小説「星夢煌めくPomme d’amour」(スタアラ編)~異界の面樹~

アナザーディメンションに足を踏み入れたカービィは、辺りを見渡した。

数多のキューブが浮かび、時空の裂け目も見える不安定な空間…しかしカービィに恐れは無く、大切な友達の為に歩き出した。

動く足場を渡って行くと、そこにはフレンズハートが浮かんでいて…両手を近づけるとカービィの体に消えて行った

カービィ「フレンズハートを集めていけば、ハイネス達のへ辿り着けるのかも。」

その後も進んで行くと、扉の上にファイターのアイコンが飾られていて…潜ろうとしたカービィに力を与えた。

ファイターのコピー能力を得たカービィは、時にはフレンズハートで仲間を増やしつつも協力して進み、フレンズハートを集めていく…

すると今度はバンワドの顔が描かれた扉があり…

バンワド『カービィ!』

どこからか、バンワドの声が聞こえてきた。

カービィ「バンワド!」

バンワド『ボク達の前に光が現れて、カービィ達の事を教えてくれたんだ!心を通じてキミに力を送るよ!』

そう言うとバンワドの声は消えて、扉から放たれた光がカービィを包み込み…次の瞬間、カービィはバンワドの姿になっていた。

カービィ「すごい…バンワドの力を感じるよ!」

手に持った槍を一振りすると、カービィは扉を潜って次の場所へ移動した。

束になったワドルディ達をかわしつつも大砲に乗って飛んで行き、誘導しつつフレンズハートを集めていく。

そして次の扉に到着すると、今度はデデデが描かれていた。

デデデ『俺様の出番が来た様だな、力を貸してやるからしっかりやれよカービィ!』

声が消えたと同時に光が包み込み…今度はデデデ大王の姿に変身した。

カービィ「デデデの体は相変わらず大っきいなぁ…それにちょっと重い……っと、そんな事言ってる場合じゃないよね。」

ハンマーを手に、デデデの姿になったカービィは扉を潜り…道中で協力して貰ったワドルドゥから付与された電気属性で「バリッカハンマー」に強化しながら、豪快に振り回して進んで行く。

一方マホロア達は…

マホロア「連絡も無いし、順調みたいダネ。」

アイシェ「カー…ビィ…。」

マルク「アイシェ?」

タランザ「目が覚めたのね?」

アイシェ「カービィが…強い敵と戦う…。」

マホロア「強い敵…どんな奴か分かるカイ?」

アイシェ「ウィスピー…クラッコ…メタさん…大王さま…ジャマハートを通じて…思念が生み出した…異界のみの存在…。」

マホロア「大丈夫ダヨ、カービィが倒してくれるカラネ。」

タランザ「マホロアの言う通りなの、だから安心して欲しいのね。」

マルク「カービィとボク達が必ず元に戻してやるから、待ってるのサ。」

アイシェ「うん…あり…がとう…。」

頭を撫でてくれるマルクの手つきは優しくて、アイシェは嬉しそうににっこりと微笑むと再び眠りにつき…

マホロア「(頑張っテ…カービィ!)」

アイシェの手を握りつつ、マホロアはカービィの事を案じながらディメンションホールを見つめた。

一方カービィは新たな扉の前に居た。

カービィ「メタナイト、力を貸してくれるんだね。」

メタナイト『カービィ、私と手合わせする時の事を思い出せ。集中して一筋の剣の道を作るのだ。』

カービィ「うん、ありがとうメタナイト。」

手に持った宝剣ギャラクシアの輝きに呼応する様に、心が熱く燃えているのを感じたカービィは再び扉を潜り、メタナイトの翼で飛びながら華麗な剣技を披露して道を切り開いて行く。

その後は再び元の姿に戻り、コピー能力のファイアで進んだ後にフレンズ吊り橋で鍵を持ったウォンキィを誘導しつつフレンズハートを集めながら進んで行くと…突然カービィの持っていたドリームロッドが輝き出した。

その光は祭壇で待つマホロア達やポップスターに残ったデデデ達、そして冒険を共にしたドロッチェ達の元にも現れた。

カービィは通信機チャームの画面を開き、マホロアに連絡をした

マホロア『カービィ!』

カービィ「マホロア、ドリームロッドが!」

マホロア『ボク達のトコにも光が来て分かったヨ!』

カービィ「マホロア達はアイシェの傍に居てあげて。」

マホロア『カービィ…ありがトウ!』

マルク『無理だけはするんじゃねーぞ!』

タランザ『いざとなったらマルクとボクは行けるからね。』

カービィ「うん、ありがとうマルク、タランザ!」

通信を終わり、カービィはドリームロッドを掲げて祈るとオレンジのハートが降り立ち、バンワドが姿を現した。

バンワド「カービィ、ここからはボクも一緒に行くよ!」

カービィ「うん、よろしくねバンワド!」

バンワドと共に更に先を進むカービィは、力を合わせて進んで行き、順調にフレンズハートを集めていくと…段々とポップスターの様な形の星や木々が見え始めた。

バンワド「これは一体?」

カービィ「まさかボスが居るのかな?」

不思議に思うカービィ達、すると再びドリームロッドが輝き出した

バンワド「カービィ、またドリームロッドが…!」

カービィ「それなら…!」

ドリームロッドを掲げて再び祈るカービィ、すると今度は赤いハートが降り立ち、デデデが姿を現した。

デデデ「バンワドが先に行ってたが、俺様の力も必要な様だな!」

カービィ「デデデ!」

バンワド「来てくれたんですね、大王様!」

デデデ「おう、行くぞお前ら!」

カービィ「うん!」

扉を潜る前に、カービィはバンワドとデデデに炎属性を付与して、それぞれ「メラーガスピア」と「メラーガハンマー」に強化した。

準備を終えた3人が扉を潜ると…そこに広がるのは真っ暗な森と、真っ黒な樹木に黄色く不気味に光る目と口のウィスピーウッズの姿があった!

デデデ「ウィスピーなのか!?」

バンワド「けど見た目と様子が違います!」

カービィ「来るよ!」

異界のウィスピーウッズ…「アナザーウッズ」は禍々しいオーラを放ち、本来の世界のウィスピーと比べ物にならない程に強力な攻撃を繰り出してくる。

敵を落として来たかと思えば、追尾性のある空気も動きが速く…何とかかわすと次は吸い込みをしてきた!

バンワド「うわぁぁぁぁ…!」

デデデ「しっかり捕まってろよ…!」

カービィ「うん…!」

バンワドが槍を地面に突き刺すと、デデデがバンワドを脇に抱えて槍を掴み、カービィも彼のガウンをしっかりと掴んで耐え…

漸く攻撃が止むと槍を引き抜いたバンワドの月落とし、デデデの鬼ごろしデデデハンマー、カービィの火だるまスピンが炸裂する!

その後アナザーウッズは飛び上がって真ん中に居座ったが、3人の炎攻撃で最後は火だるま状態になり…煙を上げながら倒れた。

バンワド「やったー!」

デデデ「大した事ねぇな!」

喜ぶカービィ達だったが、アナザーウィスピーから光が出てきて…先端にハートが付いている細長い槍が現れた。

カービィ「これは、ティンクルスターアライズが出現した時の槍…?」

不思議に思いつつそっと手を伸ばすと、槍は光と共にカービィの中に消え…

それは「心の槍」…

どこからか不思議な声が聞こえた直後、カービィ達は別の強い光に包まれた。

To be continued…