小説「Aiming for the ground Octo」~進む者、落ちる者~

ツミがアタリメ司令、テンタクルズと共に「4つのアレ」を集めるべく動きだし…ポナもまた、ざくろと共に行動を共に始めたのと同じ頃…

エンがタコワサの元へ戻り、報告をしていた。

タコワサ『…………………!』

エン『…私が見つけた時には、彼女は既に引きずり込まれていて…私は急いで向かい手を伸ばしましたが…手遅れでした…。』

タコワサ『引きずり込まれ…そのまま地面が何事も無かったかの様に元に戻ったと…!』

エン『はい…。』

タコワサ『そんな事が…!』

エン『…申し訳ありません将軍…私は…私は間に合わなかった…助けられなかった…!私だけ無事に戻って来てしまい…本当に申し訳ありませ…』

謝罪をするエンだったが、彼の言葉を遮ってタコワサが抱きしめた。

タコワサ『自分を責めるなエン…よくぞ…よくぞ無事に戻った…!』

エン『将軍…!』

タコワサ『ナンタイ山…あそこの下に何かがあるのは間違いない……エン、お前には分析を頼みたい。』

エン『はい…!』

タコワサ『あそこには戦闘部隊を向かわせよう、他にも残された物があるかもしれん。』

エンは指示通りナンタイ山の分析を始め、タコワサの命により…ツミの所属する部隊とは違う、3人のタコボーイの戦闘部隊が調査に向かった。

赤いモヒカン頭に白い瞳…彼の名はルイ、後輩2人を引き連れてナンタイ山へ到着した。

ルイ『離れるのは危険だ、一緒に行動しよう。』

後輩1『はい。』

後輩2『しかしルイ先輩…足下から引きずり込まれる様に消えて行くなんて…そんな不思議な事が本当に起こりますかね…。』

ルイ『研究部隊がそれを見たんだ…それに何一つ手がかりが無く消えていってるのも事実、慎重に行くよ。』

後輩2人を連れて、ルイはツミが居なくなったポイント付近へ来て調査を始めようとしたその時、歌の様な不思議な音楽が辺りに響いた…

後輩1『ん、何だこの音楽…?』

後輩2『聞き慣れない音楽だけど…?』

ルイ『足下から聞こえる…?』

そう言った直後、ルイ達の足下が歪み…ズルズルと沈んで引きずり込まれていく!

後輩1『な、何だこれ!』

後輩2『これが研究部隊の言ってたやつか!?』

ルイ『くっ…抜け出せない…!』

藻掻くルイ達であったが、どんどん飲み込まれていき…沈んでいった。

その知らせは程なくしてタコワサの耳にも入り…

タコワサ『またしても…男の部隊の中でも特に精鋭の者達を向かわせたというのに…!』

一方、研究室でパソコンを使い分析を続けているエンも…

エン『何度やってもエラーになって分析結果が出せない…まるで妨害されている様ですね…。』

焦りを覚えるエンだが、深く深呼吸をして落ち着けると再び分析作業へ戻った。

一方、深海メトロにいるツミは…

イイダ『4つのアレを集めるのに、まず一番近いルートを調べますね。』

そう言うと、イイダは持っているパソコンで調べ始め…じきに結果が出た。

ヒメ『お、出たか。』

イイダ『8号さんが最初に攻略したのはルーガ森駅…そこから左右に2つのルートに分かれてますよね?』

ツミ「あぁ、分かれてる。」

イイダ『左のルートをクリアして進めて行けば、4つのアレの最初の1つがある場所へと行けるようです!』

アタリメ「なら、そのルートで決まりじゃな!」

ツミはマップで左の駅「ペアルツ区駅」を選択すると、電車はじきに駅に到着して、ツミは準備をして降りた。

ここでのミッションは時間内にイカスフィアでゴールする事

改札を出て飛び出し、イカスフィアを纏って出発したツミだが…

ツミ「足場が切れてる…どうしたら…。」

動く足場は短く切れていて困るツミだったが、無線からヒメの声が聞こえてきた。

ヒメ『ハチ!イカスフィアでもジャンプ出来るぞ!』

ツミ「分かった!」

勢いをつけてジャンプをしたツミ、次々と足場を移動していき…

イイダ『ダッシュ板に乗りましょう!』

ツミ「これだな!」

イイダの言う通りダッシュ板に乗ると、勢いよく飛んで動く足場を突破したが…

ヒメ『あ、何か居んぞ!』

ツミ「敵か…ならこうして…!」

バーン!ツミはスフィアを起爆してタコトルーパーを倒した。

しかしそのタコトルーパーも色がおかしくて…ルーガ森駅のタコゾネスの様な雰囲気で…

アタリメ『オクタリアンめ、邪魔ばかりしおって…。』

そうぼやくアタリメ司令だったが、ツミの中では様子のおかしい事が引っかかっていて、内心複雑な思いだった…。

すると…今度はイイダが口を開いた。

イイダ『生体反応の無いオクタリアン…何故…?』

ツミ「生体反応の無いオクタリアン…?」

ヒメ『どういう事だよ、イイダ?』

イイダ『…ワタシ達の様に意思を持って動いているんじゃないんです、まるで魂が無い…抜け殻の様な感じといえば分かりやすいですかね。』

アタリメ『抜け殻…という事は、ここに出てくるきゃつらは己の意思で動いてはいないんじゃな?』

イイダ『そういう事になりますね。』

ヒメ『何だそれ…意味分かんねーな…。』

アタリメ『とにかく油断は禁物じゃ、気をつけて進むんじゃ8号!』

ツミ「分かった…!」

イカスフィアで器用に動き、その後無事にゴールへ辿り着いてクリアしたツミは新たなネリメモリーを手に入れた。

同じ頃…暗い深海の施設の中で、ルイは目を覚ました。

ルイ『うっ…ここ…は…僕は…何を…してたんだっけ…。』

ツミ同様、落ちたショックで全ての記憶を失ったルイの手には1つのネリメモリーが握られていて…

そのネリメモリー『DJタコワサ将軍』を手に、ルイは近くに落ちていた自分のブキであるオクタシューターと装備していたタコゾネススコープを拾うと、それを付けて歩き始めるのだった。

To be continued…