小説「Aiming for the ground Octo」~脱出!~

中央駅でしばらく待っていると、反対車線に電車が来て止まり…そこから降りて来たのは2つの部品を乗せてカートを押すタコボーイだった。

ツミ「あんたは…。」

ルイ「えっ…君は…もしかして連れ去られた仲間かい!?」

ツミ「私はツミ、ヒーロー3号との戦闘後に引きずり込まれて気がついたらここに居たんだ…今はアタリメ司令と共に行動してる。」

ルイ「僕はルイ、話を聞いた感じだと…やっぱり君がそうだったみたいだね。」

ツミ「どういう事だ?」

ルイ「僕はタコワサ将軍の命で君の手がかりを探していたんだ。そして君と同じくここに連れてこられた。」

ツミ「そうだったのか…すまない…。」

ルイ「ううん、大丈夫だよ…それよりも無事でよかった。」

アタリメ「ルイ君と言ったかの、お前さんも苦労したのぅ…。」

ルイ「それもこれでやっと終わるよ、君達も部品を集めたみたいだね…これで4つ揃ったもの。」

デンワ「素晴らシイ!2人共本当に優秀デス!それでは約束の地へ行きまスカ?」

ツミ「あぁ。」

ルイ「うん、行くよ。」

デンワ「おめでとうございマス!コレで約束の地への扉が解放されマス!!!」

そう言うと、デンワの後ろの蓋が外れ…稲妻の様な電気を放ちながら嵐の様な風が舞い…

ツミ「な、何だ!?」

ルイ「何が起きてるの!?」

アタリメ「おぉぉ…一体何なんじゃーーー!?」

ブワッ…貼られていた紙が飛んでしまい…ツミは咄嗟に手を伸ばしてその紙を掴み、素早く畳んで自分の服のポケットにしまった。

するとデンワがフワッと浮かび…磁石の様に蓋と思われる物にくっつき、4つの物は組み立てられて完成した。

縦長な機械の様で…ツミとルイの2人は驚いて見上げていたが…

デンワ「さぁ、お入り下サイ!!さあ、さあ!!」

アタリメ「やっとこれで地上に出られる…早くオハギが食べたいのう!」

ツミ「オハギ…?」

ルイ「どんな食べ物なの?」

アタリメ「甘くて美味しい食べ物じゃ、お前さん達にも食べさせてやるぞい。」

ルイ「ありがとう、楽しみだよ。」

ツミ「あぁ、そうだな。」

期待に胸を膨らませる3人は機械の中へ入ったが…

イイダ『あ、ちょっと待って下さい!!これ…よく見たらミキサーじゃないですか!?』

ヒメ『ゲッ!マジじゃん!どーゆー事!?』

デンワ「材料のセットガ完了シマシタ…『ネリモノ』ヘノ加工ヲ、スタートシマス…。」

ツミ「!?」

ルイ「えっ!?」

アタリメ「な、何じゃと!?おーい!!出してくれーーーーーい!!」

ツミ「出せ、ここから出せ!」

ルイ「ダメだ、中からはビクともしない!」

ヒメ『イイダ、このままじゃ3人ともミンチになっちゃうぞ!!何とかなんねーのかよっ!!』

イイダ『あわわ…ミキサーへのアクセスがブロックされていて、こちらの入力を受け付けません!!』

ヒメ『何だって!?』

イイダ『8号さんのNAMACO端末の非常シグナルを鳴らすくらいしか…!!』

ヒメ『ハチ、ルイ、ジジイ…!!』

ツミ「……っ……!!」

非常シグナルを鳴らしたが誰も来ない…

迫り来るミキサーの刃…ここまでか…そう思ったその時!!

ガシャーン!!

天井が蹴破られて…姿を現したのは…!

タキ「そうはさせない!!」

ガンッ!!

ガシャアァァン!!

タキが現れてミキサーを蹴り倒して壊し、ツミ達は外に放り出された!

アタリメ「た、助かったんかの!?」

ヒメ『ウッヒャー危なかったーー!!』

イイダ『良かった…非常シグナルが届いたみたいです!!』

ツミ「うっ…ルイ…大丈夫か…?」

ルイ「うん…ツミこそ大丈夫…?」

ツミ「私は大丈夫だ…司令も大丈夫みたいでよか…あ…あれは…!」

そう言って驚くツミ、彼女の視線の先に居たのは…横たわるタキの姿だった!

アタリメ「お、よく見たら3号じゃないか!オヌシどこに行ってたんじゃ!」

イイダ『えぇっ…それじゃあこのお方が、アタリメさんの捜していた3号さん!?』

アタリメ「3号、大丈夫か3号!?」

タキ「…………………。」

アタリメ「ダメじゃ、さっきのショックでノビとるぞい…!」

すると…天井からミシミシと音がして…

タッ…カツン!1人のタコガールが降りて来た!

ざくろ「タキ!!」

タコスタンプ「ぴっ、ぴっ!」

アタリメ「む、オヌシは何者じゃ…!?」

ざくろ「あ…!」

ツミ『あんた…その格好…将軍護衛部隊の者か!?』

ルイ『えぇ!?』

ざくろ『どうしてあたしの事を…!?』

ツミ『話せば長くなるが…私達も行方不明のタコ達を捜していてこうなった。』

ルイ『今は地上への道を探しているんだ。』

ざくろ『あたしとタキが知ってるよ!』

ツミ『何だって!?』

話し込んでいる3人だったが、アタリメ司令がタキの近くに落ちていた機械に気がついた。

アタリメ「ん、何じゃこれは…?」

イイダ『職員用NAMACO端末…?』

ヒメ『何だそれ?』

イイダ『ちょっと待って下さい、アクセスしてみますね…。これは…ネル社の実験施設の設計図!』

ルイ「彼女が言っていたのはそれの事か!」

アタリメ「何じゃと、でかしたぞ3号!」

イイダ『3号さんの開けた穴から抜け出せそうです!』

ツミ「それじゃあ早速向かうとするか!」

ルイ「うん!」

アタリメ「8号、ルイ君…すまんが先に行っててくれ。ワシは3号が起きるまで傍に居るぞい。」

ツミ「だが、それでは司令が危険だ…。」

ざくろ『あたしが残るよ。』

ルイ『君が?えっと…名前は…。』

ざくろ『あたしの名前はざくろだよ、ツミとルイだよね…今アタリメおじいちゃんが言ってたから覚えたよ。あたしはブキも持ってるから大丈夫、2人は先に進んで。』

ツミ『分かった、気をつけるんだぞ。』

ルイ『後でみんなで合流しよう。』

ざくろ『うん。』

ツミ「アタリメ司令、彼女の名前はざくろ…一緒にここに残って護衛をしてくれるそうだ。私達は先に行って安全を確保してくる。」

アタリメ「分かったぞい、気をつけて行くんじゃぞ!」

ツミ「あぁ!」

ルイ「分かった!」

2人は返事をすると、天井へ向かってスーパージャンプをして脱出ルートの確保へと向かうのだった。

To be continued…