小説「Aiming for the ground Octo」~動き出す2つの任務~

※新キャラが登場するので、事前に見て頂く事をオススメします!

キャラ設定:スプラトゥーン

アタリメ指令からの呼び出しがかかり、再び任務に赴く事になったポナ

2週間で終わる…それでもお互いにとってはまるで何年も離れるかのような長い時間に感じて…しかしそれは同時に2人の互いを想う気持ち、繋がりが深い証でもある。

朝ご飯を食べた後に2人はハイカラシティへ出かけ、色んなお店を見ながら歩き…

ポナ「あ、ちょっと待ってて。」

まめみ「うん。」

何かを見つけたポナはお店の中へ…まめみがお店の外で待っていると…少しして、小さな袋を持って戻って来た。

ポナ「はい、まめみ。」

まめみ「何が入ってるの?」

ポナ「開けて見れば分かるよ。」

そう言って優しく笑うポナに、不思議に思いつつもまめみは袋をそっと開けた。

すると…中に入っていたのは「クロヤキフグバンダナ」

まめみ「あ、可愛い…!」

ポナ「まめみに似合うと思って。」

まめみ「ありがとうポナ君!」

そう言って嬉しそうに笑うまめみに、ポナはターコイズブルーの瞳を細めて再び優しく笑い…彼女の頭を優しく撫でた。

その後はスルメさんのお店で昼食を食べたり、ケーキを買って家で食べたりして過ごした。

一方…地下のオクタリアン達の住処では…

ツネ『どう…エン?』

エン『ダメですね…全く手がかりが掴めません…。』

ツネ『そうか…。』

エン『もう少し捜索の範囲を広げてみましょう…。』

ツネ『うん、そうだね…。』

行方の分からない仲間達…何も掴めない手がかりにツネ達は不安になりつつも、休まずに捜索を続けるのだった。

次の日…

ポナ「はぁ…まめみ…。」

まめみ「んっ…はぁ…ポナ…君…。」

出発する前日に当たるこの日の夜はポナの家で2人きりの濃密な時間を過ごし…

一秒でも長くこの時間を、温もりを感じていたい…2人は何度も肌を重ね愛し合った。

そして翌朝…ポナはヒーロー装備に身を包み、前回の任務の際にアタリメ司令から渡されていた黒いマントを羽織り…まめみはその後ろ姿をじっと見ていた。

その後2人はハイカラシティのマンホールの前まで来て足を止めた。

ポナ「行ってくるよ。」

まめみ「うん。」

ポナ「毎日、夜に連絡する。」

まめみ「うん…待ってる。」

今にも泣き出しそうなのをぐっと堪え…桃色の瞳をそっと閉じたまめみに、ポナもターコイズブルーの瞳を静かに閉じておでこを当てた。

そして彼女のおでこにキスをすると…

ポナ「行ってくるね。」

そっと離れて歩き出した。

まめみ「………っ………ポナ君……!」

堪えきれない涙を流しながら、まめみはポナの名を呼んで走り…彼の大きな背中に抱きついた。

ポナ「まめみ…!」

まめみ「ポナ…く…ん…。」

ポナは振り返ってまめみを抱きしめると、深く長く口づけた

そして口を離すと彼女の瞳をまっすぐに見つめ…こう告げた。

ポナ「大好きだよ。」

まめみ「あたしも大好き…。」

ポナ「必ず帰ってくるから、待っててね。」

まめみ「うん、あたしずっと待ってる…行ってらっしゃい。」

ポナ「行ってきます。」

もう一度口づけをすると、ポナはマントを翻してマンホールの中へと入り…姿を消した。

同じ頃…

エン『今日はここら辺のエリアを捜索する予定です。』

ツネ『……………。』

エン『ツネ…貴方、ここの所まともに寝てませんね?』

ツネ『……寝れる訳ないだろう…そんな暇があったら一秒でも早くざくろ達を見つける事に専念したい…。』

エン『ツネ…気持ちは分かりますが適度な睡眠は必要です、でないとまともな指揮が取れませんよ。』

ツネ『……説教は後にしてくれエン…とにかく二手に分かれよう、僕はこっちを行くから何かあったら無線で連絡して…。』

エン『あ、ツネ!』

サマーニャとざくろが居なくなって以来、ツネはろくに寝ておらず…椅子に座りながら腕と足を組んで少しうたた寝する程度であった

それ故にツネの目の下には酷いクマがあり、精神状態もギリギリで…

エンは心配していたが、ツネは1人で行ってしまい…彼はそれを見届けた後に別ルートを進み始めた。

一方ポナはアタリメ司令の元へ向かっていた。

もうすぐ待ち合わせの場所へ着く…そう思ったその時!

視線の少し先に…高台から降りて来たイカボーイが1人…

ポナ「ツネ…!?」

そこには戦闘服に身を包んだツネがいて…向こうも自分に気づいて警戒していて…

ツネ「………………………。」

ポナ「ツネ…ここで何を…?」

素朴な疑問をぶつけたポナだが、ツネの様子は明らかにおかしくて…

黄色の瞳は虚ろで、目の下には酷いクマ…今まで見た事の無い姿がそこにあった。

ツネ「………君に言う必要は無い…………。」

ポナ「ツネ…多分何かの任務の途中なんだろうけど…休んだ方がいいんじゃないかな…顔色も悪いし…。」

若干ふらつきながら悪態を吐くツネの姿に、さすがにポナも心配になり声をかけたが…

ツネ「…………余計なお世話だ…君こそ一体何の任務だ……。」

寝不足もあってツネの思考はまともに機能しておらず、ポナの優しさも今の彼にとっては耳障りでしかなかった。

ポナ「俺は…いつものパトロールで…。」

『パトロール』そう言った瞬間…ツネの体はピクッと敏感に反応した

ツネ「パト…ロール……そうか……貴様が……。」

ポナ「ツネ…?」

ツネ「貴様が…貴様…が……。」

ポナ「…何て言ってるのか聞こえないけど…俺は急ぎだからこれで…」

俯いてブツブツと呟いているツネに違和感を覚えつつも、ポナはアタリメ司令との合流場所へ向かう為にその場を後にしようとした…

しかし…

バシュッ!

ポナの頬をグレーのインクがかすった。

驚いてターコイズブルーの瞳を見開くポナ…そして目の前にはクアッドホッパーブラックの銃口を向けているツネがいて…

ツネ「……貴様が……貴様が僕の仲間を……ざくろを………!」

ポナ「ツネ……どうし…」

そこまで言いかけてポナはハッと気づいた…

顔を上げたツネの瞳が…本気の怒りを表す「タコの瞳」になっている事に…

ツネ「……ブキを構えろ、まめみの事もあるけど…まずは仲間をどこへやったのか…力尽くでも口を割らせる。」

そう話すツネのタコの瞳は、真っ直ぐとポナの瞳を…たった1人の獲物を捕らえる目をしていた…。

To be continued…