出れなくなっチャウヨォ。」

カービィ「マホロアもこたつに捕まっちゃった。」

アイシェ「ふふっ、きっとこたつに勝てる人は居ないよ。」

マホロア「メタナイトでもコレは勝てなさそうダネェ。」

アイシェ「こんな風にこたつで温まってるメタさん、想像したらちょっと可愛いね。」

カービィ「もしかしたら、お気に入りのガトーショコラ食べながら温まってるかもしれないよ?」

マホロア「アハハッ、意外とありそうダネェ。」

その後…こたつで温まりながらお昼寝して、目が覚めたら夕方になっていた。

3人がプランテスへと向かうと…既にたくさんの人達で賑わっていて、遠くにはタランザとマルクの姿も見える

水兵ワド「アイシェ!」

バンワド「カービィ、マホロア!」

アイシェ「あ、水兵ワドくんにバンワドくん!」

水兵ワド「今日はボク達もパーティーに来たんだ、今はメタナイト様がバル艦長と一緒にデデデ大王とお話してるよ。」

アイシェ「ふふっ、みんな勢揃いだね。」

マホロア「相変わらずすごい賑わい様ダネェ、もうじき始まるのカナ?」

バンワド「うん、もう始まるはずだよ。」

カービィ「わぁ~たくさんのごちそうにケーキ、美味しそう!」

バンワド「たくさんあるから、好きなだけ食べてね!」

カービィ「わーい!」

すると、デデデがマイクを持って挨拶を始め…楽しいクリスマスパーティーが始まった。

メタナイト「ほぅ…これはまた濃厚なガトーショコラだな。」

タランザ「この紅茶も、すごく香りが深くて良い茶葉なのね。」

マルク「キシシ、このシャンパン美味いのサ!ほら、タランザも飲むのサ!」

タランザ「ちょっ…マルクまたハイペースで飲み干したでしょ!?ボクは紅茶を嗜んでるから今はまだ飲まないのね!」

マルク「そんな堅い事言わずに、飲んでちょーよ?」

タランザ「あーー分かったからティーカップにシャンパンを注ごうとするのは止めるのね!」

メタナイトとタランザはケーキと紅茶を嗜み、マルクはお酒を飲み始めてタランザに絡み…

カービィ「んん~~~フライドポテト美味しい!」

デデデ「このローストビーフも美味いぜ、カービィ!」

バンワド「大王様、もっとゆっくり食べた方が…カービィもまだまだあるから急がないで…。」

カービィはデデデとごちそうやケーキを食べまくってバンワドに心配され…

マホロア「アハハッ、ミンナいつも通りダナァ。」

アイシェ「ふふっ、でもとっても楽しそう。」

そんな「いつもの光景」も楽しくて…マホロアとアイシェは顔を見合わせて笑ってしまう。

すると…ふわふわと雪が降り始め、巨大なクリスマスツリーのイルミネーションが幻想的に輝き…その場に居た人々は一斉に視線を移した。

マホロア「綺麗ダネ…アイシェ。」

アイシェ「うん。」

2人は手を繋ぎながら眺め…みんなと一緒に美味しい料理やデザートに舌鼓を打ち、楽しいクリスマスパーティーは終わった。

ローアに戻った後…マホロアはシャンパン、アイシェはシャンメリーを飲みながら2人だけの小さなクリスマスパーティーを楽しみ、温かいベッドに眠りにつくと…

翌朝、プププランドの住民達の家には「クリスマスプレゼント」が置いてあるのだった。

To be continued…