マホロア「アイシェ…!」
アイシェ「マホロア、迷ってるんだよね?カービィの助けになりたいけど、私を残して行く事に…。」
マホロア「ッ………!」
核心を突かれたマホロアは言葉に詰まった。
アイシェを連れて行ければそれが一番良い、だがこれから待ち受ける冒険はきっと過酷な道になるだろう…色々とサポートしてくれるとはいえ、戦えないアイシェを守りながらずっと冒険していける保証は無い…
けれども…今ここで彼女を置いて行ったら永遠の別れになりそうな気がして…
ずっと共に生きると決めているのに…普段なら思いつきもしない様な不安が、マホロアの心をずっと纏わり付いて離れない…
タランザ「ボクやマルクが代わりに行くから、マホロアがアイシェの傍に居るのね?」
マルク「ボクは構わないぜ、お前がアイシェを守るのが一番いいだろうしな。」
マホロア「………………。」
心配したタランザとマルクがそう提案するが、マホロアは返事が出来なくて…するとアイシェが再び口を開いた。
アイシェ「私はここで大王さまの怪我を看てるから、マホロアはカービィを助けてあげて。」
マホロア「アイシェ…デモ…デモッ…!」
アイシェ「私は大丈夫、星の危機だもん…みんなで力を合わせなきゃ。」
マホロア「アイシェ…!」
いつもの様に明るく振る舞うアイシェに、マホロアは何と答えたらいいか分からなくて…
カービィ「…マホロア、もう夕方だし今日は休もう。明日出発するから、今はローアでアイシェと2人きりで話した方がいいと思うんだ。」
アイシェ「カービィ…私は…。」
カービィ「我慢しないで、アイシェ…マホロアとちゃんと話しておかないと、きっと後悔しちゃうから。」
アイシェ「カービィ…!」
マホロア「…そうダネ、カービィの言う通りダヨ…行こうアイシェ。」
アイシェ「…うん。」
見かねたカービィが声をかけて、マホロアはアイシェと一緒に一旦ローアに戻った。
マホロアの部屋に向かい、床に置かれているクッションに座った2人だが沈黙が続いていて…今はこの静寂な時間が恐ろしく感じる
何か言わなきゃ…そう思うアイシェだが言葉は出てこなくて俯いてしまって…涙が出てきそうになるのをぐっと堪えていると、マホロアが抱きしめてきた。
マホロア「…怖いんダ。」
アイシェ「えっ…?」
マホロア「カービィの力になりタイ…ケド…ココでアイシェと離れたらモウ二度と会えない気がシテ…ッ!」
そう言って、マホロアはアイシェを強く抱きしめた。
アイシェ「マホロア…私…本当は…っ…!」
マホロア「アイシェ…ッ…!」
アイシェ「マホロア…マホロアぁ…!」
震えるマホロアを抱き返すアイシェの瞳から涙が溢れては、彼の服に消えていく…
気丈に振る舞ってマホロアの背中を押したが、本当は不安で怖くて堪らなかった…傍に居て欲しいと言いたかった
それでも言えなかったのは、この星が大切な場所だから…
カービィ達と出会って仲良く過ごし…マホロアと出会い、再会して結ばれ愛を育んできたこの大切な場所を守りたいという気持ちが大きかったから。
それはマホロアも同じで、本当ならアイシェの傍に居てずっと守りたい…今すぐにこの星を捨てて2人で逃げてしまう事だって出来るのだ
それでもマホロアがこの場に残り続ける事を選んだのは、愛するアイシェや大切な友達であるカービィ達が居るから
様々な奇跡を起こすポップスターで共に生きる道を選んだから。
力になりたい、でもお互い傍に居たい…苦しい胸の内を打ち明けて抱きしめ合う2人…
するとマホロアがアイシェの顔をじっと見つめ、マフラーを下ろして口を開いた。
マホロア「…ホントならアイシェを選びタイ、デモ…キミと共に生きていくと決めたコノ星を救う…カービィの力になりタイのもホントなんダ…。」
アイシェ「うん…私も本当ならマホロアにずっと傍に居て欲しい…でもここを失いたくない…カービィ達が頑張って戦ってるのに、何もせずに待ってるなんて出来ない…。」
マホロア「アイシェ…キミはホントに優しいネ……ダカラ、ボクはキミに惹かれたんダ…。」
アイシェの青い瞳からは涙が止めどなく溢れてきて…その度にマホロアは手で優しく拭う
アイシェ「ひっく…ひっく…!」
マホロア「アイシェ…愛してる…愛してるヨ…!」
アイシェ「ぐすっ…マホロア…私も…愛してる…!」
溢れ出る気持ちを正直に口にする2人、その愛の言葉は何度言っても足りなくて…愛おしさと同時にこれから離ればなれになる現実に胸が張り裂けそうになる。
マホロア「…アイシェ、コレダケは忘れないデ……どんなに離れテモ、ボク達の心はいつも一緒ダヨ…!」
アイシェ「う…ん…!」
しっかりと抱きしめながら左手をアイシェの頬に添えて、マホロアは熱く深いキスをした。
マホロア「…モウ…今ハ何も我慢しない……今ダケは何もカモ全て正直になりタイ…。」
そう言うとマホロアは、角度を変えて何度も何度もキスをして…そのままアイシェを抱き上げてベッドに運んで押し倒した。
アイシェ「マホロア…。」
マホロア「アイシェが欲しいヨォ……少しデモ寂しい思いをさせない様ニ…たくさん愛し合いたいんダ…。」
今にも泣いてしまいそうなのをグッと堪えるマホロアの声は震えていて…アイシェは涙を流しつつも頷いた。
アイシェ「マホロア…いっぱい愛して……時間の許す限り…ずっと傍に居て…。」
マホロア「ウン…いっぱい愛してアゲル…傍に居るヨ…アイシェもボクをいっぱい愛しテ…。」
アイシェ「うん…。」
2人は再びキスをして…マホロアはそのままアイシェの首筋に唇を這わせた。
To be continued…