小説「星夢煌めくPomme d’amour」~熱砂の大地とマルクの罠~

ヴァレリオンに突入した参加者達は、それぞれのマシンや己の実力を駆使して駆けて行く。

吊り橋を渡り、道が途切れて崖になっていたが…

マホロア「行くヨ、アイシェ!」

アイシェ「うん!」

スピードを上げると、マホロアはそのままスリックスターごと勢いよく飛び出し…縦に並ぶ3つの通路の真ん中に着地した!

マホロア「フゥ…中々スリリングダネェ!」

アイシェ「すごくドキドキしてる…!」

落ちてしまわないかという恐怖と、マシンに乗って空を飛んでいる不思議な感覚でドキドキが止まらないアイシェは、マホロアの服をぎゅっと握った

マホロア「フフッ、ボクが居るカラ大丈夫ダヨ。」

道が安定した所でマホロアがおでこにキスをすると、アイシェは頬を赤く染めつつも安心した笑顔を見せた。

アイシェ「うん、ありがとうマホロア。」

マホロア「どういたしましテ、このまま突っ切って行くヨォ!」

今度は坂道を下り、激しい水の流れに乗りながらヴァレリオンのゴールを目指し…そのままの勢いで突破すると、次の目的地であるサンドーラへと駆けて行った。

そこから少し遅れてマルク、メタナイトが突破して飛んで行き、更に遅れてデデデとバンワド、カービィが続けてヴァレリオンを突破した!

熱砂の大地サンドーラ…熱い太陽が容赦なく照らすこの地では、水分補給と暑さ対策が欠かせない。

先頭を走っているマホロアとアイシェを乗せたスリックスターは、サンドーラの少し前にある休憩所に停留した。

アイシェ「あれがサンドーラだね。」

マホロア「ココから見ても暑そうなのが伝わって来るネ…ケド、コレがあれば心配無用ダネッ!」

そう言ってマホロアが受付のワドルディにお願いすると、奥から袋に入った荷物を持って来た。

アイシェ「マホロア、これは?」

マホロア「レースの前に準備とシテ、上着を預けてたデショ?今回用意シタのはコレダヨ。」

ゴソゴソと袋の中に手を入れ、マホロアが取り出したのは…星の歯車の冒険の時に着ていた外套だった。

アイシェ「この外套なら、暑さも寒さも平気だもんね。」

マホロア「ウン、万能デ助かるヨォ。」

2人は外套に身を包み、同じく袋に入っていた水筒に水を入れて貰っていると…マルクが到着した。

マルク「キシシ、追いついたのサ。」

マホロア「クククッ、優勝はボク達が貰うケドネェ~。」

水の入った水筒を受け取り、アイシェと共にマホロアはスリックスターに乗って行ってしまい…

マルク「勝負はまだまだ、始まったばかりなのサ!」

心底楽し気な様子で2人の居た場所にそう叫ぶと、マルクも自身に暑さと寒さを無効化する魔法をかけ…水筒を受け取るとその場で一気に飲み干し、ワドルディに向かってポイッと投げて出発した。

その後、メタナイトやカービィ達が追いつき…

メタナイト「少し遅れを取ったな、だが負けはしない。」

水筒を受け取ると、そのまま翼を広げてバサバサと羽ばたかせている

バンワド「あれ、メタナイト…この後は寒暖差が激しいコースだから、対策した方がいいんじゃ?」

カービィ「コルダはすっごく寒いし、マグヒートはマグマ地帯だよ。」

心配するバンワドとカービィだが、メタナイトは涼しい顔をしていて…

メタナイト「私は常に修行をしている、それくらいの寒さも暑さも気にならない。」

そう言い残し、翼を広げて飛び立って行った。

デデデ「あいつ、相変わらず己の身一つで無茶しやがるぜ…。」

ほんの少し呆れた様子で言いつつ、デデデも袋から水筒を出していく

カービィ「ボクはこれで大丈夫!」

バンワド「ボクもバッチリ!それじゃあ大王様、お先に失礼します!」

そう言い残すと、カービィとバンワドは同時に出発して行き…

デデデ「あいつらも元気だな~、俺様も負けてられねぇぜ!」

自身の特注ウィリーバイクに跨ると、そのまま豪快にエンジンを吹かせて走り出した!

その頃…マホロアとアイシェはサンドーラを進んでいた。

アイシェ「最初はマルクも近くに居たのに、いつの間にか引き離しちゃったね。」

マホロア「ボクとこのマシンの力があれば、マルクなんて目じゃ無いヨォ。」

自信満々に言うマホロアは、無駄の無い運転テクニックで駆けていく

アイシェ「マホロア、マシンの運転も上手だね。」

マホロア「エヘヘ~嬉しいヨォ。」

褒められたマホロアは、とても嬉しそうに耳をパタパタとして喜び、その頬も緩んでいる

アイシェ「スリックスターはとっても癖が強いのに、ぶつかる事無く進んでるもの。マホロアだったらどのマシンでも上手く乗りこなせちゃいそう。」

マホロア「モォ~アイシェったら、ソンナに褒めても何も出ないヨォ?」

アイシェ「ふふっ、マホロアぁ…。」

デレデレしながらそう言うマホロアだが、マフラーを下してアイシェの頬にキスをすると…嬉しそうにはにかむのだった。

一方、遅れて後ろを走るマルクだが…

マルク「キシシ…遅れて後ろを走ってるからって、油断してると危ないのサ。」

含み笑いを浮かべながら舌舐めずりをするマルクが、そっと右の翼の鉤爪をクイッと動かすと…

ズゴゴゴゴゴゴ…

不気味な音と共に地面から茨が生え、意志を持つかの様に蠢くと、周りの砂をかき集めて、そのまま巨大な壁にしてしまった!

茨はそのまま消え…何もしらないマホロアとアイシェが進んで行くと…

マホロア「行き止まりになっテル!?」

アイシェ「えっ…ルートは合ってるよ!」

マホロア「何かトラブルが起きテ、道が塞がれたのカナ…こうなっタラ強行突破するヨ!」

マシンはどんどん壁に迫る中、マホロアが両手を動かすと魔法陣が現れ…

ズバアァァーーーーーーーーーー!!

マホロア砲が撃たれ、壁を貫いて行く!

砂の壁が次々と崩れ落ちる中、マホロア砲を撃ったまま突っ込み…

通り抜けて撃つのを止めると、壁は完全に崩れて砂の山となった。

アイシェ「マホロア砲で壁が…すごい!」

マホロア「フフッ、ありがとネェ~!」

拍手をして喜ぶアイシェに、得意げなマホロアはそのまま駆けて行き…

少しして、追いついたマルクは…

マルク「チッ…強行突破されたのサ!」

悔しそうに舌打ちしながら飛び去って行ったが…

今度はその場から太い茨が生えて、道を塞いでしまった!

その後、追い着いたカービィ達だったが…

デデデ「この茨は、マルクの仕業か!」

カービィ「こんなの、こうしちゃうんだから!」

バンワド「わにゃー!」

メタナイト「ハッ!」

ハンマーや吸い込み、華麗な槍とギャラクシアによる剣捌きで茨を壊し、再びスピードを上げながらマルクを追いかけて行った。

To be continued…