小説「夢結ぶ星りんご」~お花見~

初夏に入り始めたプププランドだが、この日はミルキーロードにある緑と花の惑星「フロリア」へ遅れた「お花見」に行く為に、アイシェはお弁当を作っていた。

たくさんのおにぎりとおかずを詰めて、アップルパイとクッキーを焼いて丁寧に包むと、ローアの操縦席で準備をしているマホロアの元へ向かった。

アイシェ「マホロア。」

マホロア「アイシェ、準備出来たのカイ?」

アイシェ「うん、私の方はもう大丈夫。」

マホロア「ボクの方も丁度終わった所ダヨ。」

アイシェ「後はカービィ達が来るのを待つだけだね。」

そう言ってソファに座ったアイシェはとてもご機嫌で、マホロアも自然と笑顔になる。

2人で話していると、じきにカービィ達が到着して…

カービィ「マホロア、アイシェ!」

アイシェ「カービィ!」

マホロア「イラッシャイ、カービィ!」

すると続いてデデデとバンワドも入ってきた。

デデデ「よっ、世話になるぜ!」

バンワド「呼んでくれてありがとう!」

アイシェ「いらっしゃい大王さま、バンワドくん、メタさん!」

メタナイト「この香りは…アップルパイとクッキーを焼いたのだな、食べるのが楽しみだ。」

カービィ「メタナイトはアイシェの作るお菓子に目がないもんね。」

メタナイト「あぁ、アイシェの作る料理は格別だからな。」

アイシェ「ふふっ、ありがとうメタさん。」

頬を赤く染めて喜ぶアイシェに、メタナイトも仮面越しに穏やかな笑みを浮かべている

マホロア「後はマルクとタランザだけダネ。」

その後…程無くしてマルクとタランザも共に入ってきた。

マルク「ヘイヘーイ、来たのサ!」

タランザ「楽しみなのね~!」

アイシェ「マルク、タランザいらっしゃい!」

マホロア「ヨシ、これで全員揃っタネ。それじゃあ行くヨ?」

カービィ「うん!」

マホロア「惑星フロリアに向けて…出発ダヨォ!」

そう言うとマホロアはローアの操縦席のボタンを押し、ローアはゆっくりと浮かび上がるとどんどん高度を増して…宇宙へと飛び立った!

アイシェ「わぁ…すごく綺麗!」

窓から宇宙を眺め、青い瞳をキラキラ輝かせているアイシェを見て、マホロアが隣に来た。

マホロア「アイシェは、宇宙を間近で見たのは初めてダヨネ?」

アイシェ「うん、ゲームの世界ではたくさん見てきたけど、本物の宇宙は初めてだよ。」

マホロア「気に入って貰えたカイ?」

アイシェ「うん!」

満面の笑みで喜ぶアイシェに、マホロアも笑顔になり…

マホロア「また見せてアゲルヨ、今度は2人きりで旅行デモしようネ。」

そう言ってマホロアはアイシェの肩を抱き寄せ…

アイシェ「ふふっ、うん。」

頬を赤く染めて頷くと、アイシェもマホロアに身を預けた。

その後、ローアはあっという間にフロリアへ到着し…外で出るとそこは一面が満開の桜と花畑が広がっていた!

カービィ「わぁ~ちょうど見頃だね!」

アイシェ「すごく綺麗!」

タランザ「これは驚いたの…フロラルド以外にもこんなにお花が咲き誇る場所があったのね!」

カービィとアイシェに続き、タランザも瞳をキラキラ輝かせていて…3人で見渡していた。

マルク「たまにはこんな風に綺麗なモン見ながら、騒ぐのも悪くないのサ。」

マホロア「マルクが騒ぐとぐっちゃぐちゃになるカラ、自重してヨ。」

マルク「分かってるのサ、流石にこの木を全部薙ぎ倒すとか花畑を荒らしたりはしないのサ。」

マホロア「キミが言うと冗談に聞こえないヨォ。」

そんな話をしている間に、デデデ達が花見の場所を見つけて…

デデデ「おーい、ここが一番良い景色だぜ!」

バンワド「ここでお花見しようよ!」

アイシェ「はーい!それじゃあローアから持ってくるね。」

カービィ「ボク手伝うよ。」

メタナイト「私も手伝おう。」

アイシェ「ありがとうカービィ、メタさん。」

たくさん作ったお弁当やアップルパイ、クッキーを3人で運び、デデデとバンワドが敷いたレジャーシートの上に並べていく

そしてアイシェが蓋をそっと開けると…そこには色とりどりのおかずやおにぎり、タマゴサンドが並んでいた。

カービィ「わぁぁ…美味しそう!」

デデデ「お~でっかい唐揚げもあるな!」

バンワド「わぁ、このタマゴ飾り付けされてて可愛いね!」

メタナイト「どれも彩りがあって、食べるのが勿体ない位に素晴らしい出来だ。」

アイシェ「たくさんあるからどうぞ!」

カービィ「わーい、いっただっきまーす!」

大喜びのカービィはおにぎりを頬張り…デデデ達も続いて食べ始めた。

デデデ「おー、このおにぎり美味え!」

バンワド「わぁ~このおかずもすっごく美味しい!」

メタナイト「ん、どれもとても美味いぞアイシェ。」

アイシェ「ふふっ、ありがとう。」

タランザ「あ、お花のクッキーもあるのね。」

アイシェ「今回は新しい型も試してみたの。」

タランザ「う~ん、お弁当も美味しいし、クッキーも更に美味しくなってるのね!」

アイシェ「よかった!」

マルク「お、タマゴサンドも作ったのサ?」

アイシェ「うん、こないだマルクが教えてくれた方法の半熟タマゴで作ったの。」

マルク「めっちゃ上手そうじゃーん、どれ…頂くのサ!」

そう言うとマルクはタマゴサンドを頬張り…

アイシェ「どう、マルク?」

マルク「おー、すげぇ美味いのサ!流石アイシェ、飲み込みが早いのサ。」

アイシェ「ふふっ、マルクの教え方が上手だったからだよ。」

頬を赤く染めて照れつつも嬉しそうなアイシェを見て、マルクも笑顔になった。

そしてアイシェの隣で食べていたマホロアも…

マホロア「すごく美味しいヨ、アイシェ。」

アイシェ「よかった。」

マホロア「こんなに美味しいのを毎日食べられて…ボクすごく幸せ者ダヨォ!」

そう言ってマホロアはアイシェを抱き寄せて、頬にちゅっとキスをした。

アイシェ「ま、マホロア…みんなの前で恥ずかしい…!」

そう言いつつも頬を真っ赤に染めてはにかむアイシェに、マホロアは穏やかな笑みを浮かべてそっと手を伸ばし…

ぎゅっ…お互いに手を握り合った。

To be continued…