小説「星夢煌めくPomme d’amour」(スタアラ編)~再会と生贄~

カービィ達が驚いている中、ハイネスは奇妙な舞をしている

すると周りにジャマハルダマークを模した魔法陣が3つ現れ…呼び出されたのは三魔官フラン・キッス、フラン・ルージュ、倒れていたザン・パルルティザーヌだった!

するとハイネスは3人からエネルギーを吸収し、意識を無くした彼女達の姿は闇の様に黒く、赤く虚ろな瞳に変化した。

カービィ「三魔官達が!」

メタナイト「部下のエネルギーを吸収してまで…正気の沙汰では無い!」

デデデ「長引くと厄介だ、早いとこケリを着けようぜ!」

そう言ってハンマーでハイネスを叩こうとしたデデデだが、三魔官達を盾にされていて躊躇してしまう…

バンワド「三魔官を盾にして…これじゃあ攻撃出来ないよ…!」

マホロア「…攻撃するヨ、しないとダメなんダ。」

カービィ「マホロア…!」

メタナイト「マホロアの言う通りだ、ハイネスは彼女達を自分の思い通りに動く傀儡としか見ていない。あの3人の為にも攻撃をしてハイネスを倒し、解放させてやろう。」

デデデ「そうだな…ここで躊躇してたら埒が明かねぇ…それにあの3人もアイシェも星も…何も守れねぇ。」

そう話すデデデの瞳には迷いが消えていて…真っ直ぐとハイネスを見上げていた。

バンワド「大王様……分かりました、ボクも迷いを捨てます!」

カービィ「ハイネスを倒して、あの3人も助けよう!」

迷いを捨てたカービィ達は、全力でハイネスに立ち向かった!

フラン・キッス、フラン・ルージュ、ザン・パルルティザーヌの順に地面に飛ばしてくる「デク降らし」や彼女達を持って振り回す「デクバット」、フレンズ転がりの様に三魔官達と輪になって襲ってくる「デク転がり」と強力な攻撃をしてくるハイネス…

最後には三魔官を盾にして隠れながら攻撃してくる「生贄の籠」をしてきたが、カービィ達はハイネスが顔を出した隙に攻撃をして…彼が怯んで目を回している隙に一気に畳みかけた!

そして…ついにハイネスを撃破したのである。

ハイネス「ヴィイヤァハァイ……!!」

カービィ「ハイネス、三魔官達を元に戻すんだ!」

マホロア「早くアイシェを返セ!」

メタナイト「もう逃げられないぞ、観念しろ!」

デデデ「今までの事、しっかり反省して貰うぜ!」

バンワド「これ以上、お前の好きにはさせない!」

ハイネス「お、お、おのれぇ~い…ま、まさかこのハイネス様がぁ~…破れるとはぁ~…生贄ぇ~…生贄さえぇ~あればぁ~…ならばどうするぅ…?」

ゆっくりと起き上がり俯きながらそう呟くと、ハイネスはヨロヨロと祭壇へ向かい…先程と同じ魔法陣を出した

すると…魔法陣から出てきたのはアイシェ!

マホロア「アイシェ!!」

ハイネス「知れた事ぉ~…最高の魔力を持ったぁ~者達おぉぉぉぉぉ~…!」

そう言って、ハイネスは振り返る事無く右手を振り上げて…三魔官達は大きなジャマハートの宝石に取り込まれた!

メタナイト「なっ…!」

デデデ「部下を生贄にしたのか…!」

バンワド「何て酷い事を…!」

ハイネス「そしてかくなる上はぁ~…!」

しかしハイネスはそれだけでは無く、アイシェを抱き上げて投げ入れようとしている!

カービィ「アイシェを離すんだ、ハイネス!」

ハイネス「この娘はぁ~…極上の魔力を持っているぅ~…神への最高の捧げ物となるのだぁ~…!」

そう言ってハイネスはアイシェを投げ入れようと動き出し…

マホロア「ヤメロォォォォォーーーーーーッ!!」

急いで走りながら叫ぶマホロア…しかしハイネスはアイシェを投げ入れる直前で…このままでは間に合わない!

カービィ「アイシェーーーーーーッ!!」

ぎゅっと目を瞑ったカービィが叫んだその時!

ハイネスの足下から影が出現し…そこから何者かが飛び出して来た!

ハイネス「ンジャアアァァァ!?」

驚いたハイネスが気がついた時にはアイシェの姿は無く、キョロキョロと辺りを見渡した後に見上げると…そこに居たのはアイシェを抱き抱えているマルクだった!

マルク「間に合ったのサ!」

マホロア「マルク!」

するとカービィ達の目の前に2つの光が降り立ち、そこにはタランザとスージーが居た。

タランザ「ボク達も来たのね。」

スージー「ドロッチェ達はまだ足止めしてるわ、だからアタシ達が先に来たの。」

メタナイト「そうであったか、ありがとう。」

スージー「ウフフ、どういたしまして。」

返事をしたスージーの頬は赤く染まり、嬉しそうな彼女の様子にメタナイトも思わず仮面の下で笑みを浮かべた。

マルク「ほら、マホロア。」

マホロア「ありがトウ、マルク。」

アイシェを受け取ったマホロアは、ぎゅっと抱きしめて頬を優しく撫でた。

すると…

アイシェ「んっ…。」

小さく声を漏らし、アイシェはゆっくりと目を覚ました。

マホロア「アイシェ!」

アイシェ「マホロア……やっと…やっと会えた…!」

マホロア「ウン…アイシェ…傍に居られなくテ…守れなくてゴメン…ゴメンネ…!!」

アイシェ「ううん…マホロアは来てくれたもの…ありがとう。」

強く抱きしめて謝罪をするマホロアに、アイシェは優しい笑みを浮かべながら抱き返して、胸に顔を埋めた。

マルク「アイシェ。」

アイシェ「マルク…怪我が治ったのね…よかった。」

マルク「あぁ、お前がボク達を守ってくれたからな……全く、無茶すんじゃねーのサ!」

そう言うと、マルクは鉤爪でアイシェの頭をクシャッと強めに撫でた。

アイシェ「ふふっ…ごめんねマルク。」

タランザ「よかったの…アイシェ。」

スージー「アタシも安心したわ。」

アイシェを取り戻した事に安堵した一行だが…ハイネスは再び奇妙な舞をすると口を開いた。

ハイネス「ジャマッデム…!それならぁ~…この我が身をもぉ~…破壊の神へ~…捧ぐ~………さぁぁ…蘇って下さいよおぉ……っ…我らが神ぃぃ……………!」

カービィ「破壊の神…!?」

ハイネス「破神…エンデ・ニル!!」

そう叫ぶと、ハイネスは自らもジャマハートの宝石に飛び込んだ!

するとジャマハートの宝石は完全体となり、禍々しく巨大な闇を放ちながら飛び上がって行き…辺りは大きな轟音と共にパラパラと小さな色とりどりの星と石礫が降り注ぎ始めた。

デデデ「早くここから脱出した方が良さそうだな!」

すると上から台座が振って来て、カービィ達の目の前に落ちた

カービィ「フレンズスターだ、これで脱出しよう!」

マホロア「ボク達はローアで脱出するヨ!」

カービィ、メタナイト、デデデ、バンワドが台座に乗ると…フレンズスターの周りに4本の心の槍が出現して包み込み…眩い光と共に姿を変えた!

カービィ「槍がフレンズスターを…?」

バンワド「一体何が…それにこれは…?」

不思議に思う一行に、上から不思議な声が聞こえて来た

これは伝説の秘宝「ティンクルスターアライズ」

愛と希望に溢れる者達よ…破壊の神を止めるのです

カービィ「行こう、エンデ・ニルを止めるんだ!」

ティンクルスターアライズに乗ったカービィ達は飛び立ち、マホロア達を乗せたローアと共に祭壇を後にした。

To be continued…