フェスの得票率や貢献度の集計に時間がかかったが、やっと終わって発表の時を迎えた。
ニュースの始まる音楽が流れ…
ポナ「あ、結果が出たみたいだね。」
まめみ「どうなったんだろう?」
ヒメ「お待たせー!結果発表行くぜ!」
イイダ「緊張します…!」
まずは得票率
混沌58.5%
秩序41.95%
ヒメ「よっし!」
イイダ「まだです…貢献度がどうなるかですよ!」
続いて貢献度、レギュラーとチャレンジが同時に発表!
混沌(レギュラー)51.39%(チャレンジ)50.34%
秩序(レギュラー)48.61%(チャレンジ)49.66%
ポナ「全て混沌が上…!」
まめみ「という事は…!」
最終結果
3-0
混沌の勝利!!
ヒメ「よっしゃーーーー!!」
イイダ「あぁぁ………!!」
ヒメ「混沌派のみんな、ありがとな!展開の読めないカオスなバトルがイカしてたぜ!」
イイダ「秩序派の皆さんも、本当にありがとうございました!」
ヒメ「さて……アタシが望む世界って奴だけどな。」
イイダ「うぅ…ハイ…覚悟は…出来て…ます…。」
ヒメ「アタシ達テンタクル…」
イイダ「やっぱり嫌…覚悟なんて出来ません!お願いヒメセンパイ、それ以上先は言わないで!!」
ヒメ「イイダ、あたしがフェス中にずっと考えて出した答えなんだ…ちゃんと聞いてくれよ。」
イイダ「うぅ……分かり…ました……。」
ポナ「どうなるんだろう…!?」
まめみ「まさか…本当に解散しちゃうの…!?」
ヒメ「今回のフェスを持って、あたし達テンタクルズは…」
イイダ「(嫌…ダメ…センパイ!!)」
ヒメ「テンタクルズは本格的に世界進出する事に決めたぞ!」
イイダ「え…えぇぇぇぇぇーーーーーーー!?」
ポナ「せ、世界進出!?」
まめみ「すごい…世界のテンタクルズになるんだね!」
テレビを見て驚きと喜びではしゃぐ2人を知るはずも無く、画面の向こうではテンタクルズの会話が続いていて…
ヒメ「よっしゃーーやったるぜーーー!!」
イイダ「か…解散するんじゃないんですか…?」
ヒメ「はぁ!?んだよそれ…何でテンタクルズが解散しなきゃなんねーんだよ!」
イイダ「だってセンパイが…このままの世界なんていらねーって…!」
ヒメ「だからだよ、ウチらテンタクルズの無敵のカラーで世界を塗り替えてやるんだ!それにやっぱアタシにはイイダが必要なんだ…イイダと音楽が出来ねー世界なんてつまんねーよ。」
イイダ「せ…せんぱぁい…ワタシ…ワタジ……う…うえぇぇぇ~~~~~ん!!センパァーーーイ!!」
ヒメ「ちょちょっ…急に泣くなよイイダ!おい、カメラはアタシの方に向けたままな!!」
しばらくイイダは泣き止まず、ヒメを映したままの時間が続き…
イイダ『ぐすっ…ありがとうございますセンパイ…!』
ヒメ「大丈夫かイイダ?そろそろ落ち着いた頃だろうし、まだまだテンタクルズはこっからだぜ!まだ見た事無い世界をウチらの音楽で、めちゃくちゃカラフルな世界に染め上げて行こうぜ!」
イイダ「ハイ!地の果て深海の果てまでも…ワタシ達の音楽を届けて行きましょうね!」
ヒメ「フェスに参加した人は、広場でスーパーサザエ受け取るの忘れんなよー!」
イイダ「これからもテンタクルズをよろしくお願いしますね!」
こうして速報ニュースは終わり…
まめみ「終わったんだね。」
ポナ「うん、いつもの平穏が戻ったよ。」
スーパーサザエを受け取った2人の笑顔はキラキラしていて…ペンダントも太陽の光を受けて輝いていた。
そして速報ニュースを家で見ていたツネとざくろも…
ツネ「誤解は解けたみたいだね。」
ざくろ「よかった…イイダ先輩。」
ツネ「さて…地下に戻ろうかざくろ。」
ざくろ「うん。」
一方、まめおとスーも…
スー「まめお、この前の返事だけど…。」
まめお「あぁ…。」
スー「もちろんOKよ、断る理由なんて無いわ。」
まめお「スー!」
スー「ずっと一緒よ、まめお!」
まめお「あぁ、もちろんだ!」
スーは嬉しさのあまりまめおに抱きつき、まめおもスーを抱き上げてくるくると回り…優しく下ろすとお互いにキスを交わした。
スー「ふふっ…嬉しい。」
まめお「俺からさらにプレゼントだ。」
そう言うと、まめおはポケットから小さい箱を取り出して…スーの薬指にそっと婚約指輪をはめた。
スー「まめお…これ…!」
まめお「へへっ、驚いたか?」
スー「最高のサプライズよ、ありがとう!」
そう言って笑うスーに、まめおも穏やかで暖かい笑みを浮かべた。
それから6日後…シキが旅立つ前日に、皆でパーティーを開いてシキの門出を祝った。
まめみ「シキちゃん、海外に行ってもナワバリ楽しんでね。」
まめお「相手の子と仲良くな。」
ポナ「困った事があったら、いつでも連絡するんだよ。」
スー「ちゃんと食事は摂るのよ、体は大事にね。」
ペコ「向こうでも、たくさん友達が出来ます様に。」
フー「シキが大きく成長して帰ってくるのを、みんな楽しみに待ってるからな。」
ルイ「俺達はいつでもシキの味方だよ。」
シキ「みんな、本当にありがとう!あたし、向こうに行ってもみんなの事忘れない、もちろん楽しむ心もね!」
アイカ「シキちゃん。」
シキ「アイカちゃん、あの時ルイとアイカちゃんが背中を押してくれたから、あたし決意出来たんだよ…本当に、本当にありがとう。」
アイカ「どういたしまして、私も今こうして生きていられるのは、みんなとシキちゃんのお陰なの…私こそ本当にありがとう。」
シキ「いっぱい写真送るし、連絡もするね…!」
アイカ「うん…待ってる…!」
2人の瞳からは大粒の涙が零れ落ちて…でもお互いに笑顔で、ぎゅっと抱きしめ合った。
そして次の日…
ルイ「忘れ物は無いかい?」
シキ「うん、大丈夫。」
アイカ「あ、彼も来たみたいだよ。」
遠くからシキを誘ったボーイが歩いてきて、シキは彼に駆け寄ると頬を赤らめつつも話を始め…
少し話すと一旦別れ、彼が手続きを済ませている間に再びシキがアイカ達の所へ戻ってきた。
シキ「アイカちゃんにプレゼントがあるの。」
そう言ってシキが渡してきたのは、ラッピングされた小さな袋で…そっと開けるとそこには小さな傘のキーホルダーストラップが入っていた。
アイカ「わぁ、綺麗…!」
シキ「あたしのイカスマホに付いてるストラップとお揃いだよ。」
アイカ「ありがとうシキちゃん、大事にするね!」
そう言うと、アイカはストラップをイカスマホに丁寧に取り付けた。
シキ「えへへ〜嬉しい!」
そう言って笑うシキの笑顔はキラキラしていて、みんなも嬉しそうに笑う
ルイ「あ、手続きが終わったみたいだね。」
シキ「ほんとだ、もう行かなきゃ……あ、アイカちゃん。」
アイカ「どうしたの、シキちゃん?」
不思議な表情を浮かべるアイカに、シキはそっと囁いた
シキ「恋が上手くいきます様に、応援してるよ。」
アイカ「シキちゃん…!」
シキ「今度イカラインで教えてね。」
アイカ「ふふっ…うん、その時は必ず伝えるよ。」
ピンポーン
飛行機のアナウンスが鳴り…
ルイ「気をつけてね!」
アイカ「シキちゃん、行ってらっしゃい!」
シキ「みんなありがとーーー!行ってきます!!」
都合が悪くパーティーに参加出来なかったスルメさんとよっちゃん、ツネとざくろ、エン、ツミも駆けつけて皆が見送る中、満面の笑みを浮かべて相手の男の子と手を繋ぎ…シキは海外に旅立って行った。
ルイ「行っちゃったね…。」
アイカ「うん…でもシキちゃんは大丈夫、いつだって私達と繋がってるもの。」
ルイ「うん、そうだね。」
穏やかな表情で空を見上げると、シキが乗った飛行機は快晴の中で海外へ向けて飛び立って行くのだった。
To be continued…