小説「星夢煌めくPomme d’amour」(スタアラ編)~束の間の再会と美人秘書~

一方、部屋に閉じ込められているアイシェは…

アイシェ「何が起きたの…!?」

轟音と大きな揺れに驚いていると、ビートとザン・パルルティザーヌが入って来た。

パルル「ここはもうすぐ崩落する、我々と一緒に来て貰おう。」

アイシェ「えっ!?」

ビート「こちらです!」

アイシェ「待って、カービィ達は…!?」

パルル「あの原住民共は、この要塞と共に滅びるだろう。」

アイシェ「そんな…!!」

パルル「行くぞ。」

ビート「はい。」

アイシェ「やだ…マホロア…みんな…!!」

抵抗するアイシェを抱き上げて、ザン・パルルティザーヌとビートはバリアに包まれて要塞を脱出した。

同じ頃…カービィ達も命からがらジャマハルダから脱出していた。

カービィ「はぁ…はぁ…何とか間に合った…!」

デデデ「はぁ…はぁ…助かったぜ…!」

マホロア「ハァ…ハァ…アイシェ…ッ…!」

メタナイト「アイシェを連れて行くと言っていたが、一体どこへ…!」

そう話す4人の目の前で要塞は崩れ落ち…大きな砂煙の中から飛び出して来たのは…

マホロア「アイシェ!!」

視線の先にはビートとザン・パルルティザーヌ、彼女に抱き上げられているアイシェの姿があった!

アイシェ「マホロア、みんな!!」

メタナイト「アイシェ、今助ける!」

マホロア「テメー、アイシェを離せヨ!」

そう言ってメタナイトとマホロアが飛び上がったが…

パルル「行くぞ!」

バリアに包まれた3人はどんどん加速して、メタナイトとマホロアを引き離す…

アイシェ「メタさん…マホロア…!!」

マホロア「アイシェ…アイシェーーーー!!」

束の間の再会も虚しく、アイシェはまたもや連れ去られてしまった…。

メタナイト「くっ…アイシェ…!」

カービィ「マホロア、メタナイト!」

2人は地面にゆっくり降りてその場で項垂れ、カービィとデデデが追いついた。

デデデ「アイシェは今度こそ奴等の本拠地に連れ去られたんだ…追いかけようぜ!」

カービィ「そうだね、ワープスターですぐに行こう!」

そう言ってカービィがワープスターを呼ぼうとしたその時、4人の上空に大きな影がかかった!

メタナイト「これは…!」

カービィ「リレインバー!もしかして…!」

驚く4人の前にリレインバーが降り立ち…そこから降りて来たのは…

スージー「ご機嫌よう!」

それはかつてポップスターを機械化しようと侵略してきたハルトマン・ワークス・カンパニーの秘書スージーだった!

マホロア「スージー、どうシテ…!?」

スージー「アイシェからの声が聞こえたのよ、貴方達を助けて欲しい…力になって欲しいっていう彼女の願いがね。」

マホロア「もしかシテ、ドリームロッドの力デ…?」

カービィ「きっとそうだよ、アイシェの願いがスージーにも届いたんだ。」

スージー「一体どういう事なの?それにアイシェはどこに?」

カービィ「アイシェは…」

そう言うと、カービィはスージーに状況を説明した。

スージー「何ですって!?可愛いアイシェを攫うなんて、許せないわ!」

マホロア「キミも最初はそうだったんだケド…それはともかくスージー、力を貸して欲しいんダ。」

スージー「もぉ…ワタクシ、スケジュールがいっぱいで忙しいんですのよ…何てね、もちろんアタシも一緒に行くわ、一緒にアイシェを助けましょう!」

カービィ「スージー!」

マホロア「ありがトウ、スージー!」

デデデ「決まりだな!」

メタナイト「……………。」

スージー「という事で、よろしくね…剣士様。」

メタナイト「……あぁ。」

3人は喜んでいたが、メタナイトだけは仮面の中で少しだけ渋い顔をしていた…。

その後、カービィ達がワープスターで宇宙へと飛び上がると…たくさんの星々と遙か遠くに禍々しい要塞の様な物が見えた。

デデデ「あれが奴等の本拠地か?」

メタナイト「邪悪な気配を感じるな。」

マホロア「ウン、それにすごく強い力を感じるヨ…ケド強いバリアで守られてるネ。」

カービィ「という事は、今すぐあそこに入る事は出来ないんだね。」

スージー「近くにたくさんの星があるわね…全てを調べていけば、バリアを壊せるんじゃないかしら?」

マホロア「行くしか無いネ…………ッ……!!」

カービィ「マホロア!」

ぐらっ…目の前が揺れてマホロアは危うくワープスターから落ちそうになり、カービィが手をしっかりと握った。

メタナイト「マホロア、限界ではないのか?」

マホロア「大丈夫…アイシェを早く…助けナ…」

デデデ「おっと!」

そう言って気を失ったマホロアを、デデデがひょいと抱き上げた。

カービィ「マホロア、相当無理をしてたんだね…。」

メタナイト「三魔官達との激戦続きだったからな…今夜はあの惑星で休もう。」

カービィ達は近くの星に降り立ち…安全な場所を確保した後に火を起こして食事の準備をした。

するとマホロアがゆっくりと目を覚まして起き上がった。

スージー「目が覚めたみたいね。」

カービィ「マホロア。」

マホロア「スージー…カービィ…ボクあの後ニ…?」

カービィ「うん、気を失ったからデデデが抱き上げたんだよ。」

デデデ「気分は悪くねぇか?」

マホロア「ウン…ありがトウ大王…。」

メタナイト「今ここで無理をしたら其方も危ない、今夜は休んで回復に専念しよう。」

マホロア「ウン…ホントにゴメン…。」

カービィ「謝らないでマホロア、休息は大事だよ。」

デデデ「飯を食って休む…基本を怠るといざって時に力が出ねぇからな。」

メタナイト「其方は私達をサポートして助けてくれた、今は私達が其方を助ける番だ。」

スージー「この機械でアイシェの無事を確認したわ、だから今夜は安心して休みなさい。」

マホロア「ミンナ…ありがトウ。」

カービィ「マホロアも目が覚めたし、みんなでご飯食べよう!」

デデデ「よし、たらふく食って明日に備えるぞ!」

メタナイト「2人共、食べ過ぎぬ様にな。」

カービィ「大丈夫だよ!」

スージー「全く…相変わらずね。」

マホロア「(アイシェ…キミがミンナを繋いデくれた絆…とっても暖かいヨォ…。)」

アイシェが繋いでくれた絆に感謝しつつ、マホロアはカービィ達と一緒にしっかりと食べ、ゆっくりと眠りについた。

To be continued…