小説「緑髪の少年(出会い編)」~プラべでの対決~(前編)

あれから3日後…

朝、タキはまめみが起きないうちにそっと家を出て…

同じ頃、まめおもスルメさんの店で準備をしていた。

まめお「……………。」

準備を終えたまめおは店を出たが、向かった先は自宅で…眠っているまめみに気づかれない様にそっと持ち出したのは…

ハイドラント「(…何のつもりだ。)」

まめお「…タキとプラベで対決する、力を貸してくれハイドラント。」

ハイドラント「(ふん、我に頼らねばならぬとは……いいだろう、今日は特別に力を貸してやろう。)」

まめお「ありがとな。」

そう言うとまめおはハイドラントを担いで出発し、出向かった先はハイカラシティのロビー

タキ「まめお君。」

まめお「待たせたな。」

タキ「それじゃあ始めよう、パスワードはこれだよ。」

そう言うとタキはまめおにパスワードを耳打ちした。

まめお「分かった。」

パスワードを入力してロビーに入り、2人はプラベを始めた。

最初のステージはショッツル鉱山、ルールはガチエリア

しかしカウントを進めるのが目的では無い、互いに実力のぶつけ合い…本当の「対決」なのだ。

初戦…まめおはハイドラント、タキはN-ZAP85

タキは動きが早くまめおは翻弄されるばかりで、結局スプラッシュボムで倒せたのみだった…

2戦目も同じくショッツル鉱山だが、今度のルールはガチホコ

タキはブキを52.ガロンに変え、相変わらず速い動きに押されつつもまめおは必死に戦った

そして3戦目…舞台はキンメダイ美術館でルールはガチエリア、タキは3Kスコープでやって来た

タキ「僕を倒せるかな。」

まめお「くっ…!(ハイドラントにとってチャージャーは天敵、けど上手く間合いを詰めれば…!)」

焦らず、まめおは機会を伺った

そして…タキが動く足場の上から姿を現したその時!

タキ「!!」

まめお「今だ!!」

ギュイィィィーン…ドドドドドドドド!!

タキ「くっ…うわっ!」

何回か撃ち抜かれているが…まめおは一瞬の隙を突いてタキを倒した

他にもモズク農園やハコフグ倉庫…

共に苦戦を強いられたまめおだが…必死に戦った。

そして…6戦目はモンガラキャンプ場

まめお「ここは…。」

忘れもしない、ここはまめみと共にタキと出会った3人にとって忘れらない大切な場所…

そして今まで素顔を隠していたタキだったが…

タキ「…まめお君、これが最後の試合だよ。」

そう話すタキは素顔を見せていて、ブキは……ハイドラント。

スピナー使いのタキの実力は折り紙つきで、使わせたら右に出る者はいないだろう。

しかしまめおも自分の気持ちを…出した答えをタキにぶつける為、ハイドラントを構える手に力を込めた。

まめお「行くぞタキ!」

タキ「負けないよ!」

2人は全力でぶつかった。

どちらもまめみに対する想いは同じ、それをお互いにぶつける為2人は力を出し切った!

結果は互いに相討ちも含めて2キル2デスで、試合を終えるとタキはまめおの元へ歩み寄った。

まめお「……タキ、俺は全ての力を出し切ってお前にぶつけた。」

タキ「うん、まめお君の実力…まめみちゃんへの強い想いも全部伝わったよ。」

まめお「あいつは俺の全てだ。」

タキ「うん。」

タキ「まめみがいたから、あいつの明るさと笑顔があったから俺は頑張れた。……タキ、もう一度聞く…お前はまめみを本気で好きなんだな?」

タキ「うん、僕はまめみちゃんが本気で好きだよ…ずっと守りたい、傍にいたいんだ。」

まめお「その気持ちに、迷いはないんだな?」

タキ「迷いなんて最初から無い、何があっても僕はまめみちゃんを守り抜く覚悟だよ。」

まめお「……まめみを泣かしたら許さねぇからな。」

タキ「まめお君……!!」

まめお「まめみを任せたぞ、タキ。」

そう言ってタキに手を差し出したまめお

その表情は穏やかで、口元は優しく笑っていた。

タキ「まめお君……うん、任せて。」

そう言うとタキは、まめおの手をしっかりと握った。

まめお「よし、帰るか。」

タキ「もう少しプラベをやりたいな。」

まめお「ん、俺は構わねぇけど…。」

タキ「ごめんね、まめお君……今度はまめみちゃんとやりたいんだ。」

まめお「まめみと?」

タキ「うん、僕がハイドラントを使う姿に憧れてまめみちゃんもスピナーを始めたんだよね?だから知りたいんだ、彼女の実力を。」

まめお「分かった、まめみを呼んでくるな。」

タキ「ありがとう、まめお君。」

一方その頃…

まめみは珍しく起きるのが遅く、眠い目を擦りながら起きて来ると…ハイドラントが無かった。

まめみ「ハイドラント…どうしたんだろう……タキ君が連れて行ったのかな…?」

不思議に思っていたまめみが朝食を済ませてボーっと外を眺めていると、まめおが家に帰ってきた。

まめお「まめみ。」

まめみ「まめお……!」

まめお「まめみ……タキが待ってる、今は何も言わずにプラベに行って来い。」

まめみ「え…えぇ…!?どういう事……」

まめお「パスワードを言うぞ。」

そう言うとまめおは、まめみの耳元でパスワードと、ある言葉を囁いた。

まめみ「まめお…。」

まめお「…終わったらヒラメが丘の公園に来い、俺はそこで待ってるから。」

まめみ「…うん、行ってきます!」

まめお「おう、行って来い!」

まめみを送り出したまめおの表情は穏やかな笑顔だった。

To be continued…