小説「Aiming for the ground Octo」~それぞれの道を~

ツミが駅のミッションをクリアしながら進む中、ルイは施設の中を彷徨う内にNAMACO端末とNMACOカードを拾い、深海メトロの別車両に乗って出発した。

ルイが座ると、奥の車両から誰かが歩いて来た…

大きな体にたくさんの細い足…濃いグレーのスーツをお洒落に着こなし、丸いサングラス姿の人物は大きな虫の様で…どうやらダイオウグソクムシの様だ。

彼はルイの姿を見つけるとゆっくりと近づき、近くの座席に座って口を開いた。

???「あの…キミが集めているソレ…ちょっとおじさんに見せて貰ってもいいかな…?」

ルイ「え、えぇ…!?」

突然話しかけられて驚いてしまったルイだったが…その相手は再び口を開いた。

グソクさん「あぁ…いきなり話しかけてしまってごめんね…。(気持ち悪いって思われてないかな…)オレは「グソクさん」って呼ばれてるんだ…尤も本名は忘れてしまったんだけどね…。」

ルイ「ううん、大丈夫…それで…その…グソクさん?どうしてこれを…?」

どうやら悪い人ではないみたいだ…少し安心したルイは彼に質問をぶつけた。

グソクさん「キミの集めているその記憶の欠片…この世界では「ネリメモリー」って呼ばれているんだけど、ずっと海底で生きてきたオレにとってソレは、外の世界を知る事が出来る唯一の楽愉しみなんだ…。」

ルイ「僕の記憶の欠片…ネリメモリーで外の世界を知る事が出来るなんて…すごい…!そういえば…グソクさんはネリメモリーを持ってないの?」

グソクさん「おじさんも昔、この実験に参加していたんだけどね…2ステージしかクリア出来なくてね…。」

ルイ「そ、そうなんだ…。…ねぇグソクさん、その実験とか…ステージとかってどういう事…かな…?」

グソクさん「ん、キミはこの実験にチャレンジしてるんじゃないのかい…?」

ルイ「それが…」

これまでのいきさつをルイは全て話し、グソクさんは真剣な表情で聞いた後に口を開いた。

グソクさん「何という事だ…つまりキミはどうしてここにいるのかも…自分の名前も何も分からないんだね。」

ルイ「うん…目が覚めた時、このネリメモリーだけを握っていた…。」

グソクさん「そうか…でもそれならキミが色んなステージをクリアしていけば、記憶を取り戻せるかもしれないね。」

ルイ「そっか、ネリメモリーで…!」

グソク「ただ…どれも危険なミッションばかりだと聞くけどね…。」

ルイ「それでも行くよ、僕の記憶を取り戻したい。」

グソク「キミの瞳…とても輝いているよ、キミはオレに夢を見せてくれる優しい太陽なのかもしれない…オレは応援する事しか出来ないけど…ネリメモリーを手に入れたら見せて欲しいな、旅の検討を祈っているよ。」

ルイ「うん、ありがとうグソクさん。」

強い決意を胸に、ルイはマップを開いた。

最初に目に入ったのは「ツンデ嶺駅」、ミッション内容はエイトカプセルを守り切る事…

ルイはタコゾネススコープを手に取った

深海に落ちた時の衝撃でタコゾネスプロテクターは割れて使えなくなってしまい、付けていたタコゾネススコープも少しだけ歪んでしまい緩くなってしまったのだ

駅に到着し、ルイはスコープを付けると、オクタシューターを手に歩き始めた。

ナマコ車掌「エイトカプセルを守って下さイ。」

ルイ「エイトカプセル…?」

ナマコ車掌「ステージの真ん中にある大きなカプセルの事でス、エイトカプセルが壊れるとアウトなのでご注意下さイ。」

ルイ「そうなんだね、分かった。」

ナマコ車掌「エイトカプセルに弾を撃つと、少しだけ回復出来まス…お気をつけて行ってらっしゃいまセ。」

ルイ「ありがとう!」

ナマコ車掌にお礼を言うと、ルイは地面を蹴って改札を勢いよく飛び出して行った。

砲台から弾を撃ち、飛んでくるタコミサイルやタコッペリンを退けながら撃ち続け…

ルイ「よし、何とかクリアした!」

この調子でどんどん進もう、そう思ったルイは電車に乗って隣の「タベテミ荘駅」へ向かうのだった。

同じ頃…ツミも別の駅を攻略し終えた所だった。

仮設・トノ・ツメオル駅のエイトボールを運ぶミッションを追えたツミはがマップを開くと、新たな路線が現れた。

ナマコ車掌「2本目の路線に辿り着きましタ…路線図に表示致しまス。マップの奥…二重丸で表示している場所に4つのアレがある様でス…そこを目指して下さイ。」

ツミ「分かった、ありがとう。」

ナマコ車掌「新たな路線を見つけたのでボーナスを差し上げまス。」

ツミ「ボーナス…?」

ナマコ車掌「新たな路線に辿り着いた事を評価し、NAMACOポイントをお渡ししまス…500ポイントをお受け取り下さイ。」

そう言ってナマコ車掌は、ツミにNAMACOポイントを渡した。

ツミ「ありがとう。」

お礼を言ったツミだが…彼女はある事が気になっていた

それは…ナマコ車掌の触り心地である。

その場にしゃがんだツミは、ナマコ車掌にそっと一差し指を伸ばし…ツンとつついた。

すると…ナマコ車掌の青い体はプルンッと揺れた。

ナマコ車掌「ひゃっ…お、お客様…どうされたのですカ…!?」

ツミ「(…柔らかい…。)」

赤い瞳をキラキラさせながら、ツミは指でつつき続けて…

ナマコ車掌はあわあわしつつも、その体はプルプルと揺れた…

一通り堪能していつもの車両に戻ったツミ…するとイイダからの連絡が入った。

イイダ『あ、そう言えば…8号さんがチャレンジ頑張ってる間、アタリメさん「暇じゃ!」って言ってたので、ワタシ達チャットでおしゃべりしてたんですよ。そんなチャットログ、せっかくなので8号さんも見られる様に改造しておきました!よかったら息抜きに見てみて下さい。』

ツミ「ありがとう。」

一通りチャットに目を通した後、ツミは次の駅…メツ・シー郡駅に向かうのだった。

To be continued…